ほとんどのゴルフ場でネット予約が可能になり、プレーをするだけならゴルフ会員権を購入する意味があまりなくなった昨今。そんな令和の時代にゴルフ場メンバーになる意味とは? ゴルファーが本当に知りたかった会員権の疑問を深掘りしていきます!
会員権購入を検討しているのは・・・
入口 花子(いりぐち・はなこ)/神奈川県横浜市在住の45歳。広告代理店・マーケティング部の部長。30代を機にゴルフを始め、現在は月2~3回の頻度でラウンドを楽しむ。一緒に行くのは、仕事仲間や女友達。ゴルフを通じて知り合った旦那がいるが、上司や同僚とのラウンドが多く、最近は一緒にラウンドする機会がめっきり減少。この先、夫婦で一緒にゴルフを楽しむためにも、ゴルフ会員権の購入を検討中。
共通会員権のメリット・デメリット
更なるゴルフライフの充実を図るため、お気に入りのゴルフ場メンバーになるのが一般的。しかし、太平洋クラブを筆頭にいくつものゴルフ場をメンバーフィで楽しむことができる「共通会員権」というものある。そこで、今回は共通会員権のメリットとデメリットについて聞いてみた。
共通会員権はどんな人に合っているの!?
入口花子(以下・入口) 普通のゴルフ場の会員権に関しては、今までのお話でかなり詳しくなれた自信はあります。ただ、ちょっと仕組みを理解出来ていないのが、太平洋クラブや山田クラブ21といった「共通会員権」と呼ばれる種類のものなんですよ。
M治ゴルフS水さん(以下・S水) 現在、「共通会員権」という形で売り出しているのは、入口さんが仰った2つ(太平洋C、山田C21)が有名ですね。特に、太平洋クラブは「三井住友VISA太平洋マスターズ」を毎年開催している太平洋C御殿場Cを筆頭に、トーナメント開催実績のあるゴルフ場が多数あり知名度も高いですね。
入口 一つの会員権で複数のコースをプレーできるので、デメリットはほとんどないように感じるのですが、実際はどうなんですか?
S水 プレースタイルによって、メリットとデメリットの考え方は大きく変わってくると思います。一概にはいえませんが、やはり共通会員権だと一般的なゴルフ会員権と比較して、「ホームコース」という感覚は薄れると思います。「クラブライフ」の充実を期待するのであれば、一般的なゴルフ会員権のほうがいいように思われます。
入口 でも、月例などの競技会はあるんですよね? 同じコースに通っていればそれなりのクラブライフは送れるのではないですか?
S水 もちろんそうです。ただ、様々なコースをメンバーフィで楽しめるのが共通会員権の一番大きな魅力なので、同じコースばかり通うのは少し本末転倒かもしれません。また、共通会員権のゴルフ場は、どうしても1ホール当たりの会員数が多くなります。そういった点でも、会員になった後に新しいゴルフ仲間を作ったりするのは、少し不向きといえます。それよりも、元々のゴルフ仲間と一緒に共通会員権を購入して、一緒にいろいろなゴルフ場を楽しむ、という使い方をされる方が多いようです。
入口 確かにその通りですね。
S水 裏を返すと、クラブライフや競技にそれほど興味が無く、いろいろなゴルフ場をメンバーフィで楽しみたいというゴルファーにはぴったりといえます。特に、全国に18コースを抱える太平洋クラブは、それぞれのコースクオリティも非常に高いので、満足度は高いはずです。
共通会員権以外にも提携割引きは意外に多い
入口 共通会員権は年会費も共通という認識でいいのですよね?
S水 もちろんです。その点でも共通会員権はお得といえるかもしれません。名門コースを中心に年会費が高額化している昨今では、年会費も共というのは大きなメリットといえるかもしれません。
入口 プレースタイルによって、共通会員権のほうが合っている場合も多そうですね。
S水 会員権の用途をプレー主体に考えていて、様々なゴルフ場を安く回りたいゴルファーには共通会員権はお勧めできます。競技には全く関心がない、若いゴルファーが購入されることも多いです。さらに、接待でいろいろなコースを使いたいという方にも、一定のニーズがあるようです。
入口 他にも、こういった共通会員権はあるんですか?
S水 太平洋クラブと山田クラブ21のように、専業でやっている所はほとんどないと思います。ただ、エクシブ(リゾートトラスト)や東急ハーベストなどのリゾート会員権も、系列のゴルフ場で優待を受けることはできます。もちろん、それぞれの系列ゴルフ場には独自のメンバーがいるので、メンバーフィというワケにはいきませんが。
入口 こういった経営母体が共通であることによる、プレーフィの割引きは他にも結構あるんですか?
S水 ほかにもユニマットやJゴルフ、リソルグループなども「グループ割引き」のようなものはあるようです。大手ゴルフ場運営会社である「PGMグループ」が手掛ける「Pキャップ」もそうですね。
入口 では、経営母体や運営会社を考慮したうえで会員権選びをするというのも選択肢の一つですね。
S水 太平洋クラブなどの共通会員権ほど、高いクオリティのサービスやプレーフィでの恩恵を受けられるワケではないですが、「優待」を期待して経営母体や運営会社を考慮したゴルフ場選びをするのもありだと思います。
※次回は「法人会員って何が違うの?」です。
ゴルフ会員権について知りたいことがあれば、明治ゴルフまで!
イラスト/長谷川まき