ゴルフ初心者が知っておくべきゴルフの歴史と文化

ゴルフは歴史ある、格式の高いスポーツです。起源や文化を知ることで、品格のあるスマートなゴルファーになれるでしょう。今回は、ゴルフをより楽しむために知っておくべき歴史や文化、主要な選手についてご紹介します。

◆ゴルフの発祥はヨーロッパ

ゴルフの発祥は諸説ありますが、最も有力とされているのが14世紀頃、イギリス(スコットランド)で生まれたとささやかれています。ゴルフという名前の由来は、スコットランド語で「打つ」という意味の「gowf」から来ているといわれています。スコットランドでのゴルフは、海岸沿いのリンクスと呼ばれる草原で自然の地形を生かして行われていました。

また、オランダがゴルフの発祥地だという人々も少なくありません。1295年にオランダで「Colf」という凍った湖面上でボールを打ち遠くへ飛ばす遊びが行われていたことが記録されており、この遊びが現在のゴルフの原型となったという説もあるのです。

発祥の歴史について意見が分かれることもありますが、どちらにしてもヨーロッパでゴルフというスポーツが産声を上げたというのが通説のようです。このように生まれたゴルフは現在でも多くの国で愛され、形を変えながら自然との共生を楽しむスポーツとして広まりました。

日本にゴルフが伝わったのは1901年。イギリスから伝来し、最初に建てられたゴルフ場である「神戸ゴルフ倶楽部」が始まりだと言われています。このゴルフ場は4ホールでスタートし、山頂に位置していたため、当初はかごに乗って登ったという逸話も。神戸ゴルフ倶楽部には現在も当時の用具が展示され、歴史を感じることができます。

それから20年余りの時を経た1922年に、神奈川県の「程ヶ谷カントリークラブ」で日本初の18ホールのゴルフコースが完成しました。このようにして日本のゴルフの歴史が始まったのです。

1ラウンドが18ホールになったのはなぜでしょうか。ゴルフ発祥の地といわれるスコットランドでは、寒さをしのぐためスコッチを飲みながらプレーする習慣がありました。「1ホールごとに1杯飲むと18ホールで1瓶が空になる」という理由から18ホールになったと言われています。また、聖地と呼ばれる名門コース「セントアンドリュース」が18ホールであり、その後建設されたゴルフ場も。

◆日本におけるゴルフの発展と主要選手

日本人初のプロゴルファーは1920年に誕生しました。その後、男子プロゴルフを一躍盛り上げたのはジャンボ尾崎(尾崎将司)プロの登場からといわれています。元プロ野球選手からゴルファーに転向し、その実力とカリスマ性で一躍有名になりました。

さらに、青木功プロ、中嶋常幸プロが登場し、彼らの活躍は「AON時代」と称され、プロゴルフ界の黄金期を築きゴルフ界を盛り上げていきます。

1995年にアマチュアとしてマスターズに初出場したタイガー・ウッズも、忘れてはならない重要な人物です。1997年に21歳という若さでマスターズを制し、その後、世界ランキング1位に輝きました。タイガーウッズの登場によって、世界中でゴルフブームが巻き起こり、日本でもタイガーにあこがれてゴルフを始めるジュニア選手が増えていったのです。

◆女子プロゴルフと日本のパイオニアたち

日本の女子プロゴルフも見逃せません。レジェンド・樋口久子プロは日本女子プロゴルフのパイオニアとして知られています。1967年に日本女子プロゴルフ協会が設立された当初、女子プロ選手はまだ少なく、プロトーナメントもわずか2試合しかありませんでした。

そんな中、樋口プロはアメリカ女子ツアーに挑戦し、1977年に日本人初のチャンピオンになります。続いて岡本綾子(おかもとあやこ)プロも1987年に外国人選手として初の米ツアー賞金女王に輝きました。彼女たちは日本女子プロゴルフの基盤を築き、後の「世界ゴルフ殿堂入り」を果たしています。

さらに、1980年代には服部道子プロが登場し、16歳で日本女子アマチュア選手権を制覇しました。そして、宮里藍プロは2003年にアマチュアとしてプロトーナメントで優勝。「藍ちゃん」の愛称で親しまれ、女子プロゴルフブームを巻き起こしました。その後も女子プロゴルフ界の盛り上がりは著しく、1998年度生まれの「黄金世代」では、渋野日向子プロが2019年に全英女子オープンで優勝し、日本人女性として42年ぶりの栄光を手にしています。

そして2000年度生まれの「プラチナ世代」では、古江彩佳(ふるえあやか)プロが、2024年7月に行われたアムンディ・エビアン選手権で、日本勢4人目のメジャーVを達成しました。女子プロ界の盛り上がりは衰えることなく、次々とルーキーが誕生しています。

◆ゴルフの歴史を知れば、新たな楽しみ方が見つかる

ゴルフの楽しみ方は、技術を磨くことだけではありません。最新のゴルフクラブの話題やスコアアップの秘訣だけなく、歴史と文化を知ることでゴルフの楽しみ方も変わってくるのではないでしょうか。ぜひ、移動中やランチタイムなど、ちょっとした会話に本記事の内容を取り入れ、新たなゴルフの魅力を感じながらプレーしてみてください。

取材・文/夢書房

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