プロのショットを見たい!と観戦に来てみたけれど、コースにはロープが張られていてあまり近くで見られない……といったこともありますね。そんな時におすすめなのが、練習場です。では、どのタイミングで練習場に行けばお目当てのプロを見ることができるのか。その可能性が一番高いのは、その選手のスタート時間の1時間前です。
大会当日、早朝のクラブハウス。スタート時間の早いプロがちらほらと宿泊先からやってきては、クラブハウス内へと入って行きます。タクシーで来るプロ、レンタカーで来るプロ。数名のプロと乗り合わせで来ることも珍しくなく、クラブハウスに到着する時間は、選手によって全く違います。
クラブハウス到着の時間をスタート時間のどれ位前にしているかはプロそれぞれで、レストランで朝食を食べるかどうかによっても変わって来ますが、遅くとも各自のスタート時間の1時間半程前には多くのプロが到着しています。
スタート前の最初の準備は、脱衣場などを利用しての入念なストレッチから。練習場に向かうのは、早いプロでスタートの1時間半前。ショット練習をしないプロ、アプローチだけ練習するプロ、ショットの練習の前にパターを練習するプロなど、人によって行動パターンはそれぞれ違いますが、多くのプロはドライビングレンジでショット練習をして、アプローチレンジでアプローチとバンカーの練習をして、練習グリーンでグリーンの速さを確認して、そしてスタートしていきます。
◆どのクラブを練習するの?練習場はおすすめ観戦スポットのひとつ
球を打つプロを、真後ろから見ることのできる練習場は、おすすめの観戦スポットのひとつ。朝、練習場について何から始めるのかを見ているのも楽しいものです。
トーナメント用に芝から打てるようになっているドライビングレンジは、ほとんどのプロが利用していて日に日に芝が無くなっていくため、練習日から大会の最終日になるにつれて、徐々に後ろに下がって行くようになっていることがあります(逆に、前に移動していく場合もあります)。そのため、最終日にはギャラリーのロープからかなり近くで練習していることも。
ドライビングレンジは混み合うことが多く、マットなどで場所が分かれているわけではないので、前後の選手に詰めてもらって場所を作ってもらうこともありますが、空いている場所が無い場合はボールの残り数が少ない選手の後ろで順番を待つことも多々。挨拶を交わすプロ達の姿も見ることができて、プロの存在がかなり近くに感じられると思います。
多くの選手に見られるドライビングレンジでの練習パターンは、バットを振ったり、重いクラブを振ったりといったように軽いストレッチをしてから、短いクラブを打ち始めます。徐々に長いクラブにしていって、最後にまたウェッジでアプローチといったパターンが多いです。
ちなみに、指定されている練習場が必ずしもゴルフ場の既存の練習場というわけではありません。18ホール以上あるゴルフ場では、使用していない方のコースを練習場として開放していることも多く、クラブを振るためのドライビングレンジとアプローチ練習場が、空いているホールを使って用意されていたりします。既存の練習場を使用している場合でも、マットが置かれた場所では無く、その先の芝生から練習できるように用意されていることがほとんどです。
練習用のボールは、各メーカーが用意したものがかごに入れられていて、それぞれレンジの入り口に置いてあり、ティも用意されていて、ボランティアスタッフがそれらを配っています。
ショットやアプローチの練習が終われば、スタートホールに近い練習グリーンに移動。パッティングの練習をしながらスタートを待ちます。クラブハウスを出てからスタートまでの時間をいつも通りのルーティーン動くことで、徐々に集中力を高めていきます。それは、良いプレーをするため、最高のプレーを見てもらうためのものです。
注意してもらいたいのが、プロが間近にいるからといって、練習中にサインなどを求めるのはNG。ラウンド終了後にお願いしましょう。「頑張って」といったように声をかけるのも、練習している最中は避けて、移動している間にしましょう。きっと、喜んでくれるはずです。
というわけで、思う存分トーナメント観戦を楽しむなら、お気に入りのプロのスタート1時間前。朝のまだゆったりとした雰囲気が、徐々に緊張感を増していく姿を、ぜひ見ていただきたいと思います。
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。