プロキャディ・伊能恵子さんが独自の視線で語るエチケット&マナー。第11回は、使用したクラブをどこに置くかです。セルフプレーでありがちなのが、マイクラブをグリーン周りに忘れてくること。置き方を注意するだけで、クラブを忘れてくることが激減するんですよ。
【バックナンバーをチェック!】 プロキャディ・伊能恵子がアドバイス ゴルフ上達に役立つエチケット&マナーのススメ
◆ボールをマークしたら、クラブを置く位置を変えましょう!
セルフプレーでラウンドする場合、グリーンが近づいてきたら、アプローチで使うクラブの他にパターも一緒に持っていきましょう。なぜなら、必ずしもカートがグリーンのすぐ近くにあるとは限らないからです。パターを取りに行って戻る時間がそのままプレー進行の妨げになります。その問題を解消するために、パターをグリーンに上がる前から用意しておくわけです。
さて、グリーンにボールを乗せることに成功しましたが、グリーン上で使用するクラブはパターのみです。つまり、他のクラブはどこかに置かなければいけません。皆さんはどこに置いていますか? 絶対にNGなのはグリーン上です。ついフェアウエーやラフから打つときと同じ感覚で置いてしまうのかもしれませんが、芝を痛めてしまうので気をつけましょう。これはピンを抜いておくときにも言えます。ベストポジションは次のホールへ向かうグリーンサイドか、カートが停まっているグリーンサイドです。なぜなら、そちらへ向かって全員が歩いていくので、たとえ自分がクラブを置いたことに気がつかなかったとしても、同伴プレーヤーの誰かが気づいてくれるからです。
もちろん、常にベストポジションに置けるとは限りません。次のホールがグリーン奥の方向にあり、ピンポジションが手前にある場合、わざわざそちらへクラブを置いて戻ってくると、やはりプレーの進行を妨げてしまうからです。このようなときは、とりあえず、ピンに近いサイドのグリーン脇にクラブを置きましょう。パッティングの順番にもよりますが、自分のボールをマークした後や、ファーストパットを打った後、時間に余裕がありそうなら、クラブを移動します。
途中でクラブを移動するときは、同伴プレーヤーの動きに注目すること。アドレスに入ったらその場で止まります。視界に入るところに立つのも厳禁です。その問題をクリアできて、クラブを移動させる余裕がある場合、グリーン全体の傾斜を把握しておくことをお勧めします。自分のラインをなんとなくつかんでおくと、打つ前にラインを読むときに役立ちます。
セルフプレーではクラブの置き忘れが少なくありません。自分のクラブだけでなく、同伴プレーヤーのクラブにも注意を払えるようになるといいですね。もしも、次のホールやカートと逆サイドに他の人もクラブを置いていたら、自分のクラブと一緒に移動してあげましょう。皆でクラブを置き忘れないようにすることが大切です。
セルフプレーでは、クラブを置き忘れてしまうことが多いので気をつけましょう
クラブをグリーン上に置くのはNGです
次のホールへ向かうサイドやカートが停まっているサイドにクラブを置いておくと、忘れにくくなります
取材・文/山西英希 撮影協力/木更津ゴルフクラブ