「よし素振り終了」の言い訳は通用するの?

しっかりスイングして「今の空振りだよね?」と思っていたら、当の本人から「よし素振り終了」とびっくり発言。こちらが大目に見て「今の練習でしょ」と言うのはいいけど、本人がケロッとごまかすとモヤモヤが残ります。ゴルフはスコアを競うゲームだから、空振りに限らずスコアをごまかすゴルファーには一歩引いてしまいます。その時に1打得しても、後々大きな代償を払う可能性もあります。空振りをしてしまった時、また目撃した時はどんな対応をすればいいのでしょうか。 

◆空振りと素振りの境界線はどこ

ゴルフのストロークは「ボールを打つために行われるクラブの前方の動き」と定義されます。大切なことは、ボールが飛んだかではなく「ボールを打つ意思があったかどうか」になるため「ボールを打つ意思」の有無が、空振りと素振りの境界線になります。つまり、空振りに見えても、本人が「今のは素振り」と言い張れば、そのまま1打カウントしないでプレーを続行できてしまうのです。

ラウンドをしていれば、クラブを振って素振りをする光景をよく見かけますし、ルーティーンの中に入れているゴルファーはたくさんいます。ところが、そのスイングが素振りではなく空振りになると話が変わってきます。空振りは1打とカウントされるが、ボールは前に進んでいないので実質ペナルティと感じます。だから、つい「今のは素振り」と言いたくなる気持ちは分かります。

ところが、ゴルフはスコアを競うゲームだから、スコアのごまかしに関してはかなり心象が悪いです。しかも、ある程度のゴルファーならば、素振りか空振りかの区別は簡単につきます。それでも「よし素振り終了」と言って平然とプレーを再開されると、同伴者はモヤモヤが残ってしまいます。しまいには「今後、あいつとは回りたくない」と仲間内で出禁になる場合もあります。

ゴルフ仲間を失うリスクを背負って、たった今「1打」得をするよりも、素直に申告して良好なゴルフ仲間とずっとゴルフをするほうが得策でしょう。

◆判断しにくい素振りをしないことも大切!

同伴者に素振りなのか、空振りなのかあいまいな行動を避けることも重要です。フルスイングで確認したい時は、ボールとは関係ないところで素振りするのがおすすめです。たとえば、ティイングエリアで前の組の進行を待っている時に、ボールを置かないで素振りするなどです。2打目などでどうしてもボールと距離を取れない場合は、芝をシュッと擦るだけのコンパクトなスイングにすることが望ましいでしょう。芝の抵抗などは確認できるので、そこからショットのイメージを構築することが無難です。

素振りは身体を温めることやショットのルーティーンとして行うことが多いため、ボールとは一定距離保たれています。アドレスに入ってから、素振りをすると誤解が生まれるのでやめましょう。ちなみに、同伴者が空振りと疑うケースは、テークバックを取るためアドレス時に制止している時間が長い。スイングスピードが均等ではなく、インパクトゾーンで加速している場合です。スイングスピードでも、分かるものなので遠くにいたからバレないと思ってごまかすのもやめましょう。

◆空振りを目撃! 同伴者はどんな対応すればいい

ラウンド経験が浅かったり、初心者ゴルファーならば、そもそもルールを理解していない場合があります。まずは、ルールやマナーを教えてあげるといいでしょう。気心知れているゴルファーならば、空振りの指摘をしてみてもいいでしょう。モヤモヤが残ったまま、ラウンドするのはもったいないです。もし、指摘後の対応が悪ければ、今後のお付き合いを考えるきっかけになります。

空振りは初心者でも、ゴルフ歴が長い人でもプレッシャーがかかった時には、やってしまうものです。「恥ずかしい」と隠してしまいたくなる気持ちも分かります。だからこそ、同伴者は「ドンマイ、ドンマイ!」っとポジティブな声掛けをしたり、エンジョイゴルフなら「今のは練習、次からはちゃんと1打だよ」とゴルフを楽しむ雰囲気を作っていくことも大切です。初心者ならば、本コースで思いっきり振り切る空振りは、上達の近道でもあります。縮こまってボールに当てに行くゴルフをやっても面白くありません。

空振りにモヤモヤしているのではなく、空振りを隠して、ごまかす行為に失望してしまうのです。つまり、行為ではなくあなたの誠実さを見ているのです。空振りをした自覚があるときは、素直に申告する。周りのゴルファーは、申告がしやすい雰囲気づくりをして、1日のラウンドを存分に楽しみましょう。

取材・文/夢書房

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