「がんばって振っても飛ばない」「いつまでたってもうまくならない」。その理由は、シャフトが合っていないからかも!? 事実、ゴルフがうまい女子の間では、シャフトにこだわる人が増えているとか……。
そこで「Regina」では、女性にとってのシャフトに注目! 素朴な疑問を、プロに分かりやすく解説してもらいます。
「シャフトのことなんて、考えたことない」「なんだか難しそう」とスルーしていたあなた。シャフトを知れば、あなたのゴルフがワンランクアップするはず!
>>おすすめ記事はこちら! シャフトは軽い方が飛ぶ!?【女性ゴルファーのためのシャフト講座】
【第2回】シャフトには女性ならLやA、男性にはR、S、Xとありますが、具体的になにが違うの?
A)単純に、“硬い”か“軟らかい”かの違い。軟らかいほどしなります!
ゴルフクラブのシャフトに、LやAがあることは、ご存じの方も多いでしょう。専門用語では「フレックス」(硬さ)と呼ばれる、シャフトの硬さの指標です。
Lがもっとも軟らかく、続いてA、R、S、Xと続くに従い、硬度が増していきます。ブランドによってはAとRの間にはR2、RとSの間にSRなどがあったり、Xの上にはXX、XXXなんていうのもあるんですよ。
では、硬さによってなにが違ってくるのかということですが、軟らかいほどしなりやすいです。シャフトがしなると、スイング中にしなり戻りが生じるので、しなりが多いほど、インパクトでヘッドのロフトが上を向き、球が上がります。シャフトがしならないと、ヘッドが走らないのでヘッドスピードが上がらずパワーも出ません。
シャフトがしなるとインパクトでしなり戻りにより、ロフトが上を向くので、球が上がる。 ヘッドも走るので飛距離も出る。
硬いシャフトでは、女性の力では十分しならせることができず、ロフトは立ったままで球が上がらない。ヘッドも十分に走らせることができない。
たとえば、釣り竿と木の棒でスイングすることを想像してみてください。釣り竿は軟らかいのでよくしなり、振ると先端のしなるスピードがとても速いですよね。硬い木の棒を振っても、全くしならないので速く振れません。その分強く叩けない。ただし、木の棒の方が暴れないので、目標とするものを正確に叩けます。
つまり、
◆しなりの量=大きいほどエネルギーも大きくなる=飛距離と球の上がりやすさがアップ
◆しなりの量=大きいほどブレやすい
両方のことが言えます。
では、女性はどのフレックスをチョイスするべきなのでしょうか。
先ほども説明したように、シャフトのしなりの量が大きいほど飛距離が出ますから、とくにドライバーに関しては、いかにしならせることができるかが大前提。(ドライバー以外のお話は、またの回にお話しします)
そしてほとんどの女性にいえることはとにかく“L”から始めること。
「私はパワーがあるから」と、Rなどを使う方も見かけますが、ハッキリ言ってオーバースペック。しならせることができないので、飛距離はがくんと落ちてしまうでしょう。
ですから、もしもLが物足りなく感じても、いきなりRに行かず、Aを試してみてください。Aで結果が出なければ、またLに戻ることも考えましょう。また、同じLでも、メーカーによってかなり差があるので、いろいろ試して自分に合うLを見つけてくださいね。
さらに、シャフトの長さや重さ、しなる場所も飛距離に大きく影響します。次回はまず、長さについてお話します!
女性向けクラブやシャフトのことについてもっと知りたいという方は、ぜひこちらまでメールにて“疑問”や“こんなことを知りたい!”などなんでもお寄せください。
◆教えてくれたのは 林佳世子プロ
JPLAドラコンプロ。ドライバー最高飛距離299ヤード。ベストスコア65。数々のドラコン選手権で優勝。東京・赤坂の「✓d Golf Academy」(route-d.com)にて、飛距離アップをはじめ、スコアアップのためのレッスンを指導するほか、テレビ、雑誌などで活躍中。Instaglamはコチラ!→(@kayoko00)
◆監修 浦大輔プロ
身長170cm。ドライバー最高飛距離420ヤード。ジュニア時代、数々の試合で優勝経験をもち、東北福祉大学に特待生として入学し、ゴルフ部に入部。現在は、物理学、スポーツ力学、ゴルフクラブのメカニズム、体の構造を研究した、独自のゴルフ理論で、多くのゴルファーのスキルアップをサポート。東京・赤坂の「✓d Golf Academy」(route-d.com)ヘッドコーチ。YouTube 「かっ飛びゴルフ塾」配信中。
◆女性専用シャフト「ELDIO」にも注目!
女性ゴルファーのシャフトへの関心が高まる中、昨年10月、女性専用シャフト『ELDIO(エルディオ)』が三菱ケミカルから誕生。2モデル×4スペック×3カラーと充実のラインナップ。注目を集めています。
取材・文 たかはしよし子 撮影/福田文平