話題のASMR!“音フェチ”視点で楽しむゴルフとは?

最近話題のASMR。(=聞いた音や見たものによって与えられた刺激により、気持ちがいいと感じる反応のこと。)音フェチとも言われているもので、最近ではSNS上にASMRに特化した動画も多数アップされています。

ゴルフでASMRと言えば、カップインの音やボールがクラブに当たった時のインパクトの音がまずは思い浮かぶと思いますが、それだけはありません。キャディ目線で見た気持ちの良い音。そして、トーナメント会場だからこそ聞くことのできるASMRをご紹介したいと思います。

イメージ画像/Adobe Stock

カップインの音

ゴルフに関する音の中で一番人気と言えば、カップインの音ではないでしょうか。ボールがカップに入った時の「カコン」という音は、人心地ついたような何とも言えぬ良さがあります。カップがプラスティックだった時の「カラカラカラ」という乾いた音もまた良いですね。

プレーを早くするための「1クラブOK」は、この音を聞く機会を減らしていますが、これは進行上仕方が無いこと。せめて、最終ホールのパットだけはカップインをして、その音を聞きたいなと思います。新ルールにより旗をカップに差したままプレーをされる方も増えているので、竿に正面から当たった時の音「カシャコン」という音が、心地よい音として感じる人もいるかもしれません。

インパクトの音

クラブの芯に当たった時の音も、大変気持ちの良い音と言えます。ドライバーの場合、クラブによって音も違い、それによって好みが分かれることもあるほど重要なものです。アイアンの場合は、その芝との擦れる音や地面を叩く音も混ざります。

ちなみに、キャディはこのインパクトの音で、打球の方向と距離を判断します。ボールの行方を見守ることはキャディの仕事であり、プレーヤーが球を打った瞬間からその方向を追うことが定石ではありますが、必ずしも最後まで追えるわけではありません。逆光であったり、雨や霧などで視界が悪かったり、雲の多い時は雲と紛れてしまって見失ってしまうことも少なくありません。そういった時には、プレーヤーの飛距離、球筋、そのショットのスイングの形、そしてインパクトの音が判断材料となります。インパクトの音はそれによって球筋や飛距離が変わって来るので、特に大事と言えます。

ウッドの場合、クラブフェイスのどこに当たったか、音によってある程度判断することができます。それがヒールに当たった音であれば右方向、トウ寄りに当たった音であれば左方向、そしてその当たり具合によって飛距離も凡そではありますが判断することができます。アイアンの場合は芝生の音も混ざるので、ダフりかトップか、厚い当たりかどうかなども判断する材料になります。

トーナメント会場でしか聞けない音も!

テレビで観戦している場合でも、「音」というのはとても重要です。大きな長いぬいぐるみのような集音マイクを持ったスタッフが、プレーヤーの正面で音を拾おうとしている姿をよく見ます。ショットやパットのインパクトの音はもちろん、カップインした時の音、グリーンにボールが着地した時の音、歩いている時のクラブが当たるカチャカチャ音など、映像をよりリアルにするためにその音は大変重要な役割をします。

しかし、そんなマイクでも拾えない、会場でしか聞けないおすすめの音があります。

まず、ティーショットでボールが空気を切り裂いていくような音。特に男子プロの放つこの音は、より一層力強いものになります。聞くことのできる場所は、ティグラウンドからセカンド地点に向かって50メートルほど歩いたところ。選手より少し早めに移動して、ぜひ一度そのティーショットを待ってみてください。

そして最もおすすめの音は、最終日の18番ホールの大歓声です。テレビで聞くのとは全く違う地響きのようなそれは、まさにリアルそのもの。身体中に響くそれは、一度体験してしまうと忘れられないものになります。

どちらも会場でしか聞けないものなので、観戦の際にはぜひ意識して聞いてみてください。

ゴルフ場に溢れる音は、意識して見れば色々と見つかります。カート道をスパイクで歩く時のカツカツ音。旗が風で揺れるパタパタという音。池にボチャンという音や、ペシッというシャンクの音、遠くで聞こえるキャディのファーの声など、嫌な音もありますが、たまにはそんな風にゴルフを楽しんでみるのも、面白いかもしれません。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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