先週、千葉県にある東急セブンハンドレッドクラブ東コースでJLPGAレジェンズツアーの今季第2戦「太陽生命 元気・長生きカップ」が開催されました。結果は、不動裕理プロが通算11アンダーでまわり初優勝。レジェンズツアーのデビュー戦で、13年ぶりとなる優勝を飾りました。
その名前を久しぶりに名前を聞いた! と思われた方も多いのではないでしょうか。不動裕理プロと言えば、2000年から6シーズンにわたって賞金女王の座についた、まさに不動の女王。2004年にツアー通算30勝を達成し、日本女子ゴルフ史上最年少記録となる「27歳285日」で永久シード権を獲得した超レジェンドプレーヤーです。
そんな不動プロも、現在47歳。最近の不動プロといえば、レギュラーツアーへの出場も年間に10試合に満たず、結果も予選落ちが多くなっていました。ところが、今回の初優勝! レギュラ―ツアー50勝の大ベテランが、「初優勝」を飾ったレジェンドツアーって何? ということで、男子のシニアツアーと合わせて解説していきたいと思います。
◆レジェンズツアーとは? 有名選手を紹介!
レジェンズツアーは、2004年から始まった45歳以上の女子プロゴルファーを対象にしたシニアツアーのこと。2008年度からその名称を「JLPGAレジェンズツアー」に統一して、少しづつですが大会数を増やしています。レジェンズツアーと同時に、60歳以上を対象とした「グランドシニアの部」が開催されることもあります。今季のレジェンズツアーは6大会が予定されていて、今回の「太陽生命 元気・長生きカップ」は今季2戦目でした。
では、レジェンズツアーに参戦している45歳以上のプロといえば? 出場選手の名前を見てみると、過去に女子ツアーで名前を残した選手達がずらり。永久シード選手はもちろん、レギュラーツアーで5勝以上した選手に優先的に出場権が与えられているので、名前を聞いたことがあるようなプロが多く参戦しているのがレギュラーツアーとは少し違うところです。
福嶋晃子プロ、原田香里プロ、肥後かおりプロといった賞金女王争いを繰り広げた往年の名プレーヤーが参戦中。今季のレギュラーツアーで2週連続優勝を果たした竹田麗央プロの叔母で、賞金女王に2度輝いている平瀬真由美プロも参戦しています。
◆男子シニアツアーの特徴
2004年から始まった女子のレジェンズツアーに比べると、1988年からと歴史が長く、既にひとつのツアーとして定着しているのが男子シニアツアーです。日本プロゴルフ協会(PGA)が運営していて、今季は12大会が予定されています。女子より少し高い50歳以上のプロが出場可能です。
男子のシニアツアーの場合、レギュラーツアーで25勝することで獲得できる永久シード保持者には出場資格が与えられますが、レギュラーツアーの優勝者(2勝、または公式戦1勝以上)への出場権は、あくまで1年間に限られたものになっているので、ツアーで10勝以上しているような選手でも、出場権をかけたクォリファイングトーナメント(QT)にチャレンジしなければならない厳しい世界になっています。そのため、レギュラーツアーではそこまで活躍できなかったような選手が優勝したり、何年もシードを確保していたりしているところが特徴的です。
◆ギャラリーはできるの? 楽しみ方は?
女子のレジェンズツアーは、残念ながらギャラリーができない大会がほとんど。けれども、今のレギュラーツアーで活躍していた選手達が出場権を得るようになって大会数が増えれば、今後ギャラリー可能な大会も増えていくかもしれません。
今の女子プロ人気の立役者であり、レギュラーツアーでまだ活躍中の横峯さくらプロや上田桃子プロといった世代はまだ40歳に届いていないため、レジェンズツアーへの参戦はもう少し後ですが、数年後には参戦してくる可能性があります。その頃には、今よりもっと大会数が増えているかもしれません。
男子のシニアツアーはギャラリーが可能で、大会によっては入場無料のものも。ギャラリーと選手を隔てるロープが無い大会があったり、短いミドルホールで1オンチャレンジイベントを行ったりと、レギュラーツアーとは一味違った楽しみ方ができます。ギャラリーと普通に会話するプロもいたりして、プロとの距離が近いとのが特徴です。
レギュラーツアーとは一味違った雰囲気と、熟練ならではの技がシニアツアー、レジェンズツアーの面白さと言えます。ベテラン勢のツアーにも、ぜひ注目してみてください!
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。