「えっ私の番?」次に打つのは遠い人orスコアの良い人? ラウンドでの正しい打順を解説

ラウンド初心者が覚えておくべきゴルフのルールの1つに、“打つ順番”があります。2019年にルールが改正されたことは、中・上級者でも現在の正式なルールを知らない人もいるかもしれません。打順はプレーを円滑に進めるためだけでなく、安全にプレーするための大切なルールです。「次は誰が打つの?」と戸惑わないためにも、打順のルールを把握しスムーズにラウンドしましょう。

◆スタートホールはじゃんけんでもOK

スタートホールでの打順に決まりはなく、誰から打っても問題はありません。ほとんどのゴルフ場には「スタート抽選器」が用意されているので、こちらを使用するゴルファーが多いでしょう。スタート抽選器とは、スタートホール(1番・10番)にあるシルバーの棒のことです。先端には1~4本のラインが刻まれていて、各々がくじ引きの要領で好きな1本を選び、ラインが1本なら1番目、というように順番が決まります。

スタート抽選器を使ったくじ引き

他にも、ティを投げて着地したとき、指した方向に居る人から時計回りに順番を決める方法もあります。どの方法を選択するにしても、「時間を取り過ぎない」「掛け声などで周りに迷惑をかけない」など、マナーを守りスムーズに決まる方法を選ぶことが大切です。男女が一緒に回る場合は、レディスティが前方にあることが多いので、女性は最後になるパターンが多いでしょう。ティショットは注目されるため緊張しがちですが、順番が来る前にボールとティをセットし、準備しておけばゆとりを持ってスタートできます。

◆ティショットはスコアの良い人から

スタートホール以外のティショットは「前のホールで最もスコアが良かった人」がオナーと呼ばれ、最初に打ちます。続いてスコアの良い順に打ち、同じだった場合はさらに前のホール(2ホール前)のスコアで決まります。もし順番を間違えてしまっても、とくにペナルティはありません。しかし、自分よりもスコアが悪かった人が先に打つことで気分を害する人もいるため、スコアボードやカードを確認してからティイングエリアに入りましょう。もし順番を間違えて先に打ってしまったときは「失礼しました」ときちんとお詫びし、お互いが気分よくプレーできるように配慮することが大切です。

◆セカンド以降は「遠球先打」

ティショットを打った後の順番は、プレーの状況によって変わります。初心者には少々ハードルが高いかもしれませんが、他の人のプレーを見ながらの判断が必要です。基本は「グリーンから遠い人」から打ちます。飛距離が少なくミスショットの多い初心者は、連続して打つことが多くなり焦るかもしれませんが、慌てず準備が整ってから打ちましょう。打つ前には周りの状況を確認し、すでにアドレスに入っているプレーヤーがいたら打つまで待ちます。大切なのは、安全面を考え「打つ人の前に出ない」ことです。やむを得ず前に行かなければならないときは打球の行方を見ておき、いざという時によけられるようにしておきましょう。

遠い人から打つのはグリーン上でも同様です。グリーン上では「ボールの転がり=ライン」を読むことが、重要なポイントになってきます。そのため、後から打ってラインを見ることができるほうが有利です。ピンから近い人は他のプレーヤーのラインを参考にできる、ということですね。

◆レディゴルフでスマートなラウンドを

打順には基本的なルールがありますが、プレーを円滑に進めるためには柔軟性も必要です。2019年の規則改訂では、「レディゴルフ」という概念が導入され準備が整ったプレーヤーが先に打つことが推奨されています(規則6.4a)。これはスロープレーを防止するために導入されたルールです。たとえば、オナーの準備ができていない場合やトイレに行っている間などは、待つことなく準備ができた人が先に打つ、ということになります。

さらに、クラブを取り替えたりロストボールを探している場合なども、準備ができた人が「先に打ちます」と声をかけプレーを進めることが重要です。特に初心者は、クラブにボールが上手く当たらずに苦労することがあり、待っている間に進行が遅れてしまうため、前進しているプレーヤーが先に打つこともマナーとされます。

また、グリーン上で同じラインにボールが並んだ場合は、カップに近いプレーヤーが先に打つこともあります。ただし、どちらが先に打つか迷った場合は必ず相手に「先に打っていいですか?」と確認し、同意を得てからプレーを進めましょう。

このように、スムーズにラウンドするためには、オナー制度や遠球先打を守りつつ、臨機応変にプレーすることが求められます。初心者は自分のことで精一杯になるかと思いますが、中・上級者のアドバイスを受けながら少しずつ覚えていきましょう。

取材・文/夢書房

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