こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。いよいよ涼しい風を感じられるようになり、再びゴルフシーズン到来! ということで、私が勤めるゴルフ場でも満員御礼の日が続いています。
お客様が増えてくると気になるのは、ラウンドスピード。スタートホールは数組待ち、次のホールにも数組。ティイングエリアで待たされ、セカンドでも待たされ、ハーフ2時間半を超えるような日も少なくありません。
とくにショートホールでは、2、3組待ちという状況も。そういった時に推奨されるのが、「コールオン」です。後続組に打たせることで進行をスムーズにするためのもので、「コールホール」や「乗せ打ち」とも言われます。「混雑時はグリーンに乗ったら後続組に合図をしてティショットを打たせてください」といった文言がティイングエリアにあらかじめ書かれているコースもありますね。
◆コールオンのやり方
コールオンは、グリーンに組全員のボールが載った後、マークをして拾い上げ、後続組に打たせること。グリーン後方に逃げた後、後続組に合図を出して打たせます。後続組がティショットを打ち終わったら、グリーン上のプレーを再開。その際に、気を付けなければならないことがいくつかあります。
【打たせる側】
打たせる側が気を付けなければならないのは、逃げる場所と後続組への合図です。
★逃げる場所★
逃げる場所は、指定の位置があれば、必ずそこに移動することが大切です。防球ネットがある場合は、ネットの向こう側でしっかりと身を守りましょう。
そういった場所が無い場合には、グリーンの奥。ティイングエリアから見た時に、右奥の方向へ逃げるのがおすすめです。引っかけたボールは想定外に飛んでしまうことがあるので、左奥よりは右奥の方が安全。ピンの直線上は、打つ側の人が気になるので避けましょう。
グリーン横の木の裏側に隠れるお客様も結構いらっしゃいますが、そういったお客様は打った球がどこに向かっているかが見えない状況になりがち。億劫がらず、できる限り安全な場所へ移動するようにしましょうね。
★後続組への合図★
後続組に合図をするのは、全員がしっかり逃げた後。「どうぞ!」と声をかける、手を上げる、クラブを頭上で振るなどして、後続組にショットを促します。後続組が打ち始めたのを確認できたら、キャディバッグの場所が近い場合には、要らないクラブを片付けに行っても良いですね。
最も大事なのは、後続組のボールの行方をしっかりと見ること。グリーンに載った時には拍手、OBなどの場合には頭上に丸印をするなどして、教えてあげるとなお良いです。
【打たせてもらう側】
後続組はコールオンをする可能性があると思ったら、ショットの準備をしておくこと。そして、打つ際は安全を確保しながらそれぞれのティイングエリアに速やかに移動することが大切です。
★ショットの準備★
使用するクラブだけでなく、ボールとティも手に持って、すぐにティアップできるように準備しておきましょう。
★ティイングエリアへの移動★
打つ場所が人によって違う場合、その移動が気になる方も少なくないようです。もし先に移動しておきたいときは、必ず安全な場所に隠れましょう。乗用カートの場合、カート道が後方からの飛球線上では無い場合には、カートで先に行ってカート内で後ろのティからのショットが終わるのを待っても良いですね。
前方に出るのが危ない場合には、無理せず後方に待機。後ろのティから打つ人が全員打ち終わったら、速やかに移動しましょう。
全員が打ち終わった後には、「ありがとうございました」と声をかけたり、手を上げたりして、前の組に合図を出すことを忘れないように!
◆コールオンするかどうかの判断
コールオンするかどうかは、次のホールのティイングエリアが詰まっているかどうかが判断基準になります。前が空いていれば、コールオンせずにそのまま終わらせることが基本。しかし、例えば前の組が4人で、自分の組は3人、といったように、次のホールですぐに追いつくことが想定される場合には、コールオンすることも考えましょう。
公式競技の場合、プレーヤーの判断でコールオンをすることは、ルール違反になるので注意が必要です(JGA規則5.7aラウンド中、プレーヤーはプレーを中断してはならない)。違反すれば失格になので、ローカルルールで定められていない限りは、コールオンせずにプレーを続行しましょう。
自分のショットを見られたくない! という理由で「先に行ってください」と言われる場合もあります。気持ちはわかりますし、それほど詰まっていない場合にはそれも良いと思います。けれども、コールオンを始めるのにもタイミングがあり、一度コールオンを止めてしまうと再び始めるのが難しい場合も。
後続組のことを考えて、勇気を出して打っていただけたらなと思います。
◆キャディのB子 プロフィール
キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。