シャフトが折れた! ラウンド中にクラブが破損した場合の【保険・ルール】対処すべきこと

こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。先日のお客様のエピソードをご紹介します。ティショットを左に曲げてしまい、ボールは林の中へ。セカンドショットは、クラブが振れないほどではないけれど、フォローでクラブが木に当たってしまうであろう状況でした。思い切ってショットしてみると、振った後に手元に残ったのは……シャフトの先にヘッドが垂れさがったクラブ。シャフトの先の方で、見事に折れてしまっていたのです。

◆クラブが破損する原因

ゴルフクラブは丈夫そうに見えるけれど、思った以上に割れたり折れたり曲がったりしてしまうもの。ショットの際にその勢いで折れてしまう、ヘッドが割れてしまう、スイングの途中で何かにぶつかってシャフトが曲がってしまうということは、キャディをしていれば珍しい光景ではありません。スイングした時に、ボールだけでなくヘッドも飛んで行った! なんていうこともありました。

スイング時以外にも、破損してしまうことはあります。クラブを落としたら、ヘッドにヒビが入ってしまった。クラブに寄りかかったら、曲がってしまった。キャディバッグから出し入れする時に、引っかかっているのを力任せに抜こうとして曲がってしまうということも。丈夫そうに見えるクラブですが、取扱いには注意が必要なのです。

◆ラウンド中にクラブが破損! まず現場ですべきこと

もし、ラウンド中にクラブが折れてしまったら? まず、折れたクラブはその場に放置せず、回収。とくにゴルファー保険に入っていて補償を求める場合には、破損したクラブの写真が必要になります。だからといって、破損した現場で写真を撮る必要はありません。その場では、速やかにプレーを進めることが大切です。

クラブを回収する際には、怪我をしないように気を付けて。シャフトが折れている時は、折れた面に触れないように気を付けましょう。カーボンシャフトの繊維が小さな棘のようになって指に刺さってしまい、なかなか抜けなかった経験があります。カートのどこか危険でない場所に置くか、キャディバッグのポケットに余裕があれば入れてしまうことをおすすめします。

◆保険対応は? ラウンド後にすべきこと

ゴルファー保険に入っている場合、まずは保険会社に連絡し、事情を説明して指示を受けましょう。補償してもらうためにはゴルフ場の証明書が必要なので、ゴルフ場にいる間に発行してもらうと良いですね。
後日、保険会社から送られてきた保険請求書に必要事項を記入し、ゴルフ場の証明書と破損したクラブの写真、そしてゴルフショップで出してもらった修理費の見積書、または修理不能証明書を一緒に送付して、その後補償金の支払いとなります。全損の場合は時価額、分損の場合は修理費が補償されます。

ゴルファー保険に入っていなくても、補償してもらえる場合もあります。ただし、ゴルフ場自体が保険に入っているかどうかによるので、個人で保険に入っていない場合には、ダメ元でマスター室かフロントに確認してみても良いかもしれません。

◆ルールは? その際に気を付けること

例えば、それが競技やコンペだった場合、気になるのがルールの問題。2023年のルール改正によって、破損した原因が自分自身によるものであっても「故意で無ければ」無罰でクラブを交換、修理、もしくはそのまま使うことができるようになりました。クラブを地面に叩きつけて折ってしまったといったように、乱暴に扱って破損させてしまった場合はもちろん除外されています。

その場に予備のクラブでも無い限り、交換というのはなかなか難しいもの。しかし、最近ではゴルフトルク調整レンチ、いわゆる「カチャカチャ」を使ってシャフトを変えることがでるので、予備のシャフトさえあれば交換することも可能ということになります。ですが、ここで気を付けなければならないのが、そのシャフトを「プレー中にキャディバッグに入れて持ち運んでいたかどうか」という点。自分自身のものでも他のプレーヤーのものでも、ラウンド中にキャディバッグに入れて持ち運んでいたものを修理に使うことはできず、クラブハウスのロッカーや、ゴルフショップなどから持ってきた部品でなければなりません。競技などでは、予備シャフトはロッカーに入れておきましょうね。

交換を終えてプレーに戻る際には、クラブを交換することを必ず明示しましょう。そのままプレーに戻ってしまうと、クラブを追加したことになり、ペナルティが課せられてしまいます。気を付けましょうね。

高いゴルフクラブが破損してしまうと、焦ったり、唖然としてしまいがちですが、落ち着いて対処を! でも、できれば破損させたくないもの。クラブは案外簡単に破損するものと知って、より大切に扱いましょう!

◆キャディのB子 プロフィール

キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。

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