プレー中にシャフトが折れた!愛用クラブが盗まれた!保険で補償されるってホント?

可愛すぎる弁護士ゴルファーが教えるゴルフ保険』シリーズ。連載スタートから早くも大人気の山口先生に、実際のゴルフ場で起きたトラブルと判例について解説してもらいます。今回は高額なクラブが破損してしまった場合や、盗難にあったケースについて教えてもらいました。実際の事例ではどのような判断になるのでしょうか? さっそくチェックしていきましょう。

◆教えてくれたのは…弁護士の山口めぐみ先生

山口めぐみさん

梶山法律事務所所属。交通事故等の損害賠償請求、離婚、相続等の身近な法律問題から、契約書作成や労務相談など企業や経営者からの法律問題まで幅広く扱う。女性ながらの細やかで丁寧な対応からクライアントの支持も高い。かつ、ゴルフ歴7年のゴルフ女子。好きなクラブはドライバーで、パワフルなスイングを持ち味とする原英莉花選手を応援している。Instagramアカウントmegumi_lawyer Instagram ゴルフアカウントmegumi_golf 

プレー中、ダフってクラブが折れてしまった……

イメージ写真/Adobe Stock

とある女性ゴルファーは、プレー中にダフってしまい、シャフトを折ってしまいました。買ったばかりで気をつけていたのに……と落ち込むばかり。修理の見積もりを取ったところ、修理費は1万5000円もするみたいです。

そのとき、彼女は思い出しました。「そうだ、ゴルフ保険に入っていたんだ。もしかして、保険から修理費が支払われるかも!」

彼女は、ゴルフ保険でクラブの破損について補償を受けることができるのでしょうか?

携行品保険ってなに?

ゴルフ保険は、4つの保険の組み合わせで成り立っています。ゴルフ場やゴルフ練習場では、クラブが壊れたり、キャディバッグごと盗まれてしまったり…というトラブルが起きています。そんなときに頼りになるのが「携行品保険」です。

※クラブの破損や折れた、曲がった場合が対象になり、グリップのゆるみなどは対象外です。ゴルフウェアやバッグなど、ゴルフに関係のあるものも対象になりますが、当日身に着けていた時計や宝石、ゴルフボール単体に関しては対象外になるので、注意してくださいね。

補償される金額について

ゴルフクラブが壊れた場合は修理費が支払われることになります。修理費がクラブの時価額を超える場合は、時価額が支払われることになります。

今回の事例では・・・
女性ゴルファーのクラブの修理費が1万5000円です。クラブの時価額が2万円の場合、修理費1万5000円の補償を受けることになります。クラブの時価額が5000円の場合、時価額5000円の補償を受けることになります。

では、ゴルフクラブが修理できない場合や盗難された場合はどうなるのでしょうか?

その場合は、ゴルフクラブの買い替えが必要となるので、ゴルフクラブの時価額が補償されることになります。

気になる「時価」、どうやって算出するの?

クラブの時価額の算出方法は、保険会社によって異なるので、加入している保険会社に直接問い合わせるのが良いでしょう。

一般的には、購入した金額から、年間10%~30%程度の減価償却がされることが多いようです。また、最終的な残存価値は、購入した金額の10%~50%とする会社もあるようです。

とくに、持っているクラブの時価額が低そうで、修理するか迷う場合は、事前に保険会社に連絡してクラブの時価額を聞いておくといいでしょう。そうすれば、修理した後に、「思ったより補償が下りなかった!」ということを防げるはずです。

購入時の領収書をとっておくと◎

①クラブを修理するとき

修理費の見積書が必要です。クラブを購入したメーカーに破損したクラブを持ち込み、修理費の見積書を出してもらいましょう。また、破損状態を確認するために、写真を要求されることもあります。

②時価額の補償を受けるとき(例 修理できないとき、修理費より時価額の方が安いとき)

購入したときの領収書が必要となる場合があります。クラブの購入時期や購入額が確認できるので、あまり人が持っていないようなクラブであれば、提出を求められるかもしれません。

また、クラブが修理できない状態であることを確認するために、壊れたクラブを送ったり、クラブの写真を要求されることもあります。ですので、保険会社から了解が得られるまでは、クラブを破棄してはいけません。傷ついた相棒の姿を見るのはしのびないですが、自宅で保管しておきましょう。

③ゴルフクラブが盗難された場合

購入時の領収書等の提出が必要になります。クラブがあったことを証明するためのものですが、日ごろからクラブセッティングの分かる写真などを残しておくといいかもしれません。

山口先生のワンポイントチェック!

「クラブが破損した場合、ゴルフ保険を使えることを知らずに、自分で修理費を払っている人も多いです。補償が受けられる可能性があるので、ぜひ覚えておいてくださいね。

また、ゴルフ場やゴルフ練習場などでの破損・盗難を対象としているので、車上荒らし等によるクラブの破損・盗難は対象外です。よく『ゴルフ保険で補償されますか?』という相談を受けるのですが、ゴルフ保険の対象外です。ゴルフ保険以外の保険でカバーできるように、たとえば自動車保険に特約を付けるなど保険の内容を見直しましょう。

ちなみに、ゴルフ場が入っている保険でも、クラブの破損を補償してくれる場合があります。ゴルフ場でクラブが破損してしまったら、まずはゴルフ場に相談し、加入している保険が使えるか確認してみてください」