さて、いよいよ女子は最終戦!ですがちょっと、その前に。
コロナによって、様々な制約を強いられながらもなんとか開催されてきた今シーズンも、いよいよ女子はあと一試合、男子は二試合となりました。
今までに無かった状況に、選手だけでなく大会関係者の方々も、かなり苦労した二年間だったのではないでしょうか。行動記録を付け、週の頭にはPCR検査を受ける。ほとんど休みが無い転戦に、毎日のように抗原検査と、今までに無い大変さだったのではないかと思います。
さてそんな中、先週の大王製紙エリエールレディスオープンでは、賞金ランキング50位までとメルセデスランキングの50位までのどちらかに入ればシード権を獲得できるという今までにない条件の中、今年もずいぶんと入れ替えがありました。
ずっとシード権を保持していた選手が落とす姿など、仕方が無いこととはいえ、見ていて胸に詰まるものがあります。しかし、そんな選手たちに落ち込んでいる暇は全くありません。来季への出場権をかけたQT(クォリファイングトーナメント)の開催は既に今週から始まっているのです。
シード入りした選手の名前を見れば、これからますます伸びていく初シード入りした若手選手に交じって、落としていたシード権を再び取り戻したベテランの選手もいました。辛い時間を過ごしてきたのだろうな、なんて勝手な想像をしてしまえば、またここから新しいドラマを見せてくれるという期待も高まるというものです。
男子も、今週のカシオワールドオープンでシード権を獲得できるかどうか決まります。シード権を得られなければ、ほとんどの場合、大会後すぐに行われる来季の出場権をかけたクォリファイングトーナメントに出場しなければなりません。シード権が獲れるかどうか、来季の出場権を得られるかどうか、ランキングのギリギリにいる選手やその関係者にとって、この時期は本当に落ち着かない、そして結果に一喜一憂してしまう、そんな時期なのです。
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賞金女王争いは二人の戦いに
さて、そんな中でもやはりメディアの注目は、賞金王と女王争いです。あと1試合となった女子は、いよいよ宮崎の地で最後の戦いが幕を開けます。
昨年の2020年は、コロナの影響により、開催できた大会が非常に少なかったことから、男女共に賞金ランキング等は昨年と今年とを合わせたものになっています。そのため、女子の賞金女王争いは、久々の2億円越え。いよいよ始まる最終決戦に、注目が集まります。
残されたJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの優勝賞金は3000万円。2位が約1700万円。前週の大王製紙エリエールレディスオープンを終えた時点で首位の稲見萌寧プロの獲得賞金は¥253,512,049。(思わず桁を数えてしまうような、すごい金額ですね!)それに続く古江彩佳プロの獲得賞金は¥236,543,575。その差は約1700万円です。
2位の古江選手が賞金女王をとるための条件は優勝か、または2位を獲得したとしても、後は稲見プロの成績次第ということになるようです。
そして、もう一つ気になる点は、メルセデスポイント。メルセデスランキングで1位になった者には、JLPGAツアーの3年間のシード権が与えられ、年間最優秀選手賞(JLPGA Mercedes-Benz Player of the Year)が贈られます。
現在のポイントは稲見萌寧プロの約3,764ポイント。対する古江彩佳プロは約3,685ポイントで、その差は79ポイントほど。リコーカップで優勝してもらえるメルセデスポイントは400ポイント。2位でも240ポイントあるので、こちらの方が逆転の可能性が高そうです。
どちらでも3位につけている小祝さくらプロは、残念ながら、賞金、メルセデスポイント共に優勝しても届かないため、最終戦の女王争いは、完全に二人に絞られました。最終戦までもつれ込んだ戦いもいよいよ今週末で決着がつきます。二人の熱い戦いから、目が離せません。
まさに最後の戦いであるJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ。そして、最後のシード権争いとなるカシオワールドオープン。更には、来季の出場権をかけたQT(クォリファイングトーナメント)。
今季一番とも言える熱い戦いの時期です。ぜひ、注目して見てみてください。
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。