こんにちは! ハウスキャディ歴●年のB子です。先日、セルフでラウンドされていた組のカートを片付けていた時のこと。「今日はボールを3個失くした」、「今日は1個で済んだ」———お客様のそんなお声が聞こえてきました。
セルフプレーでは仕方のないことだと思いますが、ときに「そこじゃなーい!」という場所を探されているお客様を見かけることがあります。今回は、キャディが意識しているボール探しのポイントをお伝えしていきます。
POINT1 ボールの行方を見て、明確な目印を決めるべし!
キャディとしては、お客様にボールをひとつも無くさせたくありません。「ボールを見つけること」。それもキャディとしての大事な仕事のひとつです。キャディになる際の研修で口酸っぱく言われるのが、「打球の飛んで行った方向をよく覚えておく」ということ。しかも、具体的に「曲がったマツの方向」とか、「100ヤードの杭の左側」といったように、目印を決めて憶えるように教わります。
ボールが入って行ったと思われる辺りの少し手前から、ボールを探しつつ前に進んでいきます。その際、何度も振り返って同じ場所を逆側からも見るようにします。木の根元に隠れていたり、芝生が長い場所だと光の具合によって見つけにくくなっていたり…といったこともあるからです。
POINT2 状況を見て球の行方を想像する
ボールが入って行った辺りの地面の状況によって、その転がり方はずいぶんと変わって来ます。芝が無ければ想像以上に転がり、ぼこぼことした場所であれば、思ったよりも飛んでいないということが考えられます。木の多い場所であれば、木に当たった音が聞こえなかったにしても、考えられないような場所に落ちているということも珍しくありません。地面の状況を見て、どういう風に転がったかを想像することができれば、おおよその探す範囲を決めることができます。
それでも見つからない場合、「もしかしたら、木に乗ってしまったかもしれない」と考えることも必要です。ボールが木に乗ってしまうことを「木に生(な)る」なんて言い方をしますが、実際にボールが木に生ってしまうことは、決して珍しいことではありません。私が勤めているゴルフ場では、ヤード表示の木にたくさんのボールが生っています。そういったことを知っていれば、その辺りに飛んだはずなのに無い! という場合に、「もしかして…」と違う見方で探すことができるようになります。
ホール同士が隣接している場合は、自分達とは関係の無いボールが落ちていれば、誰かが間違って打ってしまったという可能性も考えられます。ロストボールだと勘違いして、持って行ってしまうお客様も時にはいらっしゃいます。
POINT3 「音」はボールを探すための大事なヒント
早朝や夕暮れの光によってボールの行方が見にくい場合や、霧などで視界が悪い場合、打った瞬間にボールを見失ってしまうということもよく起こります。そういった時は、とにかくよく音を聞くことです。音には、たくさんの情報が含まれています。インパクトの音、初速の音、木に当たった音など、そういった音からボールの行方を想像することができます。
クラブのヒール側に当たった音と、先の方に当たった音は明らかに違う音がします。ヒールの場合は右方向、先の場合は左に飛ぶ可能性が高く、それをヒントに探します。木に当たった音でも、しっかり当たった音がした場合は、ボールが突拍子もない場所まで弾かれている可能性があることを理解して探さなければなりません。慣れてくれば、打った後の球が風を切っていく音でどちら方向に飛んだかもわかるようになります。
音で判別できるようになれば、風とその人の持ち球とを加味して、大体あの辺りかな? と、目星をつけることができるようになります。
ボール探しはみんなで協力。クラブを持ってGO!
ボールを探しに行く時は、「何本かクラブを持って」…が理想的です。林から出す時に使うクラブと、出した後に使う可能性のあるクラブ数本を用意しておけば、ボールを見つけた後にカートにクラブを取りに行くという時間のロスが無くなります。
そして、ボール探しはみんなで協力し合ってする。その際、前が既に空いていてもう打てます! という状況の場合は、打てる人は先に打ってから捜索隊に加わるようにしましょう。
探してもらった人は、捜索隊の方々への感謝の言葉も忘れずに。お互いに協力し合うこと、それもゴルフというスポーツの魅力だと、私は思います。
◆キャディのB子 プロフィール
キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。