練習場のボールが飛ばないってホント?【女性のためのゴルフボール講座】

「うまくなりたい!」と思う、すべてのゴルファーが通う練習場。

回を重ねるうちに、見た目や打感など、コースで使うボールと違うことに気づく人もいるのでは?

もちろんそれは大正解。見た目や打感だけでなく、飛距離も違います。それはなぜかというと、練習場のボールのほとんどはレンジボールと言って、練習場専用に作られているから。

では、レンジボールとコースボールとの違いをまとめてみましょう。

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繰り返し使うレンジボールは、日本の練習場の8割以上がワンピース構造のボールを導入しています。練習場では繰り返しの打撃、着地、洗浄でボールにかかる負荷はとても大きいため割れや傷に対する耐久性が重視されているのです。

ボールの傷は、球筋にも影響するし、たびたび変えていたらコストもかかりますよね。

ですから、奥行の広い練習場ではラウンドボールに近い飛距離性能のボールが使用されていますし、狭くて飛び出しが懸念される練習場では飛距離を抑制したボールや弾道を低く抑えたボールが使われています。

最も使用されているワンピース構造のレンジボールは、コースボールより軟らかく作られています。それは、何度打っても疲れにくく、身体への負担がかかりにくいから。

なお、広い練習場ほどコースボールとの飛距離差が少なく、狭い練習場ほど多い傾向があります。

ただし、練習場の飛距離表示は、その練習場で使っているレンジボールとコースボールの飛距離差を計算していることが多いので、「150ヤード飛んだから、コースでは160ヤード飛ぶはず!」などと、加算しないように注意。

また、レンジボールと言っても、ワンピースボール(コアに塗装を施したもの)か2ピースボールか、さらにそれぞれにいくつか種類があり個性も違うので、行きつけの練習場がどんなボールを使っているかを調べてみるのもいいでしょう。

実際のラウンドでの球筋や飛距離を想像できるので、よりは有意義な練習ができると思いますよ。

◆教えてくれたのは…

吉本舞さん/USLPGAティーチングプロ。1990年生まれ。佐賀県出身。ツアープロコーチ、森守洋氏主宰の「東京ゴルフスタジオ」(東京都三鷹市)にて、レッスン中。細かくていねいな指導に定評がある。

撮影/福田文平 取材・文/たかはしよし子