ゴルフ場の芝生はどんな種類がある?種類による特徴を紹介

ゴルフ場に行けば当たり前に芝が生い茂っているので、“芝生の種類や違い”などに注目することは少ないでしょう。しかし、芝生にもそれぞれ個性があります。グリーンの芝生が違えばパターや打ち方を変える必要があるのです。普段気にしない芝生だからこそ、それぞれの特徴に合わせたマネージメントをすれば、周囲のゴルファーに差をつけることができるかもしれません。ゴルフをもっと楽しめるよう、芝生の種類や特徴について解説していきます。

◆日本で使用されている芝生は大きく分けて3種類

日本で目にする芝とは、主に“日本芝”と“西洋芝”に大別され、さらに、暖かい時(暖地型)に生い茂る芝生と寒い時(寒地型)の芝生に分けられます。日本の芝生は暖地型の芝生のみなので、冬場は枯れてしまいます。西洋芝は暖地型と寒地型の芝生に分けることができます。

日本のゴルフ場で採用されているのは、ベントグラス(西洋芝・寒地型)と高麗芝(日本芝・暖地型)とバミューダグラス(西洋芝・暖地芝)の3種類。それぞれの特徴を紹介していきます。

◆ベントグラスは日本のほとんどのグリーンで採用されている

プロゴルファーの試合で見られるように、ボールに少し触れただけで滑るように転がる高速グリーンから、アマチュアが利用するゴルフ場まで、多くのグリーンで採用されているのがベントグラス。葉が柔らかく、芝目ができにくいのが特徴です。そのため、順目や逆目と芝目をあまり気にせずに、ゴルファーの思った通りの転がりになることが魅力。傾斜を読むことだけに集中すれば結果が出る芝生なので、グリーンに用いられるには最適なのです。

ベントグラスは、西洋芝の寒地型になるので、暖かい季節や地域が苦手な芝でした。近年では品種改良されて、短く刈り込まれても枯れにくくなり、また高温多湿な環境でも耐えられるように。それにより、高速グリーンに仕上げることができるようになったり、日本の環境にも順応できる芝になりました。

◆ティイングエリアやフェアウェイは高麗芝が多い

高麗芝は、暖地型の芝生で日本全国に生い茂っています。芝目が強く、ボールが浮きやすいのが特徴です。そのため、ティイングエリアやフェアウェイに採用されています。パー5でドライバーショットがうまくいって、セカンドもボールが少し浮いていて打ちやすいとなれば、アマチュアゴルファーからすればご褒美です。

ちなみに、姫高麗芝という日本芝は、数は少ないですがグリーンにも採用されています。葉の幅が狭く密度濃く生えて、踏圧に弱い芝生です。高麗グリーンは、傾斜の判断だけでなく芝目を読む必要があります。芝目が強いため、硬く刈り込まれるとショットは止まりにくく、パットでは転がりが傾斜以上に影響を及ぼすことも。ベントグラスに慣れているゴルファーだと難しく感じるでしょう。

男子ツアー「KBCオーガスタゴルフトーナメント」の開催コースである芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県)のグリーンは高麗芝で有名です。出場するツアープロの中には、芥屋ゴルフクラブのグリーンに合わせてパターを替えて、打ち方も変えて挑んでいるプロもいるそう。普段はあまり意識しない芝生ですが、やはりプレーに多大な影響を与えていることを実感できるエピソードです。

◆沖縄や西日本などの温暖な気候にあるバミューダグラス

暖地型の西洋芝で、欧米育ちの夏に強い芝生です。性質は日本芝に似ており、沖縄や西日本のゴルフ場のグリーンで採用されています。近年では温暖化に伴い、関東のゴルフ場でもバミューダグリーンを採用するコースが増えてきました。高麗芝と性質が似ているため、グリーンでは傾斜と芝目を読む必要があります。

◆洋芝と日本芝では打ち方が違う? 芝の特徴をふまえてもっとゴルフを楽しもう

日本芝(高麗芝や野芝、姫高麗芝)は、芝目が強くボールが浮きやすく、逆に洋芝(ベントグラスやバミューダグラスなど)は、葉が柔らかいため自重で沈み込みます。そのため、日本芝では多少、手前からクラブが入っても飛びますが、洋芝ではそれを許してくれません。海外のゴルフ中継で見る、かっこいいターフが取れないと、洋芝ではしっかり飛んでくれないのです。

洋芝は関係ないと思うかもしれませんが、関東から北のゴルフ場、特に北海道ではベントグラスを採用しているゴルフ場が多いです。また、沖縄ではバミューダグラスを採用されています。本州でも冬場は、日本芝が冬眠してしまうので、洋芝を採用するゴルフ場もあります。「なかなかベストを更新できない」その理由は、芝生の理解にあるかもしれません。

それぞれの芝生の特徴を理解して、マネージメントの参考になれば幸いです。

取材・文/夢書房

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