佐伯三貴が教える【特別なゴルフの楽しみ方】

佐伯三貴プロ/Getty Images

ゴルフの魅力は、老若男女、ビギナーからシングル、トッププロに至るまで一緒に楽しめることです。一緒にラウンドすれば、最低でも4時間、一緒に歩き、ボールを追いかけます。

よほどシャイな人でないかぎり、会話もするし、一緒にボールを探したりもするでしょう。食事をしたりお酒を飲む以上に、最高のコミュニケーションが取れる。1度、一緒にプレーしただけで、相手がどんな人かわかります。それがゴルフなのです。その気になれば(ならなくても?)人間関係はどんどん広がって行きます。

私たちプロゴルファーは、プロアマと言うものを数多く経験します。ツアー競技のほとんどに、大会前日や大会終了後にスポンサー企業の方やそのお客様とプレーするプロアマがあります。それ以外にも、様々な企業に招かれる機会も少なくありません。
ここで知り合い、一緒にプレーさせて頂いた方の中で、親しくなった方とは、ツアーを離れた今でも交流が続いています。私に限ったことではありませんが、ツアーでプレーしていると、プロ同士は仲間ではありますが、ライバルでもあります。厳しい勝負の世界にずっと身を置いていると、時には息抜きをしたくなることもあります。そんなとき、ホッとするのは全く違う世界の人と話をすることだったりします。その際の相手が、旧知の友人のこともありますが、プロアマで知り合った方、ということもよくあることです。

離れてみて初めて気が付いたのですが、私にとってツアーは本当に仕事場だったんだな、と言うことです。けれども、そこから広がった世界は、私の世界をツアーという狭いところから引っ張り出してくれていたのです。

アマチュアのみなさんも、プライベートで友達の友達と一緒にプレーしたり。コンペならそれまで縁のなかった人と一緒にプレーして意気投合したこともあるのではないでしょうか。最近増えてきた”おひとりさま予約“で、他の3人はすべて初めて会った人、と言うのも面白いかもしれません。そんな出会いで、ぜひ、豊かな人生を送ってください。

◆佐伯三貴プロが提案する、特別なゴルフの楽しみ方

ゴルフの楽しみ方はひとそれぞれです。そんな中で一つ、ご提案したいのが、プロの試合を開催しているコースに行ってみることです。自宅の近くで、プロの試合が行われていたら、そのコースでプレーしてみる機会を探してみてください。そうすることで、プロの試合が身近に感じられます。

今はコロナ禍で観戦できない試合もありますが、自分がプレーしたコースをプロが回っているのを見るのはテレビ観戦でも興味深いものです。「あんな後ろのティーイングエリアから打つの?」「あそこの林!自分も入れた」「あのパー3、俺はバーディーだったよ」「私が回った時よりグリーンが全然速い!」などなど、それまでとは全く違う感覚で、試合を楽しめるはずです。

私たちがツアーでプレーしてる時も、そんなギャラリーの方の声が聞こえてくることがあります。例えば、グリーンでバーディーパットを入れた後「そうそう。あそこは右に切れるんだよ」と大きな声がすることもあります。逆に短いパットを外した時にも「あれはスライスに見えるけどフックなんだよね」などと、楽しそうに話しているのを聞くと、試合を満喫してくださっているのがわかります。

私が2度、優勝しているフジサンケイレディスの舞台、川奈ホテル富士コースなどは、テレビで見るのと現地で見るのでは、傾斜が全く違います。マスターズの舞台、オーガスタナショナルが、テレビで見るよりはるかにアップダウンがあると言うのもよく知られた話です。

海外のコースでも同じです。私も以前、再でプレーしたことがあるコースでの試合をテレビで見て楽しむことがあります。「ここ、思ったより風がとおるんだよね~」とか、男子の試合だと「あんな後ろのティーから打つの?全く景色が違う」などと、興味深く見ています。

ここまで話したら、ゴルフ上達のポイントも一つ、ご披露しましょう。スイングは人それぞれなので、リズムについてです。

アマチュアのみなさんは、プロに比べてプレーが遅い方が多い気がします。特に、アドレスしてから、あれこれ考えてしまってプレーが遅くなるのは、百害あって一利なしです。時間をかけている間に体が固まり、ミスを誘発してしまうからです。

構えたら打つ、これを実践して良いリズムでプレーすると、自然にスコアもよくなります。プレーが速くて文句を言われることは絶対にありません。簡単なことのようですが、効果が目に見えるので、やってみてください。

リズムよくPlay fast! 本当ですよ。

取材・文/小川淳子 写真/Getty Images

おすすめの関連記事