いざゴルフを始めたものの、どのように練習していいのか、こんなライからどうやって打てばいいのかなど、分からないことってありますよね。そこで初心者やゴルフ歴が浅いゴルファーに役立つテクニックを国内女子ツアーで2勝を挙げている西山ゆかりプロがアドバイスします。
第1回は冬場の練習方法についてです。
Q:冬の練習場は寒いのでなるべく短時間で済ませたいのですが?
A:体が温まりやすく、軸を感じられる練習法を紹介しましょう!
寒い中せっかく練習場へ来たわけですから、ただポンポンと打つだけでは意味がありません。しかも、寒いと体が上手く回らずに中途半端なスイングになりがちです。悪い動きをいくら繰り返してもいい当たりは出ないと考えましょう。
そこで今回お勧めしたいのが、7番アイアンでの連続打ちです。これは、ボールを自分から見て縦に3つ並べ、それを少しずつ前に移動しながら次々に打っていくドリルです。これを続けて5セットも行えば、自然と体が温まってきます。注意点は、ドリルの前に、必ず手首、足首、首といった関節を動かして温めておくこと。何回か素振りをしておくことです。
最初のボールにアドレスして打ち終えたら、右足を前に出すと同時にバックスイングを始め、その間に左足を前に出し、着地と同時にダウンスイングを始めます。
これをリズムよく行うことで自然に体重移動ができると同時に、体の軸を中心にクラブを振る感覚をつかめます。ボールの行方よりもリズムよく続けて打つことを優先しましょう。
ボールを縦に3つ並べて構えます
ボールを打ち終えたら、右足を前に出すと同時にバックスイングを始めます
バックスイングしながら左足を前に出し、着地と同時にダウンスイングを始めます
体重移動をスムーズにできるようになり、体の軸を中心にクラブを振れるようになります
◆さらにワンポイント! アプローチとドライバーの練習もしておきましょう!
連続打ちで体の軸を体感できたら、次にアプローチの練習を行います。すでに体の軸ができ上がっているので、いきなり打つときよりもミート率が高くなっているはずです。それを踏まえて、20ヤード先の目標を狙ってアドレスしましょう。
何球か打ってみて、20ヤードの目標をオーバーした数とショートした数のどちらが多いのかをチェックします。それがあなたの傾向になります。もしもオーバーした数が多ければ、振り幅を小さくしてみましょう。逆に、ショートした数が多ければ振り幅を大きくします。そうやってイメージと現実をすり合わせることで距離感を研ぎ澄ませましょう。
アプローチが終わったら、ドライバーに移ります。体が温まっているので、遠慮なくマン振りして結構です。気持ちよくドライバーを振り回して下さい。おそらく上級者はナイスショットをするでしょうが、ビギナーやアベレージゴルファーはミスが出ると思います。その時に出るミスが自分にとってよく出るミスだと認識しましょう。
左右に曲がるなら振り幅を気持ち小さくします。8割ぐらいのスイングで振るだけでも曲がりは小さくなります。打った瞬間に右へ飛ぶ打球が多いなら、バックスイングで左足に、ダウンスイングでは右足に体重が多く乗っていると思われます。右足にしっかりと体重を乗せながらバックスイングを行いましょう。
また、左への引っかけが多いなら、ダウンスイングで上体が目標方向に突っ込んでいると思われます。頭を動かさないように心がけてみましょう。
20ヤード先の目標を狙い、自分がオーバーしがちかショートしがちか把握しましょう
ドライバーショットは気持ちよく振ったほうがミスの傾向を把握できます
時間を短くしたいときは、7I、SW、ドライバーの3本だけ練習しましょう
◆教えてくれたのは…西山ゆかりプロ
1982年生まれ。神奈川県出身。2008年に26歳でプロテストに合格し、30歳でステップ・アップ・ツアー初優勝、33歳でレギュラーツアー初優勝。国内女子ツアーでは2勝を挙げている。
◆取材協力/藤沢ジャンボゴルフ
300打席、最長266ヤードと日本でもトップクラスの規模を誇り、広々としたキレイな施設がゴルフ女子にも愛される「藤沢ジャンボゴルフ」は、今年50周年を迎える大型練習場。より“上達”できる優れた練習環境を追求し続けるとともに、女性支配人の理念による抜群のホスピタリティで「充実したゴルフライフのサポート」「居心地の良い空間」を提供してくれる“ゴルファーのオアシス”! 打席には様々なライを再現した傾斜打席や測定器を兼ね備えた特別打席もあり、アプローチ練習場、バンカー打席、パッティング練習場も備えています。
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/藤沢ジャンボゴルフ