こんにちは、匿名ライターの「かこみらい」です。 キャディとしてお客様と接する中で起きたあんなことやこんなことを、個人的主観たっぷりにお伝えしていきます。さて今回は、ボールがコースを外れたときに叫ぶ「ファー!」にまつわるエピソードをお届けします。
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お客さまの打った打球が大きく曲がってコースを外れ、隣のコースに行ってしまったときのことです。キャディの務めとして、大きな声で「ファー!」と叫びました。落ちた先も確認し、「OBです」とお声掛けしたのですが…お客さまはなぜか怒り心頭の様子。
思わぬOBが不服だったのか…ファーと叫ばれたのが嫌だったのか…なんて思いましたが、もちろん仕事なので遠慮するわけにはいきません。バックナインに入ってから、またもボールが大きく右に曲がりました。「ファー!」と叫びながら、ボールの場所を確認に行ったところ、今度はOB区域よりわずかに手前に落ちていたんです。つまりセーフ。
その瞬間のことでした。「ほら見ろ! 俺はこんなところでOBなんかしない。大きな声でうるさいんだよ!」と怒鳴られてしまったのです…。お詫びにも耳を貸していただけず「もっと、きちんと見極めろ!」 と更なるお叱りを受けることになってしまいました。(涙)
ここまで怒りを爆発させる方はめったにいませんが、何となくご機嫌を損ない、嫌な空気を漂わせる人って実は以外と少なくないんです。
キャディ研修で先輩から真っ先に教えられることは、「とにかくコースを外れそうだと思ったら叫べ」ということ。これくらいならセーフでは? と思って叫ばなかったときには「なんで言わないの!ダメじゃない!」と鬼の形相で怒られます。打球事故はあってはならないこと。自分の組だけでなく、ほかのお客様の安全を守ることも、キャディの大切なつとめです。
ちなみに「ファー!」の声が聞こえたら、どこから来るのかと上を見上げることは絶対にしないでください。物陰に身を寄せたり、頭を守ったりと、危険を防止する行動を心がけてくださいね。
◆【教えてくれたのは】匿名キャディ・かこみらいさん
某有名トーナメントコースの元キャディ。自分でプレーするのも大好きで、ゴルフギアには一家言あり。趣味は車で、Bライセンスを取得するガチっぷり。歴代アメ車を所有し、エンジンルームを眺めているだけで一日が終わってしまうほど。ゴルフ、クルマなどの知識を活かし、現在はライターとして活躍中。