ラウンドにかかる時間はハーフ2時間15分の合計4時間30分を目安にするものの、自分の組がビギナーが多かったりすると時間がかかってしまいます。そんなとき、後ろの組から強い圧力を感じることも。後ろの組が詰まった時のマナーを考えてみましょう。
◆自走用カートなら先に行ってもらうこともアリ
ゴルフ場には、自分で運転できるカートとリモコン操作で動く電磁誘導式カートの2種類があります。電磁誘導式カートは、決められた経路を移動するように設定されているため、前のカートを追い抜くことができません。そのため、どうしても後ろの組に先に行ってもらいたい場合は、ハーフ終了後にゴルフ場スタッフに相談し、順番を入れ替える必要があります。
一方、自走用カートは、ゴルファーの意志で運転できるため、フェアウェイの乗り入れが可能なコースでは、前のカートを追い抜くことができます。特に自分の組が4人で、後ろの組が3サム・2サムの場合、どうしても距離が詰まってしまうことがあります。例えば、4人組でホールアウトに5時間かかるとすると、2サムは約4時間20分、3サムは約4時間40分でホールアウトする計算に。このような場合、後ろの組に「お先にどうぞ」と提案することで、全体の進行をスムーズに保つことができるのです。
ただし、自分の組がスローペース気味であった場合、後ろの組に先に行かせたからといって、引き続き同じようなペースでプレーしてはいけません。抜かされたことをしっかり反省し、スロープレーを改善する意識を持ちましょう。これにより、後続の組にも迷惑をかけず、気持ちよくプレーを楽しむことができます。
◆あきらかに自分の組がスロープレーならパスする勇気も必要!
ゴルフ場で電磁誘導式カートを利用している場合、自分たちの組が明らかにスロープレーになってしまった際の対応が求められます。スロープレーは後ろの組だけでなく、その日のラウンド全体に影響を与えるため、適切な対応が必要です。
スロープレーによって後続の組が待たされるだけでなく、さらに後ろでプレーしているゴルファー全体に影響が及ぶことがあります。特に、遅めのスタートを選んだゴルファーにとっては、日没が近づくとラウンドを強制終了させられてしまうリスクもあります。このような事態を避けるために、スロープレーを意識的に回避することが大切です。
スロープレーが避けられないと判断した場合、プレーを速やかに進めるために、ショットせずにホールアウトすることを検討しましょう。ただし、いきなりすべてのホールでこの対応をするのは難しいかもしれません。そのため、次のようなルールを事前に設定しておくとよいでしょう。
規定打数の3倍を超えた場合、たとえばパー4のホールで12打以上を打ってしまった場合は、ボールを拾い上げる。1ホールでOBを3回出した場合や、4パット以上をしてしまった場合も、プレーを中断し、ボールを拾い上げるとよいでしょう。これらのルールを事前に組で共有し、徹底することでスロープレーを最小限に抑えることができます。
もし自分たちの組がスロープレーとなってしまった場合、ゴルフ場のスタッフから注意を受ける可能性があります。1度でも注意を受けないためには、以下のポイントを心がけましょう。プレーの準備を迅速に行い、ショットの前に必要なクラブやボールを準備し、素振りやルーティンを短くするなど、プレー進行をスムーズにすることが重要です。また、同伴者と協力してボールの位置を素早く把握し、プレーを遅らせないようにすることも大切です。
◆スロープレーにならないようにするにはどうすればいいの?
ビギナーが多かったり、プレー人数の関係で後ろの組に差が出てしまうことはあります。しかし、多少時間がかかっても、通常のプレーをしていれば後ろの組から圧力をかけられることは少ないでしょう。では後ろの組はどんな立ち振る舞いが気になってしまうのでしょうか。
それは、何度もセカンドボールの行方を探していることや何度もボールやクラブをカートに取りに戻っていること。そしてホールアウト後スコアを書くなどして、すぐにグリーン周りを移動しないことなどがあげられます。つまり、ゴルフの技術面に対する不満ではなく、ショット以外の動作が気になるポイントになっているのです。
そのため、とくにビギナーがボールを打つ時は、同伴者がしっかりボールの行方を見てあげることが重要です。もちろん、ビギナーもショット時は「打ちます」と声掛けをして、周りに知らせることが大切です。また、ティショット時はドライバーを持って待っていることや、セカンド以降はクラブを2〜3本持ってカートを出ましょう。さらに先にグリーンオンしたゴルファーがいれば、カートをグリーン周りに走らせてあげたり、バンカーを整備するなど協力してあげるのもプレーファーストにつながります。カップインすれば、同伴者のグリーン周りにあるクラブを拾ってあげて、すぐにグリーンを移動できるように準備しましょう。
またゴルフのルールでは、ショットできる状態から40秒以内にボールを打つ決まりがあります。何回も素振りをしたり、ルーティーンが長いことも改善しなければいけません。後ろの組はショット以外の立ち振る舞いが気になってイライラを募らせているケースが多いです。ショットの精度を上げることはすぐにできませんが、スロープレーにならない動きはビギナーであっても実践できるので、すぐに取り入れていきましょう。
取材・文/夢書房