女子プロゴルファーも悩んでます!花粉症問題

暖かくなってきて芝も色づき、あちらこちらで花も咲き始め、暑すぎず寒すぎず、まさにゴルフ日和! となりました。しかし、この時期になるとつらい人にはつらいのが、花粉症。鼻水は止まらないし、目は涙目、顔も真っ赤。花粉によるアレルギー症状で、ゴルフどころでは無い! という人もいらっしゃることでしょう。

一般的に多いとされるのが杉やヒノキやブタクサの花粉。しかし、ゴルフ場にはもっと様々な花粉が…。

ゴルフ場でよく見られるのは、松花粉。曲げたボールが松に当たると、黄色い何かが吐き出されるかのように飛散するのは、ゴルフ場あるあるですね。松花粉によるアレルギーはあまり無いと聞いていますが、ゴルフ場のコース課に勤めている人などの中には、ちらほらといるようです。

もちろん、プロゴルファーの中にも花粉症で悩んでいる人はいます。一般的な杉などの花粉症ももちろんですが、プロゴルファー、トーナメント関係者に目立って多いのが、芝花粉によるアレルギーです。まだまだマイナーである芝花粉症は、まさに職業病と言って良いかもしれません。

マスク姿の大出 瑞月プロ

芝による花粉症は職業病⁉

芝花粉の時期は、芝が穂をつけ始める春から夏にかけての頃。ラウンドをしていると、スパイクが粉っぽくなり、気が付けばうっすらとクリーム色に…。そんな経験ありませんか? それが、芝花粉です。

プロの大会期間中、その会場であるゴルフ場は、フェアウェイとラフの難易度に差をつけるため、ラフの芝を伸ばします。そのため、ラフの芝は刈らずにそのままであることがほとんど。伸びきって穂をつけた芝は、大量の花粉を蓄えていて、芝の上を選手があるけば花粉が舞うのです。

芝はイネ科に分類されるため、イネ科花粉症とも言われています。その中には、カモガヤやハルガヤといった植物も含まれるため、その飛散時期は関東で夏を除いた2月12月までと、かなり長い期間のものになります。

特にプロゴルファーの場合、気候の良い地域を転戦していくため、花粉と付き合う時期はより長くなります。

イネ科の牧草が多いと言われる北海道では、芝花粉によるアレルギーは比較的身近だそうです。北海道で開催される大会に来て急に鼻水が止まらなくなった! と、自分が芝花粉症であることに気が付く選手もいました。

アレルギー検査の項目の中に「芝」が入っていないこともあるようで、他の花粉によるものだと思っていたなんて場合も。こちらから追加してもらうような形で再び検査を受けてみれば、芝だけ高い数値だったなんてこともあります。

花粉症対策とおしゃれマスク

対策としては、薬物療法、レーザー治療、減感作療法などがあるようですが、どれもまだ根本的な治療には至っていません。時期的なものでもあるため、薬を飲んでマスクとサングラスで凌いでいる場合が多いのではないでしょうか。

トーナメント中に、マスクをしてプレーをしている選手。時には、サングラスや口元を完全に覆ってしまうようなマスクで、覆面を被っているかのようになってしまっている選手もいます。

人に見られる仕事であるため、鼻をかむ姿はもちろん、表情が隠れてしまうマスクやサングラス姿もできれば見せたくないというのが本音でしょう。それでも、それ以上につらいのが花粉症。夜は苦しくて眠れず、鼻が詰まって集中力も落ちることも。

サングラスは、夏場の芝の照り返しなどで目がやられてしまいがちなので、既に定着していますが、マスクはコロナ前まではあまり一般的では無く、花粉症の選手はすぐにわかるような状況でした。しかし、コロナの影響もあって、マスクをしている姿が世間では一般的になり、オシャレなものやメーカーのロゴが入ったマスクなどが増えました。花粉症のプロにとって、それはもしかしたら少しばかり救いだったのではないかと思います。

芝による花粉症は、プロだけに限った話ではありません。ゴルフ場に勤めていれば、よく耳にする花粉症のひとつと言うことができます。杉花粉は既にピークではありますが、他の花粉もあることを忘れずに。何らかの花粉症をお持ちの人は、ゴルフ場に行くときはいつでも花粉症対策は怠らないようにすることをお勧めします。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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