海外ツアーとの共催大会って?優勝すれば世界に羽ばたくチャンス!

先週、PGM石岡ゴルフクラブ(茨城県)にて開催された、「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」。オーストラリアのL.ハーバート選手の優勝で幕を閉じたこの大会、いつもと違う出場選手の顔ぶれに、あれ? これは、何の大会? と思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。
コースは日本だけど、プレーしている日本人がいつもより少ない……。そう、この大会は「DP WORLDツアー」と「JGTO(日本ゴルフツアー機構)」による共同開催で、主催は「DP WORLDツアー」。つまり、日本で開催された「DP WORLDツアー」の大会のひとつということになります。

「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」 で優勝した L.ハーバート選手 /Getty Images

◆「DP WORLDツアー」はヨーロピアンツアーの名称!

「DP WORLDツアー」。まだ聞きなれない方も多いかもしれませんが、ヨーロピアンツアーの現在の名称です。名称変更されたのは、2022年シーズンから。DP WORLDとは、アラブ首長国連邦のドバイに本拠地を置く港湾管理会社で、DP WORLDがヨーロピアンツアーのタイトルスポンサーとなったことで、ツアーの名称が「DP WORLDツアー」に変更されたというわけです。

スポンサーが付くことで、ツアーの名称が変わることはよくあります。日本の男子ツアーでも、下部ツアーであるチャレンジツアーは、2018年からインターネットテレビ局であるAbemaTVがスポンサーとなったことで、ツアーの名称を「AbemaTVツアー」に変更(2022年には現在の「ABEMAツアー」に改称)。メインツアーの日本男子ツアーも、過去には株式会社iiyamaがスポンサーとなったことで、「iiyamaツアー」という名称だった時代があります。現在の米国の下部ツアーは、Korn Ferryがスポンサーをしていることから、「コーンフェリーツアー」と呼ばれています。

◆海外ツアーとの共催大会、他にもある?

先週の「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」のように、日本で開催される海外ツアーは他にもあります。11月に滋賀県の瀬田ゴルフコースで開催される女子ゴルフツアーの「TOTOジャパンクラシック」は、日本で開催される米国女子ツアーです。

日本のゴルフツアーと海外の他ツアーとの共催である大会はいくつかあり、9月に開催予定の「Shinhan Donghae Open」(昨年は、奈良県のKOMAカントリークラブにて開催)はアジアンツアーとKPGA(韓国プロゴルフ協会)とJGTOの3ツアーによる共催。6月に千葉夷隅ゴルフクラブで開催される男子ツアー「ハナ銀行インビテーショナル」は、JGTOとKPGAの共催。5月に開催される女子のステップアップツアーのCTBCレディスオープンは、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)とTLPGA(台湾女子プロゴルフ協会)による共催です。

◆海外ツアーとの共催大会は、海外に羽ばたくチャンス!

日本で開催される海外のツアーや、海外ツアーとの共催ということは、そこで優勝すれば他ツアーへの出場権を獲得できるということ。つまり、海外ツアーに挑戦するための、大きなチャンスと言えます。

2007年、三重県の近鉄賢島カンツリークラブで開催された米国女子ツアーのミズノクラシック(現在のTOTOジャパンクラシック)で、上田桃子プロが優勝。上田プロは米国女子ツアーの出場権を得たことになり、翌年の2008年から米国女子ツアーに本格的に参戦しました。

海外でも同様で、共催の大会で優勝すれば世界のツアーへの出場権を得られます。ヨーロピアンツアーと中国ゴルフ協会との共催であったボルボ・チャイナオープン。2006年にJ.Mシンプロ(現在、日本のシニアツアーで活躍中)が同大会で優勝し、ヨーロピアンツアーの出場権を得ると、その年のヨーロピアンツアー最終戦ボルボ・マスターズでも優勝。インド人選手として、初めてマスターズの切符を手に入れました。

松山英樹プロや、畑岡奈紗プロ、渋野日向子プロのように、海外で活躍するプロが増えると、国内のツアーも盛り上がります。コロナが落ち着いてきた今、世界のツアーとの共催の大会が増えて、日本人選手が他ツアーに参戦する機会も増えてくるのではと期待していいます。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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