シーズン5勝。賞金ランク2位。賞金女王争いの渦中にいる小祝さくらプロのドライバースイングを、超人気インストラクターの伊藤祐子プロに解説していただきました。
小祝プロのドライビングディスタンスは240.53ヤード、27位。決して飛ばし屋ではないですが、バーディー数1位、バウンスバック率2位、パーブレーク率は3位。確実にスコアにつなげるドライバーショットの魅力は、ブレない下半身にありました。 (成績は全て9月26日時点)
アドレス
両足全体で地面をつかむようにどっしりと構え、どこから見ても、バランスのいいアドレスです。
特徴としては、右肩がもう少し傾くアドレスをとるプロが多いなか、肩の傾きが少なく、ほぼ地面と平行なところ。こうすることで、目標に向きやすくなります。
というのは、視覚的にどちらかの肩が下がると、方向感覚が狂いがちだから。
もちろん右肩が下がるのは自然なことですが、もしも「目標に対して真っすぐ向くのが難しい」という人は、右肩の傾きを抑えてみてください。
テークバック
背中をターンさせて始動。手を上げるのではなく、背中、背筋を使って回転するタイプです。
ずっと背中を使って回転し、腕と地面が平行になるタイミングで、手首がコックしています。
トップ
手元の位置が頭の真上に来るくらい深く回転しています。助走が多くなり、飛距離につながる動きです。ただし、体幹の弱いアマチュア女性がこの点だけをまねしようとすると、スイングが崩れるので注意しましょう。
その証拠に、小祝プロは右ひざの位置がアドレス時と変わらず前を向き、べた足のまま、しっかりと地面をつかみ、伸び上がることなく下半身の重心をキープしています。女性の多くは右ひざが流れやすいので注意しましょう。
ダウン
ダウンでは、両ひざを少し沈み込ませてぐっと地面をとらえ、下への圧力を強化。とはいえ上半身の力みがないので、タメがしっかりできています。
インパクト
頭がボールより右に残り、頭とクラブヘッドが天地で引っ張り合う、理想のインパクト。肩と腕の三角形がとてもきれいです。
このように、インパクトでボールより右を見ているようなカタチはぜひまねしたいポイントです。
フォロー
フォローでもほぼべた足でいるほど下半身がどっしりし、左足も流れていません。行きも帰りも上半身を回して打つスイングタイプということがわかります。
フィニッシュに向け、クラブが上がるので、それにつられてようやく右かかとが上がっています。
フィニッシュ
しっかり回り切り、ぴたっときまっています。このフィニッシュをイメージしてスイングするだけでも、上達のきっかけとなるでしょう。
小祝さくらプロ /1998年生まれ、北海道出身。158cm。8歳からゴルフを始め、アマチュア時代からプロツアーで活躍。2017年プロテスト合格。2019年「サマンサタバサ ガールズコレクションレディース」で初優勝。ツアー通算5勝。クラブ/ダンロップ ウェア/ルコックスポルティフ(デサント) 所属/ニトリ Instagram @sakura_koiwai_official
教えてくれたのは/伊藤祐子プロ
代官山の「K’s Island Golf Academy」インストラクター。豊富なスポーツの経験を生かした一人ひとりに寄り添うレッスンは、予約解禁日に即日満了するほど人気。とくに女性からの信頼が厚い。フォロワー4.6万人以上の Instagram【@yuko_ito630golf】でレッスン動画などを配信中。会員制サロン「YUKO Premium salon」や、YouTube動画も展開。
「ツアープロにティーチングプロがついているように、アマチュアにも同じ方向を見て寄り添い、目標に導いてくれる人が必要です。その存在が私であれば、幸せです」
取材・文/たかはしよし子 撮影/Getty Images、ALBA.Net