自分はもちろん、同伴競技者にも気持ちよくラウンドしてもらうには、最低限のエチケット&マナーを身につけておくべきです。プロキャディ・伊能恵子さんが独自の視線で語るエチケット&マナー第4回は、グリーン上での立ち位置についてです。
【バックナンバーをチェック!】 プロキャディ・伊能恵子がアドバイス ゴルフ上達に役立つエチケット&マナーのススメ
◆ボールの転がり方を見たくても、相手の視界に入るのはマナー違反!
グリーン上にボールが乗ったものの、自分の順番をどこで待てばいいのか分からない人もいると思います。この場合、これからパッティングする人の背中側のように視界に入らないところへ立つのがベストです。ただし、立ち位置が近すぎると、自分の足元が相手の視界に入ることもあるので、一定の距離は保ちましょう。もしも、自分の位置が気になるのか分からなければ、「気になりますか?」と直接聞いてみましょう。「大丈夫だよ」とか、「もう少し離れてほしいかな」などと答えてもらえると思います。
ビギナーにありがちなのが、自分のラインを読むことに集中するあまり、カップを挟んで相手と対峙する位置にいることです。相手にしてみれば、カップ方向を見たら人がいるわけですから、かなり気になります。また。自分と同じようなラインだからといって、カップとボールを結んだ線上の後方に立つことも厳禁です。ボールがどのように転がるのか見たい気持ちは分かりますが、やはり相手にしてみれば気になります。
実は、ツアープロやキャディは同じラインから打つ選手のパッティングを必ずチェックしています。大まかなラインは把握しても、カップ近くでどのように切れるのか分からないときがあるからです。カップ1個分右に切れるのか、あるいはカップ半個分右に切れるのかを知るだけで自分のカップイン率が上がります。もちろん、相手の後方線上に立ったり、視界に入ると失礼なので、ボールを打ち終えるまでは目立たないところに立っています。相手がボールを打った瞬間に、サササッと後方線上に移動して確認するわけです。
大切なのは、相手がパッティングに集中できるように気配りすることです。ほかの人がアドレスに入っているのに、キャディさんにラインについて大声で質問したり、自分のラインを読みたいからといってグリーン上を歩き回るのはもってのほかです。
また、グリーン上では余計な時間をかけないことが求められます。ビギナーに限ったことではありませんが、自分が打つ番になってからラインを読む人が少なくありません。同伴プレーヤーのじゃまにならないように気をつけながら、大まかなラインは把握しておきましょう。4人で回っているなら、自分以外のボールはどこにあるのかを確認し、何番目に打つのかを理解します。自分が3番目に打つとしたら、1番目と2番目の人がパッティングした後にボールをマークしたり、ピックアップするまでの時間を利用しましょう。
カップとボールを結んだ後方線上に立つのはNG
相手の正面に立つのもNG
カップの反対側に立つのもNG
同伴プレーヤーがインパクトした後に、カップ間際の転がり方を見にいくのはOK
取材・文/山西英希 撮影協力/木更津ゴルフクラブ