女性ゴルファーからも注目を浴びる稲見プロのスイングを、超人気インストラクターの伊藤祐子プロが、4回にわたって解説! 最後はいよいよパッティングです。
◆直進性の高いクロスハンドグリップで勝利を重ねる、稲見プロのパッティングストローク ~右手が上、左手が下のクロスハンドグリップ~
2019年度まではパッティングは得意でなかったという稲見プロ。今季絶好調の裏には、パッティングの向上が挙げられます。
その証拠に、前年度(2019年)平均パット数43位から、今年度は3位(7月31日現在)。それまで締めていた右わきを、こぶし一個分離すことで動きが改善され、転がりが劇的によくなったといいます。
稲見プロのパッティングの特徴は、クロスハンドグリップ。すくい打ちになりにくく、フェースを真っすぐ使いやすい。つまり、直進性が高い打ち方。すくい打ちになり、パッティングが安定しない、という人はクロスハンドグリップを試してみるのもいいでしょう。
左手を長く伸ばして使えるので、ヘッドを低く長く出せるので、すくい打ちが防げます。その時、左手はなるべくグリップの下から上に滑らせるように握るといいでしょう。下から握ると腕の位置が安定し、ムダな回旋が防げるのでミスになりにくくなります。
クラブの長短により、スタンス幅が極端に変わる人もいる中、稲見プロはドライバー、アイアン同様、左右の脚のバランスがとてもいいのが特徴です。
クロスハンドグリップで右手に角度をつけ、クラブをホールドしています。肩もヒザもリラックスしています。
肩で始動を始め、左手とクラブを一体化させています。手首や下半身を使っていないので、再現性が高くなります。
頭の位置、下半身、右手首の角度、カラダの軸がアドレスと変わらず、肩だけが回っています。
ダウンでも、右手の角度は変わらず、肩以外の動きが感じられません。
中には、インパクトに向けて多少の動きを作るプロもいますが、ここまで再現性の高い人は女子プロの中でも少ないです。
アドレスの形と同じ位置に戻ってきています。
アマチュアは、ここで腰が回ってしまうなど、方向性が安定しない動きをしがちなので注意。この形をマネしましょう。
ここでひとつ、ポイントとなるのは、稲見プロは、ストロークのガイドラインは左手ですが、方向性やタッチは右手で決めているのではないかと思います。
右手で打つか左手で打つか。これはパッティング上達にとても大切なことなので、最後にまとめます。ぜひ参考にしてくださいね。
インパクト以降、行方を見るのはボールが視界から消えてから。
アマチュアの多くは、ボールの行方が気になりすぎて、打った後すぐにカラダごと見てしまいがち。
稲見プロのこの動きを見習いましょう。
【レッスン】意識をもてばうまくなる! パッティング上達術
インパクトのコマで述べたように、パッティングの上達津に必要な感性や感覚を磨くためには、なんとなく両手で打つよりも、右手で打つか、左手で打つかを決めておくことをおすすめします。
決め方は、例えば5mのパットを、右手と左手それぞれ一本で打ってみて、より距離感の合う方の手を見つけるというもの。
自分の特徴を知り、意識を高めてパッティングすることで、タッチが合うようになるはず。
稲見プロのように美しいストロークとキレキレなパッティングで、ゴルフ女子力をアップしてくださいね!
代官山の「K’s Island Golf Academy」インストラクター。豊富なスポーツの経験を生かした一人ひとりに寄り添うレッスンは、予約解禁日に即日満了するほど人気。とくに女性からの信頼が厚い。フォロワー4.3万人以上の Instagram【@yuko_ito630golf】でレッスン動画などを配信中。会員制サロン「YUKO Premium salon」や、YouTube動画も展開。
「ツアープロにティーチングプロがついているように、アマチュアにも同じ方向を見て寄り添い、目標に導いてくれる人が必要です。その存在が私であれば、幸せです」
取材・文/たかはしよし子 撮影/Getty Images、ALBA.Net