ゴルフスコア120は迷惑? 同伴者に迷惑をかけないためのラウンドガイド

ゴルフスクールや打ちっぱなしに通い、いざラウンドへ! と思うものの「今の腕前で周りに迷惑をかけたり、怒られたりしないか不安」「初ゴルフでスコア120以上叩いてしまった…周りに迷惑をかけたかも」と不安や悩みを抱える方も多いでしょう。
結論からお伝えすると、ゴルフのスコアが120でも140でも、決して迷惑ではありません! ゴルフはスコアが良ければ楽しいですし、技を磨きコースで実践することで満足感を得られるスポーツです。けれど、ゴルフの魅力はそれだけではありません。大自然に囲まれ、ゴルフという共通の趣味を持つ仲間とリフレッシュする時間は貴重ですし、ゴルフ場それぞれに魅力ある食事に舌鼓を打ち、ゴルフウェアを選ぶ時間も楽しいものなのです。

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目次
1.ゴルフのスコアの目安は?
2.腕前に自信がない人こそ、ゴルフマナーの重要性を学ぼう
3.スコアの数え方
3-1.全ホール+2打叩いてもスコアは108!
3-2.初心者がやりがちなスコアカウントに関するミス
4.スロープレーを防ぎ、スムーズにプレーするための豆知識
4-1.ティーショットの準備と打つ順番
4-2.自分のボールを見失わないようにする
4-3.効率的なクラブ選びとショットの準備
4-4.スコアカードを記す場所
5.ミスショットしても慌てないスマートな対処法
6.「ゴルフが下手」「迷惑」と思われるゴルファーの特徴
6-1.グリーン上での振る舞いにも注意が必要
6-2.バンカーに入ってしまったら?
6-3.プレー中のおしゃべりに要注意
まとめ

1.ゴルフのスコアの目安は?

「ゴルフのスコアが120でも迷惑ではない」とお伝えしたとはいえ、初心者ゴルファーの皆さんは一般的にどれくらいのスコアイメージを持っているのか気になる人も多いですよね。

例えば、女性の平均スコアで考えると、90以下なら上級者と言えるでしょう。100前後で中級、120前後だと初心者、130以上なら超初心者というイメージがあるようです。ゴルフはある程度の技術と経験を要するスポーツですし、上達には時間がかかるのが普通。初めてラウンドに訪れるゴルファーは120~140くらい叩いてしまうものです。練習を重ねたとしてもラウンドに不慣れで、経験が少ないことが影響していると言えます。平均値で考えれば、スコアが120だったとしても、スコア102で回る中級者のゴルファーと各ホール1打しか差がないことになるのですから、プレーファーストの意識を忘れなければ、迷惑になることはないはずです。

2.腕前に自信がない人こそ、ゴルフマナーの重要性を学ぼう

ゴルフコースで一番気を付けなければならないことは何でしょう? ゴルフ場にもよく書かれていますが、「プレーファースト」の意識です。9ホールのハーフプレーでは、ツーサム(2人でのプレー)で1時間55分、スリーサム(3人でのプレー)では2時間5分、フォーサム(4人でのプレー)で2時間15分がひとつの目安とされています。

つまり、スコアが仮に180であっても、上記の時間内に終了できれば、誰にも迷惑は掛けないということです。“迷惑をかける・かけない”の基準はスコアではなく、「ショットを曲げてしまったら、走ってボールを探しにいく」「クラブ選択で悩まないよう、何本かクラブを持って歩く」「グリーン上では順番が来たらすぐに打つ」など、プレーファーストを意識することに尽きます。

初心者のうちはショットの回数が増えてしまうことで、プレーに気を取られ焦ることもあるかもしれません。重要なのは、迷惑を掛けないようにプレーしようとする姿勢です。初心者のプレーについて、長年ハウスキャディを勤めていたライターの加古氏に聞くと「初めてラウンドします、という方を大勢見てきました。仮にスコアが140だったとしても、プレーファーストを意識していればまったく迷惑ではないし、ラウンドの進行遅れも気になりませんでしたよ」と安心できるコメントを貰うことができました。

3.スコアの数え方

ゴルフスコアのカウント方法は、1回打てばプラス1というシンプルなもの。18ホールすべての打数とペナルティを合計したものが、その日のトータルスコアとなります。自分自身でスコアを計算するため、正確にカウントをすることが必要です。

各ホールには「パー(Par)」という基準打数が設定されており、例えばパー4のホールを5打で終えた場合は+1、「ボギー」という事になります。「バーディ」や「ボギー」など、ゴルフならではのスコアの数え方(用語)もあるので、覚えておくとスムーズに会話を進めることが出来ます。

  • イーグル(-2)
  • バーディ(-1)
  • パー(0)
  • ボギー(+1)
  • ダブルボギー(+2)※ダボという表現をすることもある
  • トリプルボギー(+3)※トリという表現をすることもある
  • クワドラプル・ボギー(+4)

※規定打数の2倍を叩いてしまった場合はダブルパーと表現することもあります。

3-1.全ホール+2打叩いてもスコアは108!

