昨年末、2022年のゴルフトーナメントの日程が発表されました。ゴルフファンにとっては待望の発表ですね。今回は、試合数が昨年と比べてどう変化したか、女子ツアーで増えた4日間競技について、そして女子ツアーの放映権問題についても触れています。
◆試合数は増加!
トーナメント観戦初心者の皆さんにまず注目していただきたいのは、その試合数です。一足先に発表された男子トーナメントは、1減2増の25試合。つまり、1試合減って2試合増えたことで昨年と比べると1試合増えた形です。まだ調整中のものもあるので確定ではありませんが、ひとつでも試合が増えたことはとても嬉しいニュースです。また、男子の日程発表の翌日に発表された女子の日程は、1増1減の38試合。昨年話題となった放映権の問題でひとつの大会が減りましたが、試合数は変わりませんでした。
◆女子ツアーの放映権問題って?
ところで、女子ツアーの放映権問題は、5年ほど前から日本女子プロゴルフ協会が調整を続けていた問題です。元々ゴルフツアーは、テレビのコンテンツとして始まったものなので、その権利については曖昧なままでした。その権利を日本女子プロゴルフ協会が主張することで、財務基盤を確立しようと動き出したわけです。
今年、その問題により無くなった試合もありますが、ツアー人気に支えられ、今年も38もの試合数を確保できたことは、大きな成果と言えるでしょう。そして、いよいよ全ての放映権が日本女子プロゴルフ協会に帰属する形になり、協会の目標はいよいよ実を結ぶ形となりました。
◆4日間競技が増えることによるメリットは? 3日間と4日間って、そんなに違うの?
女子ツアーの4日間競技は2試合増えました。これにより、「4日間競技を全試合の半数まで増やす」という女子ツアーの目標は、ほぼ実現したと言えます。
女子ツアーが開催している試合は、数年前までは3日間競技がほとんどでした。4日間で戦われる試合は、公式戦のみ。ところが、小林浩美会長の元、2013年から「グローバルスタンダードのための強化策」の一環として、4日間競技を増やす試みが始まりました。
海外ツアーでは4日間が主流。そこで戦うことのできる選手を育てるためには、4日間で戦うことに慣れることが必要であるということで、約半数の試合を4日間競技にすることを目標にしてきました。
テレビで放送されるのは、最終日かその前日ぐらい。3日間と4日間の違いってそんなに出るのかと思われるかもしれません。しかし、これが結構違うのです。
荒天の予報がある場合、3日間競技では初日の成績のみで予選カットが決まってしまうため、ゆっくりと調子を上げていく選手にとっては難しい戦いになってしまいます。何と言っても、4日間ずっと好スコアを出しきる難しさ。その日だけ調子が良いという状況はプロにももちろんあって、1日だけビッグスコアというのはよくある事です。
3日間であれば、どこかでビックスコアが出れば勝てるというパターンも少なくありませんが、4日間ではそうはいきません。全ての状況で、それなりのスコアを出しつつ、スコアの良い日も無いと勝てないという状況になります。
同じコースでありながらピンポジションによってその表情を変えるコース。風の向きや強さによっても、攻め方はずいぶんと変わり、一緒にまわるプレーヤーとのリズム感のようなものも影響したりします。
4日間を戦い抜ける体力と精神力を育てるためには、やはり「戦い慣れているかどうか。」も大事な要素のひとつだと思います。
今年はそれが2試合増えて、38試合中18試合が4日間競技として行われます。いよいよ、目標に近づいてきました。海外の女子ツアーで活躍する選手も着々と増えて、日本女子ツアーの存在感がより一層増していると言えます。
3日間競技の場合、土曜日がまだ予選のため、見たい選手が予選落ちしていない…ということが無いのはギャラリーの方にとっては嬉しいこと。全て4日間競技になってしまうのも寂しいと思われる方もいるかもしれませんが、強い選手が増えることは、やはり見ていて楽しいものです。
日程が発表され、すでに開幕が待ちきれない方もいるのではないでしょうか。今年も、現地で、テレビで、ネットで、ぜひプロゴルフトーナメントを楽しんでください!
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。