こんにちは、ハウスキャディ歴●年のB子です。今回は“ゴルフ場あるある”である、カラスの被害について。
先日の事。ナイスショットだったお客様の球がグリーン上に止まったのでパターをお渡ししたのですが、グリーンについてみればボールがない。「ああ、またか……」。そう、私が勤めるゴルフ場では季節に関わらず「あれ」に悩まされているのです。空からこちらを見下ろし、時には人をあざ笑うかのように「アー」と鳴く黒い奴……そう、カラスです。
住宅地でのカラスによる被害は、よく耳にしますね。ゴミ漁り、糞、時には人を襲い、大群になればその鳴き声も相当なもの。では、ゴルフ場でのカラス被害とは？ 被害にあわないための対処法や、ボールを持っていかれてしまった時のルールについてご紹介していきます。
◆カラスによる被害は1年中！主な被害とその対策は？
「カラスの被害は繁殖の時期（3月から7月頃）に多い」と思われている方が多いのですが、私たちキャディがカラスに翻弄されるのはその時期に限った話ではありません。夏だろうと冬だろうと、いたずらカラスはやってきます。
ゴルフ場で最も多い被害は、荷物を荒らされること。グリーン周りなど、全員がカートから離れているときを狙ってカラスはやってきます。時には鞄のファスナーを開け、中の荷物を出してしまうことも珍しくありません。財布の中身を出されてしまったというお客様も！ カートの荷物置き場に蓋がついている場合は、必ずこまめに蓋をするようにしましょう。
カラスが特に好きなのが、ビニール袋。コンビニの袋などにおやつを入れて持ってくる方が多いからか、ビニール袋があればまず真っ先に狙われます。ビニール袋に食べ物が入っていなくても、とりあえずどこかに持って行って、あとから漁っている姿もよく見ます。ビニール袋に携帯電話を入れていて、カラスに携帯電話ごと持って行かれたということもありました。
荷物をいたずらする動物はカラスだけではないので、コース内に荷物を持って行く場合にはファスナーがついたカバンをお勧めします。それでも、ファスナーを開けられてしまうことも珍しい話ではありません。カバンは、蓋がついている収納場所に入れる、もしくはキャディバッグのフード部分に入れるなど、しっかりと対策しましょう。
そこまでしても、もしかしたら…があるかもしれません。コースに持ち込むのは、もしいたずらされても、「まあ良いか」で済ませることができるようなモノだけにして、貴重品は貴重品BOXへお願いします。
次に多い被害が、人を襲うこと。カラスは背中側からスーッと飛んで来て、頭にガツーンと突っ込んできます。これが、かなり痛い！ 巣の近くや、何かを隠しているような場所を通る時など、特に危険です。大きく威嚇するような鳴き声が聞こえたり、周囲を旋回しながら飛んだりしている場合は、速やかに移動するようにしましょう。
◆カラスにボールを持って行かれた場合の処置は？
カラスに、ボールを持って行かれるという被害も少なくありません。被害の多いゴルフ場では、1日に数十個持って行かれるなんてことも。私の勤めるゴルフ場では、カラスのテリトリーが決まっているようで、ボールが盗られるのはいつも同じホールというのも嘘のような本当の話です。
卵と間違えて持って行くの？ とよく聞かれますが、どうやらそうではなさそうです。ボールを持って行く時期は、繁殖期を終えてから。しかも、コースの端の枯れ葉が溜まっているような場所から大量にボールが出てきたという話も耳にします。つまり、ただ集めているだけ、もしくは遊んでいるだけと考えられています。誰かが追いかけるまでボールの横で待っているカラスもいて、人間が追いかけまわすのを楽しんでいる節があるのも憎らしいところです。
カラスにボールを持って行かれてしまった場合には、罰なしにその球をリプレースするのが基本。球を取り戻せない場合には、球を取り替えることも可能です。しかし、場所が確定できない場合には、あった場所にできるだけ近い場所にドロップです。ただ、本当にカラスが持って行ったのかがはっきりしない場合はロストボール扱いになってしまうので、注意が必要です。
「カラスがグリーンまで運んでくれたら良いのに！」なんて言われるお客様もいますが、もし本当に運んでくれたとしても、カラスがボールを取ってしまった場所からプレーが正しいルールなのであしからず。でも、カラスはとても賢いので、カップにボールを入れて遊ぶ……なんてこともその内やり始めるかもしれませんね。
◆キャディのB子 プロフィール
キャディのB子／あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。
