自分はもちろん、同伴競技者にも気持ちよくラウンドしてもらうには、最低限のエチケット&マナーを身につけておくべきです。プロキャディ・伊能恵子さんが独自の視線で語るエチケット&マナー第7回は、グリーン上のボールマークとスパイク跡を修繕するときの注意点です。
【バックナンバーをチェック!】 プロキャディ・伊能恵子がアドバイス ゴルフ上達に役立つエチケット&マナーのススメ
◆芝を持ち上げるのではなく、押してみましょう!
グリーンの硬さにもよりますが、ボールがグリーン上に落ちた際、窪んだ跡ができます。これをボールマークまたはピッチマークと呼びます。自分がつくったボールマークは自分で直すのがエチケットです。プレーに余裕があるときは、他の人がつくったボールマークも直すように心がけましょう。
ここで問題なのが、ボールマークの直し方です。これは初心者に限らず、ある程度の経験者でも、正しい修繕方法を知らない場合が少なくありません。芝の根を切ってしまうことにもつながるので、ぜひ正しい直し方を把握しましょう。
間違っている人に多いのが、グリーンフォークをボールマークの端に刺したら、そのまま芝を持ち上げようとする行為です。凹んだ部分を持ち上げようとするからだと思いますが、これだと芝の根が切れてしまいます。
正しい修繕方法は、グリーンフォークをボールマークの端へ斜めから深く入れます。そこからグリーンフォークを前へ押すように立てていきます。ボールマークを一周するように4~5カ所で行います。ポイントはグリーンフォークを素直に前方へ押すことです。押しながら捻りを入れたりしないようにしましょう。最後に、パターのソールで上からトントンと押してあげると、平らになります。
グリーンフォークがない場合は、ティペッグでも代用できます。その際、同じようにボールマークの端に斜めから刺したら、芝を持ち上げるのではなく、前に押してあげましょう。
次に、スパイク跡についてですが、以前は修繕することができませんでした。しかし、昨年1月のルール改正により、修繕できることになったんです。直し方としては、パターのソールでトントンと軽く叩くぐらいで十分です。あまりしつこくやりすぎると、ボールからカップまで平らなラインをつくることにもつながるので、どうかと思います。目立ったところを直す程度で十分です。
プロキャディの立場として言わせてもらうと、プレーヤーにはスパイク跡をつけないように注意してもらいたいですね。グリーン上で足を引きずらないことは当然として、同じ場所に長時間立っていたり、ツマ先立ちでしゃがみ続けていると跡がつきやすいので気をつけましょう。
また、足を地面に着けた状態で左右に動かすと、グリーン面が大きく損傷するので絶対に避けてください。最近のソフトスパイクは滑りにくいようにソールが改良されていますが、その分グリーン面を傷つけやすくなったことも事実です。プレーヤー自身ができるだけ傷つけないように意識することがグリーンの保護につながると思います。
ボールがグリーンに落ちたとき、窪みができます。これをボールマークまたはピッチマークと呼びます。自分がつくったものは必ず直しましょう。また、パッティングのライン上にあるときも直すべきです
グリーンフォークをボールマークの端に斜めから刺したら、そのまま深く入れます
ボールマークの中心に向かって、グリーンフォークを真っすぐ前に出します
ボールマークを一周するように、4~5カ所で同じ動きを行ないます
最後にパターのソールで上からトントンと抑えます
グリーンフォークがないときは、ティペッグでも修繕できます
取材・文/山西英希 撮影協力/木更津ゴルフクラブ