ちなみに、全ホールをバーディでプレーした場合、トータルスコアは54。パーなら72。ボギーなら90で、ダブルボギーだと108。全ホール+3打のトリプルボギーで回ると126ということになります。ラウンド初心者のうちは、毎ホール+3打叩いてしまってもスコアはまとまりますし、2ホールに1回ダブルボギー(+2)で回ることが出来れば117と、初心者のイメージを脱するスコアになります。このように考えることで肩の力が抜け、存分に練習の成果を発揮することができるようになりますよ。

3-2.初心者がやりがちなスコアカウントに関するミス

初心者のうちにやってしまいがちなのが、グリーン上で「OK」をもらった際に、プラス1打カウントすることを忘れてしまうこと。OKとは、プレーの進行を早めるため、1グリップ以内の距離に寄ったときにパッティングを省略できるローカルルール。忘れずに必ずカウントしましょう。

他にも、OB(アウトオブバウンズ)やペナルティエリアなど、追加の打数が課されるシチュエーションがあります。初心者のうちは周りに聞いてもイヤな顔をされないはずなので、慌てたりごまかさずにルールを少しずつ覚えていきましょう。自分のスコアがわからなくなってしまうこともありますが、スコアを数えきれないという人は、スコアカウンターを使うのもおすすめします。

4.スロープレーを防ぎ、スムーズにプレーするための豆知識

4-1.ティーショットの準備と打つ順番

ティショットとは、「ティーイングエリア」と呼ばれるスタート地点で、最初の1打を打つことをいいます。ティーイングエリアにはマーカーが設置されていて、各色で距離の違いを表しています。主に初心者~中級者が使うマーカーを紹介します。赤いマーカーがレディスティ、金・銀がフロントティと呼ばれ、飛距離に自信のないシニアが使用することが多いです。白がレギュラーティと呼ばれ、基本的には男性や、飛距離に自信のある女性ゴルファーが使用します。その他、青のバックティ(飛距離に自信のある男性が使用することが多く、ゴルフ場の使用許可が必要がな場合がある)、競技用に使用される黒のチャンピオンティなどがあります。

ラウンド中は同じ色のティーイングエリアを継続して使用します。設置された2つのティマーカーの幅で、奥行きはコース側を先端として、ティマーカーから2クラブレングス以内にボールをセッティングしましょう。初心者がやりがちなミスとして、2つのティマークよりも前にボールをセットしてしまう“でべそ”と言われるマナー違反。ペナルティとして2打罰が課されます。ちなみに、ティーイングエリアの内側にボールをセットすれば、体は外に出ていても問題ありません。

ティショットは、その前のホールでスコアが良かった人から打つのが基本です(スタートホールでは、くじ引きかじゃんけんなどで決定します)。最初に打つ人は英語で名誉を意味する「オナー」と呼ばれます。前のホールが同じスコアなら、その前のホールのスコアを確認します。効率よく進行するために、準備が終わった人から打つことがルールでも認められています。お手洗いなどでオナーの準備が遅れており、前の組と安全な距離が確保されているなら他のメンバーから先に打つことはOKとされています。

ティショットに限りませんが、素振りを何度もするのはNG。最大でも2回までを上限として、スムーズに打ちましょう。

4-2.自分のボールを見失わないようにする

自分の打ったボールの行方を把握することです。まず、ボールを追う自信がない初心者のうちは、キャディさんや同伴者にボールを見ていてもらうようにしましょう。球筋が安定しない人は、想定される飛距離とともに「ラウンドに慣れていないので、球の方向を見ておいてもらえますか?」と同伴者やキャディさんにあらかじめ断っておけば安心ですし、マナ―的にも好印象です。

そして、カラーボールを使うこともおすすめです。とくに、曇りや霧のかかった日は白いボールが見えにくいので、プロの試合でも、天気が悪く見えにくい状況ではカラーボールを使っている選手を目にします。また、同伴者と違う色のボールを使っていれば、すぐに自分のボールだとわかりやすいのもメリットです。とくに黄色のカラーボールがおすすめです。黄色のボールは、空高く打ち上がっても青空の色と対比するため見やすく、フェアウェイやグリーンの緑、ベアグラウンドやバンカーの茶色とも異なるためボールを見失うことを防いでくれます。

4-3.効率的なクラブ選びとショットの準備

初心者のうちは「クラブを何本か持って素早く移動する」ことがフェアウェイ上での最大のマナーです。とくに、フェアウェイ乗り入れのできない自動運転のカートに乗っている場合は、持っている番手を入れ替えにカートに戻るだけでも時間がかかり、スロープレーに繋がります。1打目を打ち、フェアウェイに出るときには、「これは使うかも」と思ったクラブはすべて持ってボールの元まで走ると、“プレーファストを意識しているな”と周りからも好印象です。

