こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。さて、先日のこと。その日は、大きなコンペのとある組にキャディとしてつきました。コンペの場合、独自のルールがあったりもしますが、そのコンペでは「オール6インチ」と「1グリップOK」、そして「新ぺリアでのハンディ計算」という、コンペではよくあるルールが使われておりました。賞品も、どうやらなかなかのものが揃っているようでした。が、しかし……。
スタートして数ホール目、お客様のひとりがティショットを右に大きく曲げました。幸いボールはすぐに見つかりましたが、林の中。そこでお客様は何を思ったか、ボールをひょいと拾い上げ、コース内に「ぽいっ!」と投げました。あまりにも自然な動作だったので声をかけずにいましたが、少しばかり疑問に感じるものがあり、まわりを見てみれば他のお客様と目が合いました。まあ、キャディとしては非常によく見る光景。ただ気になるのは、それが大きなコンペであるということと、そのお客様が結構お上手であるということなのです。
◆オール6インチは、オール1メートル⁉
普段キャディをしていれば、「1グリップOK」のはずが、気が付けば「1クラブOK」と言えそうなほどに長いパットがOKになってしまったり、「オール6インチ」が「オール1メートル」になってしまったり……というのは実際によくあること。練習で来ていらっしゃるお客様が、打ちやすい場所から打つためにボールを移動するというのは当然のことですが、仲間内のゴルフや親睦を深めることを目的としているようなコンペの場合でも、そういったちょっと気楽な感じのプレーは全然ありだと思います。まずは、会話を楽しめるような余裕が欲しいと誰もが思うことですし、プレースピードを気にしながらラウンドするよりは、楽しさ優先! というのも、大切ですからね。高齢のお客様などが、心臓に悪いからと中途半端な距離は全てOKにしていることも、とても良いことと思います。初心者のお客様の場合など、前後の組とのプレースピードの兼ね合いから、そうしていただけるとキャディとしては非常にありがたいものでもあります。
しかし、賞品がかかっているような大きなコンペの場合は、疑問に感じてしまうことが。1ホールでダブルパー以上叩いてしまうような場合には、打ちやすい場所にボールを動かすというのもわかります。けれども、隣のホールからボールを持ってきて、あがってみれば「パーでした」と言われても……。「新ぺリアなら隠しホールに当たるかどうかは運次第」とはいえ、一緒にまわられている方も、あまり納得できないのでは?
微妙な距離のパットを、雑にお先パットする人もいますね。カップの横を通り過ぎたボールを、パターの裏側で打ったり、構えず適当に打っても、それ自体は全く問題無いのです。ただ、それがしっかりカップに入ればの話。「OK」とも言われてないのにカップを外して、しかもスコアはOK扱いなんてことが、実は少なくありません。ボールにマークをする時、マークを置く位置がちょっとおかしい人も、中にはいますよね。
◆ボールを動かすかどうかは、同伴競技者の雰囲気を見て
ズルするつもりは無いけれど、状況的に違う位置から打ちたいということはあります。行ってみたらOBだったときやボールが見つからないといった状況の時など、競技でもない限り打ち直しに行くのはためらわれるもの。他の方への迷惑を気にしながら必死でボールを探したり、林やバンカーから出なくて苦労したりといった場合には、ある程度の段階で「この辺りから1ペナで行きます」と宣言してしまいましょう。「1ペナで」と言ってしまえば、まわりの方も案外すんなりと頷いてくれるものです。ボールが見つからないときの苦労や、林からなかなか出てこられないときの辛さは、ゴルフをしていれば皆それなりに経験することですからね。
OBは打ち直しせず、入ったと思われる場所から3打目として打つという独自のルールを使っているコンペもたまにあります。そうすることによって、ボールを探しに行きながら、OBだった場合はその周辺から打つことになるため、かなりの時間短縮になるルールです。コンペの幹事をされる方は、ぜひご一考ください。
迷惑をかけたくないからと、打ちやすいところに移動……なんてことを繰り返しているうちに、ボールを打ちやすい場所に出すことや、適当に処置することが当たり前になってしまうのかもしれません。
一度、自分のプレーを思い返して、他の人からどう見られているかを考えてみるのも良いかもしれませんね。
◆キャディのB子 プロフィール
キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。