春のゴルフシーズン、ラウンド前にルールをおさらいしておきませんか? きちんと把握しているつもりでも、いざプレーすると、判断に自信がもてない……というゴルフ女子も多いことでしょう。今回は障害物に関するルールがテーマ。しっかり把握すれば、、ゴルフ上級者間違いなし!? ぜひチャレンジしてくださいね。
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【問1】ゴルフ場のネットが邪魔! ボールを動かしてもいい?
カート道路で大きくボールがはねてしまいました! OBかと思ったのですが、どうやらネットに当たってセーフだったようです。ラッキーと思ったまでは良かったのですが、ネットが邪魔でボールが打てません…。この場合、ボールを動かしてもいいの?
【問2】カート道路の上に止まったボール、フェアウェイ側に出してもいいの?
カート道路の上にボールが止まってしまいました。カート道路の真ん中より右側に止まっているのだけど、右に出せば深いラフ。左に出せばフェアウェイ。もちろん、左に出してしまいたいところですが……右に出さないとダメなのでしょうか?
【問3】OB杭を結んだ線の上に止まったボール! これってOB? それともセーフ?
大スライスでOBゾーン方向に飛んだドライバーショット! ボールの止まった場所に行ってみると、ボールは見つかったのですが、OB杭を結んだ線上に止まっていました。これってOB? それともセーフ?
↓↓正解は……!↓↓
【回答1】無罰で動かせます!ニヤレストポイントを決めて救済エリアにドロップしよう
「ゴルフ規則16」には異常なコース状態(動かせない障害物を含む)からの救済が規定されています。その16.1aには、「救済が認められる場合」として、「異常なコース状態がプレーヤーの意図するスタンス区域や意図するスイング区域の物理的な障害となる。」場合と記載されています。
また、ゴルフ規則16.1b「ジェネラルエリアの球に対する救済」には、動かせない障害物や異常なコース状態からの救済の方法として、「プレーヤーは、次の救済エリアに元の球か別の球をドロップすることによって罰なしの救済を受けることができる」とあり、
• 基点:ジェネラルエリアの完全な救済のニヤレストポイント。
• 基点から計測する救済エリアのサイズ:1クラブレングス。
と規定されています。したがって、プレーヤーはスタンス、スイング共に完全に障害物から避けられることを確認してニヤレストポイントを決め、そこからホールに近づかない1クラブレングスの救済エリアにドロップです。
ボールの止まっていた場所ではなく、ニヤレストポイントが救済の起点となります。ぜひ覚えておいてくださいね。
【回答2】ニヤレストポイントがどこかによって、ボールを出す方向が決まります
ゴルフ規則16.1b「ジェネラルエリアの球に対する救済」には罰なしの救済を受ける起点は「ジェネラルエリアの完全な救済のニヤレストポイント」とあります。
また、定義「完全な救済のニヤレストポイント」には「球の元の箇所に最も近く、しかし、その箇所よりホールに近づかない」地点と記載されています。
ここでの注目ポイントは、右に出すのと左に出すのとでは、ボールを動かす距離が違ってくるということです。右利きのプレーヤーが左に出す場合、カート道路を避けた地点がボールの位置になりますが、右に出した場合、カート道路を避けた地点は、スタンスを取る位置になります。ボールを置く位置は50cm~1m程遠くですよね。したがって、左に出すほうが元のボールに近くなります。
基本的に、右利きのプレーヤーの場合、カート道路からの救済はボールを動かす距離の短いカート道路の左に出すケースが多くなります。カート道路のどちらのサイドにボールが止まったかではなく、あくまでもボールを動かす距離の比較でニアレストポイントが決まるのです。
【回答3】ボールの一部でもコース側にかかっていればセーフ!!
ゴルフ規則における「アウトオブバウンズ(OB)」の定義によると境界物が杭の場合、「境界縁はその杭のコース側を地表レベルで結んだ線によって定められ、そしてそれらの杭はアウトオブバウンズである。」と記載されています。
また、ゴルフ規則18.2a(2)「球がアウトオブバウンズとなる場合。」には、「止まっている球全体がコースの境界縁の外にある場合にのみ、その球はアウトオブバウンズとなる。」と記載されています。
したがって、ボールの止まっている両サイドのOB杭のコース側の面を結んだ線を引いて、その線にボールが少しでもかかっていればセーフです。
そのボールはそのまま打てばいいのですが、OB杭がある周辺はあまりライがよくありません。欲張らずに、まずはフェアウェイに出すことを考えたほうがスコアメイクにつながりますよ。
参考URL:JGA公式サイト