ゴルフだけは右打ちです! 左利きが不利なのは本当?

左利きの選手が野球やテニスといったスポーツで活躍している姿をよく見かけます。しかし、ゴルフの世界では「左利きだけど、ゴルフだけは右打ちです」という声が多く聞かれます。他のスポーツと比べて、ゴルフでは左利きが不利だと言われるのはなぜでしょうか。ここでは、左利きのゴルファーが感じる「壁」について、具体的な例を挙げながら詳しく解説していきます。

◆希少価値ゆえの苦労…クラブ選びの壁

ゴルフを始めるときにまず避けて通れないのがクラブ選びです。ゴルフショップを訪れたものの、左利き用のクラブコーナーの狭さに驚いた、という経験を持つ左利きゴルファーも多いのではないでしょうか。左利き用のクラブは右利き用に比べて種類が少なく、選択肢が限られていることが多いです。

特に初心者向けのセットクラブでは、選択肢の少なさからデザインや機能性に妥協を強いられることも少なくありません。最新のテクノロジーを搭載したドライバーやパターなど、話題のクラブも左利き用は発売が遅れたり、そもそも販売されなかったりすることもあります。試打をして自分に合ったクラブを選びたくても、左利き用の試打クラブが用意されていないことも多く、右利き用のクラブを逆さに構えてスイングする、といった工夫を凝らす左利きゴルファーもいるようです。

また、中古クラブの市場でも、左利き用のクラブは圧倒的に少ないため、予算内でクラブを揃えることが難しい場合があります。

◆右利き中心の世界?コース設計の壁

ゴルフコースは、自然の地形を活かしながら、戦略性と美しさを追求して設計されています。池やバンカーなどのハザードが巧みに配置され、右へ曲がるホール、左へ曲がるホールなど、それぞれに個性があります。しかし、左利きのゴルファーにとって、コース設計が不利に働く場合もあります。

たとえば、右ドッグレッグと呼ばれる右側に大きく曲がるホールでは、右利きのゴルファーであれば得意のフェードボールで攻略しやすいレイアウトですが、左利きのゴルファーにとってはドローボールを打たなければグリーンを狙いにくいといった状況が発生します。ティショットの落としどころやセカンドショットの狙いどころなど、右利きを基準に設計されていると感じることが少なくありません。

さらに、練習場でも左利きのゴルファーが不利に感じる点があります。多くの練習場では右利きのゴルファーに合わせた設備が整っており、左利きの人には適応しにくいことがあります。打席のレイアウトや、ターゲットの配置が右利き用に作られていることもあり、左利きのゴルファーは自身のショットを磨くために工夫が必要です。

◆左利きは個性!ハンデじゃない!

左利きのゴルファーの中には、「左利きだからうまくいかない」と自身を不利だと感じてしまう人もいるかもしれません。確かに、クラブ選びやコースレイアウトなど、右利きに比べて不利な点はいくつか存在します。しかし、左利きであることは、決してハンデではありません。むしろ、ゴルフにおいても左利きならではのメリットは存在します。

たとえば、グリーン上でのパッティング。右利きが多いグリーンでは、グリーンの傾斜や芝目を読み取る際に、左利きのゴルファーの方が有利に働く場合があります。これは、左利きの視点から見ることで、右利きとは異なる視点でラインを読むことができるからです。独自の視点を活かして、自分なりの攻略法を見つけることで、他のプレーヤーとは違ったプレースタイルを築くことができます。

さらに、フィル・ミケルソンやバッバ・ワトソンなど、世界のトップで活躍する左利きのプロゴルファーも存在します。彼らの活躍は、左利きのゴルファーにとって大きな励みであり、目標となるでしょう。左利きのゴルファーも世界の舞台で活躍することができることを証明してくれています。

◆左利きゴルファーが活躍する未来へ

ゴルフは、老若男女問わず、生涯を通じて楽しめるスポーツです。左利きだからといって諦めずに、ゴルフに挑戦してみてはいかがでしょうか。最近では、左利き用のクラブの種類も増え、インターネット通販を利用することで入手しやすくなっています。フィル・ミケルソンやバッバ・ワトソンのように、世界を相手に活躍する左利きゴルファーが今後ますます増えていくことを期待したいと思います。

左利きのメリットを活かしながら、ゴルフの楽しさを存分に味わいましょう。自分に合ったクラブを見つけ、独自のプレースタイルを築くことで、ゴルフの世界で新たな可能性を切り開くことができるでしょう。左利きの個性を大切にしながら、ゴルフを楽しんでください。

取材・文/夢書房

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