こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。今回は、キャディとして働く上で避けて通れない“お客様同士のいざこざ”が起こりやすいシチュエーションや、キャディの対応についてご紹介していきます。
「おい、お前! 何やってるんだ!?」と、突然聞こえてくる怒声……。違う組のお客様に訳もなく怒鳴られたり、熱くなりすぎたお客様同士で喧嘩を始めたり。気温が高くなってくるこの時期、どうやら熱くなってしまうのは気温ばかりではないようです。
“賭け”が熱いと、お客様も熱くなりがち?
「オリンピック」に白熱しすぎて喧嘩に発展するのも“あるある”のひとつです。 グリーン上で、カップから遠い人が金、次が銀……といったように、メダルの色とその数で争うのが「オリンピック」というゲーム。一体何をどれだけ賭けているのか、「自分が何色か」で揉めるお客様は少なくありません。
喧嘩しているような雰囲気を楽しむお客様もいるのですが、中にはそうでない方も。同伴者の一人に銀と言われて納得できず、キャディに聞いても納得がいかず。最終的にはピンを使って距離を測ることで場は収まったはずが、それでもぶつぶつと文句を言い……。その態度にイライラしたお仲間が「じゃあ、金は差し上げますからどうぞ!」なんて、大人なようで子供っぽい対応をして、「そんなつもりで言ったんじゃない」と。子供の喧嘩よりも質の悪い、ただギスギスした雰囲気だけが残るこんな状況も、嘘のようなよくある話です。
そのうち、「キャディさんが全部決めて!」なんて言われて、胃をキリキリさせながら決めさせていただくこともあります。結局「間違っている」と言い出したお客様が、ピンを使って測り始めることもあるんです。ゲームで盛り上がるのは結構ですが、せっかくのゴルフで終始険悪ムードなんて、もったいないことですよね。
待たされてイライラするのはわかるけど……“打ち込み”で喧嘩勃発
前の組が遅いわけでもないのに、なぜか前の組のせいにしてイライラするお客様は少なくありません。予約の組数が多い日など、どこかの組でボールが見つからないといったトラブルが起これば、あっという間に流れが悪くなってしまうもの。それなのに、待たされることを「前の組が遅いからだ!」と決めつけてしまうようです。
思い込みが強いせいか、説明してもその考えを変えていただけないことがほとんど。女性だけで回っている組もそう見られがちなので、キャディとしても困ったものなのです。
前の組が遅いと思い込んでイライラしているお客様が、待ちきれず打ち込んでしまうなんてことも! そうなれば打ち込まれた側はもっとイライラ。大きな危険を伴いますし、間に挟まれたキャディの胃はキリキリです。
上記のようなパターンは打ち込んでしまったお客様が悪いのですが、“打ち込みでのトラブル”にはほかにも多種多様なパターンが存在します。時には、打ち込んだ方ばかりが悪いとも言い切れない状況もあります。
セルフプレーが増えて、「ファー」を言わないお客様。「ファー」と言ったのに、お話に夢中で「聞こえなかった!」と不快感をあらわにされる方。グリーン上から離れたからもう平気だと思って打ったのに、スコア記入のために立ち止まってしまったお客様に打ち込んでしまって、「打つのが早い!」と逆に怒られたことも。大きく曲げてしまって謝りに行ったら、「謝りに来るのが遅い!」と怒鳴られる方もいらっしゃいます。
◆暑いとただでさえイライラするけれど……トラブルが起きたら?
ただでさえこの暑さ。待ち時間が発生するとイライラしてしまう気持ちはわかりますが、中には、初心者や女性のお客様が前の組にいる、というだけで途端に不機嫌になるお客様もいます。みんな最初は初心者だったはずなのに。曲げて謝りに行って嫌な気持ちになったこともあっただろうにと、キャディの心はモヤモヤするばかりです。
とくにビギナーの方にお伝えしたいのですが、前後の組のお客様に理不尽に怒られてしまったあと、その後もそのお客様が前後にいると思うと楽しく回れないこともありますよね。もしそういったことがあれば、マスター室に連絡をしてその状況と理由を説明することをオススメします。後ろの組をスルーするなどの対応をとってもらって、距離を置くような対応をとってくれるコースもあります。
ゴルフはその人の本性が出ると言われているスポーツ。広い心で、対応していきたいものですね。
◆キャディのB子 プロフィール
キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。