男子プロゴルフツアーの開幕戦も終わり、4月7日(木)~4月10日(日)には「オーガスタ・ナショナルGC(ジョージア州)」で「マスターズトーナメント」が開催されます。昨年は、松山英樹プロが優勝という日本人初の快挙を成し遂げて話題になりました。
ゴルファーなら誰しもが憧れるマスターズ。せっかくなので今更聞けないあれこれを、一緒に予習してみましょう。
四大メジャー大会とは?
マスターズトーナメントは、四大メジャー大会のひとつです。
全英オープン(THE OPEN CHAMPIONSHIP)
メジャー大会の中で、最も古い大会。英国内の数か所のゴルフコースをローテーションして開催されています。今年の会場は、ゴルフ発祥の地であり、聖地とも言われるスコットランドのセント・アンドリュース・オールドコースです。R&A(Royal and Ancient Golf Club of Saint Andrews)が主催しています。
全米オープン(U.S. OPEN)
6月に米国内で開催されます。コースは毎年変更。優勝スコアをイーブンに設定しているため、コースセッティングがかなり難しいと言われています。アマチュア選手の出場も可能です。全米ゴルフ協会(USGA)が主催しています。
全米プロゴルフ選手権(PGA CHAMPIONSHIP)
毎年5月に米国内で開催されます。コースは毎年変更で、出場できるのはプロゴルファーのみとなっています。全米プロゴルフ協会(USPGA)が主催しています。
マスターズトーナメント(Masters Tournament)
毎年、4月の2週目の日曜日に最終日が来るようなスケジュールで開催されます。開催コースは、ジョージア州にあるオーガスタナショナルGCです。
間もなく開催されるのが、このマスターズトーナメントです。
マスターズの主催者は誰?出場資格は?
ゴルフクラブは本来、社交の場。そのためのメンバーシップであり、そのクラブのメンバーになるためには様々な資格や条件が必要になります。オーガスタナショナルGCの会員は300名ほどと言われ、メンバーになることが非常に難しいことで有名です。日本人でメンバーだった人はひとりだけ。現在は、誰も在籍していません。ゲストがプレーするにはメンバーの同伴が必要で、オーガスタナショナルGCでラウンドすることが夢と言われることも頷けます。
そんなコースで開催されるマスターズトーナメント。その主催は、開催コースである「オーガスタナショナルGC」です。選手側からエントリーするのではなく、コースからの招待という形をとっており、世界各ツアーでのランキング上位者やアマチュアを含むメジャータイトル保持者など、その出場資格はかなり制限されたものになっています。
大会の優勝者には、賞金とグリーンジャケットが送られます。このグリーンジャケットは、オーガスタナショナルGCのメンバーのみが使用できるもの。しかし、優勝者といえどもメンバーとして認定されるわけではなく、あくまでもマスターズに生涯出場できるという名誉会員資格を与えられるのだそうです。
知っているとちょっと楽しいコースの特徴
「オーガスタのグリーンには魔女が棲む」と言われるほど、難しいとされています。グリーンの速さは13から14フィート。ちなみに、日本の一般的なグリーンの速さは8から9フィートです。その固さも相まって、グリーンに苦しむ選手が多くいました。しかし、現在の日本の男子のゴルフツアーでも、グリーンの速さは12フィートから13フィートぐらい。速さで言えば、男子ツアーとそこまで大きな違いはありません。
しかし、オーガスタのグリーンはうねっていて凹凸があり、ピンの場所によって打って良い場所と悪い場所がはっきりとしています。バックスピンをかけてはいけない場所、フェードの球でないと止まらないような場所、コースにはアップダウンもあるため、平らではない所からイメージした球を打って行かなければならないという難しさがあります。
オーガスタで有名なのは、「アーメンコーナー」と呼ばれる11番ホールからの3ホールです。池が絡んでくる上に、風が読みにくいと言われるこの3ホールは、多くの選手を苦しめてきました。この3ホールで明暗が分かれることも多く、様々な逸話が残されています。
開催期間中のイベントはとても華やかです。特に、開幕前日に行われるパー3コンテストは、隣接するショートコースで開催されるイベントです。家族やガールフレンドをキャディとして連れてきて、実際に打たせるなどしている姿を見ることができます。
時差があるため、最終日のホールアウトは日本時間の月曜日朝8時ごろ。ゴルファーであれば、来週の月曜日は寝不足であるのが当たり前! そんなマスターズの開催は、もう間もなくです。
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。