春のゴルフシーズンに備えて、よくあるシチュエーションのルールをクイズ形式でご紹介。今回のテーマはクラブの取り扱いです。クラブの本数が多かったら? 人のクラブを使ってしまったら? ペナルティはあるのでしょうか。ぜひチャレンジしてみてください。
【問1】気が付いたらキャディバッグに15本のクラブが…! これってどうなるの?
アプローチをしようとクラブを選んでいたらなんとキャディバッグにAWが2本入っていました。そういえば、古いクラブを抜き忘れていたような…! 全部で15本になってしまうけど、ルールではどういう扱いになるのでしょうか?
【問2】うっかり間違って同伴競技者のクラブでストローク…!どうすれば?
カートで隣に積まれていた同伴競技者のクラブを間違って使ってしまいました。どうすればいいの?ペナルティは?
【問3】足元にクラブを置いて、スタンスを取った後にクラブをどけた。問題だった?
どうも狙った方向に身体が向いていないみたい……。クラブを足元に置いてスタンスに合わせて方向をチェックしてみると、やっぱり……。そこで、クラブを目標に向けてスタンスを取り直してスイング。打つ前にクラブはどけたから問題ないよね?
↓↓正解は……!↓↓
【回答1】気づいたホールによって異なりますが2打、または4打罰!
ゴルフ規則4.1b(1)「14本のクラブの制限」には、プレーヤーは次のことをしてはならないとして、
・14本を超えるクラブを持ってスタートすること
・ラウンド中に14本を超えるクラブを持つこと
とあります。
違反の罰としては、ストロークプレーの罰→2罰打(最大4罰打):プレーヤーは違反が起きた各ホールに対し一般の罰(2罰打)を受けるが、1ラウンドでは最大4罰打となる(違反が起きた最初の2ホールにそれぞれ2罰打を追加する)。と規定されています。
つまり、15本以上のクラブを持ってラウンドすると、1ホール目で気が付けば2打罰、2ホール目以降で気が付けば4打罰を受けることになるのです。
なお、プレーヤーは超過クラブに気が付いた時点で、マーカーかその組の別のプレーヤーに告げるまたは、他の何らかの明確な行動をとる(例えば、そのクラブをバッグに逆さまに入れる、ゴルフカートの床に置く、別の人にクラブを渡す)。などで超過クラブをプレーからすぐに除外しなければいけません。プロのツアーでも、時折、このうっかりミスが報じられることがありますね。4打罰とはなかなかヘビー。クラブを買い替えるなどの際には、ぜひ注意してください。
【回答2】2打罰です。間違って使ったことをよく謝って持ち主に返しましょう。
ゴルフ規則4.1b(2)「クラブの共有の禁止。」には、プレーヤーのクラブはスタートした時点で持っていたもの、または認められて追加されたものに制限される。として同伴競技者のクラブを使う行為は違反である旨次のように明文化されています。
• コース上でプレーしている他の誰かが使用しているクラブでストロークを行ってはならない(その他のプレーヤーが違う組や競技でプレーしている場合であったとしても)。
したがって、自分の持っているクラブの本数に関係なく、同伴競技者のクラブでストロークを行えば違反です。また、クラブを使われた同伴競技者は、そのクラブの使用を続けることに問題ありません。
1台のカートで4人分のキャディバッグを運ぶことの多いアマチュアのラウンド。番手の刻印が似ているクラブが隣のバッグに入っていれば、うっかり使ってしまうこともあるようです。ときには、同伴競技者のクラブが自分のバッグに入れられていることも!十分注意してくださいね。
【回答3】問題あり!2打罰です。
ゴルフ規則10.2「アドバイスと他の援助」の10.2b「他の援助」には10.2b(3)「スタンスをとるときの援助となる物を置いてはならない」として
プレーヤーは、足や体を位置させることを援助するためにプレーヤーによって、またはプレーヤーのために置かれた物を使用してストロークのためのスタンスをとってはならない(例えば、プレーの線を示すためにクラブを地面に置く)。プレーヤーが規則に違反してスタンスをとった場合、そのスタンスを解いたり、その物を取り除いたとしても罰を免れることはできない。
と記載されています。
したがって、クラブを足元においてスタンスを取った時点で2打罰は確定! クラブをどけてスタンスを取り直したとしても無罰とはならないのです。
狙いたい方向とスタンスの向きが違っていることってよくありますよね。そんなときは、狙いたい方向に目印を見つけて(置いたり付けたりするのはNG)ボールと目印を結んだ線にスタンスを合わせるようにしましょう。また、これから打つクラブのヘッドをボールの後ろに置いて方向を定める行為は許されています。
ところで、何本か持ってきて使わないクラブはどこに置いてますか?足元や体の前面に置くのは誤解を招きやすい行為だからやめておくのが◎。使わないクラブは、体の後方においてスイングするように習慣づけてくださいね。
参考URL:JGA公式サイト