◆石川遼選手、日本シリーズJTカップを制覇!
日本男子ツアーの最終戦、日本シリーズJTカップを、プレーオフの末に劇的に制した石川遼プロ。賞金王こそ逃したものの、シーズン3勝は今季ツアー最多。 さらに、この勝利で生涯獲得賞金は10億円を突破しました。
「28歳82日」での生涯獲得賞金10億円突破は、ツアー史上最年少記録。一時は再起も危ぶまれるほどの不調を経験しながら、今シーズン、見事復活を果たした石川プロ。 そんな石川プロのゴルファー人生を振り返りってみました。
◆鮮烈なデビュー、15歳8か月でアマ優勝
父親の影響で6歳でゴルフを始めた石川プロ 。 小学校高学年の頃には頭角を現し、中学時代には早くも全国レベルで活躍します。一躍注目を集めるきっかけとなったのが、高校1年の時に出場した2007年の「マンシングウェアオープンKSBカップ」。最終日に「66」で回り、15歳8カ月という史上最年少でアマチュア優勝を果たしました。
世界最年少記録としてギネス・ワールド・レコードに認定されたこともあり、一気に知名度を上げた石川プロは、その少し照れたような笑顔から「ハニカミ王子」と名付けられ、連日メディアで取り上げられるように。
そして翌年2008年1月、高校生ながらプロ転向。シーズン終盤の「マイナビABCチャンピオンシップ」では、プロ転向後レギュラーツアー初勝利を挙げます。賞金ランキングはプロデビュー年にして早くも5位! その将来性の高さを多くのゴルフファンに印象付けました。
◆「ハニカミ王子」ブーム、18歳で史上最年少賞金王に
プロ2年目にして早くもツアーの中心選手となった石川プロ。「ハニカミ王子」は連日テレビや雑誌・新聞で取り上げられ一大ブームに。 しかし、石川プロはそれをブームで終わらせませんでした。
この年、「~全英への道~ミズノオープンよみうりクラシック」「サン・クロレラ クラシック」「フジサンケイクラシック」「コカ・コーラ東海クラシック」と年間4勝を挙げます。
そして18歳という若さで、史上最年少記録の賞金王に。人気と実力を兼ね備えた選手として、日本ゴルフ界の頂点に立ったのです。
◆日本では敵なしの「世界最小ストローク」、「最年少通算10勝」
そして2010年、賞金王としてシーズンに臨みます。シーズン序盤の「中日クラウンズ」最終日、12バーディ・ノーボギーの「58」(PAR70)という異次元のプレーでその存在感を見せつけ優勝。
ちなみに、「58」は世界6大ツアー(米、欧、豪、アジア、南アフリカ、日本)の中でも最小ストロークの新記録(当時)。また、日本ツアー記録の「59」(倉本昌弘氏)を18歳7カ月で更新するという超人ぶりでした。前年の世界最年少賞金王に続く偉業を達成、日本ゴルフ界の顔として君臨します。
ただ、この年は年間3勝を挙げたものの賞金ランキング3位。 2年連続の賞金王とはなりませんでした。
翌2011年はプロデビュー以来初めて、シーズンを通して勝利なし。しかし2位が3度と何度も優勝争いに絡み、賞金ランキングは前の年と同じ3位。破れてもなお強しを印象付けます。
2012年の石川プロは日本ツアー19試合、米ツアー17試合に参戦。これは翌年からの米ツアー本格参戦を睨んでのものでした。米国男子ツアーでは「プエルトリコ・オープン」で2位、「ザ・メモリアル・トーナメント」で9位と結果を残し、87万ドルを獲得。見事シード権を獲得し翌年の出場権を得ました。
一方、日本ツアーではシーズン終盤の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で区切りの10勝目。 優勝は2年ぶりだったこともあり、ひと目をはばからず号泣しました。日本ツアーへの思い、そして翌年から主戦場とする米ツアーへの思いなど様々な感情が交錯しての涙といわれました。
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