4-4.スコアカードを記す場所

無事にグリーンに乗り、カップイン! いち早く自分のスコアをスコアカードにメモしたい気持ちはわかりますが、ホールアウトしたらまずは素早くグリーンから出てカートに乗り、次のホールへ移動しましょう。グリーンでスコアカードを記入するなどもたついていると、次の組のプレーが進まず、影響が出てしまいます。

1ホールのプレーを終えたら、まずはグリーンの周りに忘れ物がないか確認を。そして、クラブを持ったまま(キャディバッグに入れるのも、次のホールに到着してからでOKです)カートに乗り込み、移動を開始します。ここで初めて、スコアカードに記入を始めるのが基本です。

5.ミスショットしても慌てないスマートな対処法

ショットが曲がって林や深いラフに入ると、探すのに時間を要します。もしも隣接ホールに飛んでいってしまった場合は危険を避け、隣接ホールをラウンドしている組が通り過ぎるのを待つことになります。ボールを探す場合、競技ルールでは3分間と決められていますので、エンジョイゴルフでも最大3分を目安とし、延々と探し続けることは避けましょう。

ボールを探しに行く場合は、必ず、見つけた際に使う可能性のあるクラブ数本とボールを持って走って行きましょう。ボールをロストした場合は全員で探すのではなく、探している間にプレーを続行できる人がいれば「先に打ってください」「先に打ちます」と声を掛けあってプレーするのがスマートです。

「ボールが思わぬ方向に!」と思ったら、ティショットの場合、まずは特設ティ(前進して4打目から打てるティ。前4と呼ばれる)の有無を確認します。また、3打目のカウントになりますが、念のためのもう1球(暫定球)を打つのも一つの手。ボールが見つからなかった場合に暫定球でプレーをスムーズに続行することが出来ます。もし見つからずにロストボール(紛失)してしまったら、打った場所から1クラブレングス以内にドロップし、1打罰を加えてプレーを続行しましょう。

また、慌てがちなシチュエーションとしてバンカーに入ってしまった場合が挙げられます。緊張と焦りで何度やっても出せないことも。その場合は「アンプレアブル」を宣言することでいくつかの救済を受けることができますが、初心者が覚えておきたいのは「2打罰を加えることで、ボールとピンを結ぶ後方の延長線上で、バンカーの外(1クラブレングス以内)に出せる」というルール。無理に頑張らずオトナの選択をすることで、プレーもスムーズになります。

6.「ゴルフが下手」「迷惑」と思われるゴルファーの特徴

最後に、上達してスコアアップしても「ゴルフが下手だな」「一緒にプレーしたくない」と思われる迷惑ゴルファーについて学びましょう。

6-1.グリーン上での振る舞いにも注意が必要

グリーンはスコアに直結するところなので、芝の扱いは慎重に行うべきです。まず、グリーン上を走ることや足を擦って歩くことはもってのほか。芝を痛め、他のプレーヤーの迷惑になります。また、グリーン上を歩くときは、同伴者のラインを踏まないように注意を払いましょう。またぐ際も「またぎます」と声をかけると印象がアップするでしょう。ラインを踏んでしまったら、その場でしっかり謝罪して、今後踏まないようにすればギリギリセーフ。もちろん、故意に踏んだり、何度も踏んでしまうのは論外です。

6-2.バンカーに入ってしまったら?

バンカーにボールが入ってしまうことは仕方ありませんが、バンカーショット後は、レーキを使ってバンカーをきれいな状態に戻しましょう。バンカーへ出入りするときは、アゴが低くボールから近いところから入ります。ボールが近いからといって、あわててアゴの高い場所から出入りすると、砂が崩れたり、自分が滑って落ちたりしてしまいます。プレーファストのために、先にお伝えしたように、2打罰で後方に出すアンプレの考え方もありますので、スコアと進行の両面から考えて、バンカーの対処法を決めましょう。

6-3.プレー中のおしゃべりに要注意

まずは、他のプレーヤーのショットを邪魔しないことは基本中の基本です。同伴者がショットやパッティングを打つ際に、アドレスに入った時点で、おしゃべりをしたり声を掛けたりするのはもってのほかです。自分たちは待っている状況で、前の組がティショットをしているときに、おしゃべりをしてしまうこともありがちなNG行為。また、ポリ袋などのガサガサ音も気になるものですので、注意しましょう。

まとめ

今回は、「人に迷惑をかけないようにラウンドしたい…」と悩む初心者ゴルファーの皆さまに、『迷惑のかからないスコアとはいくつなのか』、『スコアが悪くても迷惑にならないコツ』を紹介しました。まずお伝えしたいのは、ゴルフのスコアが120以上でも、大切なマナーを守れば迷惑ではないということ。誰しも最初は初心者で、スコア120~140以上というのも皆が通る道。大事なのはスコアではなく、“プレーファーストの意識”なのです。