2022年4月1日から、世界統一の「ハンディキャップインデックス」が日本でもスタートしました。ハンディキャップインデックスとは、世界共通のハンディキャップのこと。これを取得し使うことで、各国の老若男女のゴルファーが、公正かつ公平に競い合うことができるようになります。この機会に皆さんもハンディキャップインデックスを取得して、もっとゴルフを楽しみませんか? ハンディキャップ取得を目指すゴルフ女子・花子さんとともに、勉強していきましょう!
教えてくれたのは……藤谷拓さん 公益財団法人 日本ゴルフ協会(以下、JGA)のハンディキャップ部・係長。JGAは、ハンディキャップ制度の実施のほか、ゴルフ精神の正しい順守、公式競技の開催、ゴルフ・ルールとエチケットマナーの正しい普及などを行なっている団体。
今日はよろしくお願いします! さっそくですが、「倶楽部ハンディキャップ」と「ハンディキャップインデックス」は何が違うんですか?
従来の「倶楽部ハンディキャップ」の多くは、特定のゴルフ場内での評価です。「あなたの実力はどのくらい?」と聞かれたときに、「〇〇ゴルフクラブでのハンディキャップは△です」と答えることはできますが、他のゴルフコースでその数値を使用することはできません。なぜなら、ゴルフコースによって難易度が違うからです。一方、「ハンディキャップインデックス」は、コースの難易度(コースレーティング)を考慮して算出された世界共通のハンディキャップ。コースレーティングが設定されたゴルフ場であれば、国内外を問わず通用します。
便利そうですね。ところで、ハンディキャップって、そもそもどうして必要なんですか?
ハンディキャップには2つの意味合いがあります。1つは、個人の技量を客観的に示すための数値として。もう1つは、プレーヤーの実力差を埋めて結果をはかる(ネットスコアで競う)ためのものです。一般的に初心者のハンディキャップは多く、上級者のハンディキャップは少ないものです。たとえば、「倶楽部ハンディキャップ35の初心者Aさんが110、 倶楽部ハンディキャップ3の上級者 Bさんが80」でホールアウトしたとします。その場合、Aさんのネットスコアは110-35=75、Bさんのネットスコアは80-3=77、と評価されます。このように、ハンディキャップを持っていれば、実力差がある人同士で公平に競うことができるんですよ。
ハンディキャップはゴルフ場で取得することもできますよね? ゴルフ場で取得するハンディキャップとの違いは何ですか?
ゴルフ場で発行するハンディキャップは、そのゴルフ場ならではの算出方法があって、統一されていません。そのため、必ずしもゴルファーの実力を反映したものとは言えません。また、たとえばAとBという2つのゴルフ場の会員の人は、「Aのハンディキャップは10。Bのハンディキャップは15」というように、それぞれのゴルフ場のハンディキャップを持つことができますが、同じプレーヤーでありながら、1つのハンディキャップで評価されていないのが実情なんです。ハンディキャップインデックスは、JGAの査定員が実際にゴルフコースを巡って綿密に計測し、ゴルフ場の難易度を公平に考慮して算出されたハンディキャップ。プレーヤーの実力が、客観性のある1つの数値で評価されます。
なるほど。ハンディキャップインデックスを取得したら、どんなメリットがあるのですか? どんなときに使えばいいでしょう?
競技ゴルファーのみなさんは、同じゴルフ場のクラブメンバーだけでなく、他のクラブメンバーとラウンドする際に、公平に競うことができるようになります。エンジョイゴルファーにとっては、ハンディキャップを減らすことがモチベーションになり、より練習に熱が入るでしょう(笑)。ハンディキャップインデックスは、すでに110の国や地域が導入しています。今後は国外でプレーする場合にも、海外のプレーヤーと公平に競うことができますね。
なんだかワクワクしますね。どうやったら取得できるのですか?
現在、おおまかに2つの方法があります。1つは、JGAやPGSに加盟している各ゴルフ場の会員になって申請をする方法。もう1つは、JGAの個人会員になって直接申請する方法です。申請に際し、どちらもラウンド3回分のスコアカードが必要になります(詳細は各ゴルフ場や団体にお問い合わせください)。
そして、なんと、5月からは『Reginaハンディキャップ倶楽部』が発足し、ここを窓口にハンディキャップインデックスを取得することができるようになります。詳細が決定次第、Regina-webにてお知らせします!
次回予告…「ハンディキャップインデックスの取得法について」どうぞお楽しみに!
取材・文/大津恭子 イラスト/かくたりかこ(アスタリスク) 協力/JGA 日本ゴルフ協会