ゴルフ好きなら、由緒正しい「超名門」コースの噂は聞いたことがあるかもしれません。「入会金が1000万円越え」「厳しい入会審査」「秘密主義」など、本当にそんな世界があるの? と気になる人も多いでしょう。そこで、数多くの生徒を指導するティーチングプロである村井良行プロに、“超名門”コースの実態について聞いてみました。
――“超名門”と言われるコースについて、特徴や、一般の人が驚いてしまうようなところはありますか?
村井プロ(以下、村井)「名門コースはドレスコードに厳しい所が多いですね。たとえば、昼食時にも必ずジャケット着用のため一度着替えなければならないコースもあります。パブリックコースではありえませんが、コース上でウィンドーブレーカーなどのナイロン生地の着用が禁止されているところもあります。ドレスコードについてはゴルフ場のホームページで確認できる場合もあるので、一度チェックするのも面白いかもしれません」
―― どんな人がメンバーになっているのですか?
村井「名門コースは、ただお金を持っているだけではメンバーにはなれません。入会資格には、高額な費用に加えて既存会員二人以上からの紹介が必要など、厳しい入会審査が存在します。入会時に面接を行うコースもあります。資金の他に社会的地位や、メンバーに恥じない品格がある人を選別するようです。いずれにしても、入会資格は一般向けに公開していないことも多いので詳細は謎に包まれています。法人で会員権を購入し、接待などに使うパターンもあるみたいです」
―― 名門コースでは、プレー方法もパブリックコースと異なる点があるのでしょうか?
村井「ルールはもちろんゴルフ規則に則りますが、プレーイング4など救済措置的なローカルルールは存在しないところが多いのではないでしょうか。歴史のあるコースが多いので距離は短いこともありますが、難易度は高いことが多いですね。あとは人が乗れるカートは無く、未だに手引きカートを採用している所も多いです。当然キャディ付が基本でセルフでは回れないことも往々にしてあります」
―― ゴルフのイメージも時代と共に変わってきた感じはありますが、超名門コースも同じく変化してきているのでしょうか?
村井「変わってきているところもありますね。たとえば東京オリンピックのゴルフ会場に選定された「霞ヶ関カンツリー倶楽部」。当時は正会員を男性に限定していましたが、国際オリンピック委員会(IOC)が女性差別と問題視した経緯を受け、現在は女性正会員も受け入れています。時代と共に変わらざるを得ない部分もあるのかもしれません。ドレスコードについても、少しずつ緩和されているコースもあるようです」
―― 高額な入会費は払えないのですが、超名門コースでラウンドするにはどうしたらいいのでしょうか?
村井「メンバーにならなくても、メンバーさんと一緒にラウンドするのなら可能ですよ。注意しなければならないのは、紹介してくれたメンバーさんの顔に泥を塗らないように、言動には気をつけましょう」
パブリックコースと比べて、ドレスコードや難易度が高い超名門コースはメンバーになるには一般のサラリーマンでは少し難しいかもしれません。しかし、メンバーさんが身近に居ればラウンドするのは可能です。後学や経験のためにも、超名門コースでのラウンドを目標にするのも良いのかもしれません。
取材・文/夢書房