春のゴルフシーズンを前にルールをおさらいしておきませんか? 今回はちょっとややこしい「ペナルティエリア」に関するルールをクイズ形式でご紹介。即答できればゴルフ上級者まちがいなし!? ぜひチャレンジしてくださいね。
【問1】ペナルティーエリアの赤杭と黄杭、救済方法が違うってホント?
池に入れてしまったボールの救済を受けようと、ボールがペナルティーエリアに入った地点からから2クラブレングスを測っていると、同伴競技者から、黄杭だからその方法は使えないよと注意を受けてしまいました。エッ!それではどうすればいいの…?
【問2】池のまわりペナルティエリアにボールが! そのまま打ってもいいの?
グリーンを狙ったはずのボールが、なぜか池の方向へ……。池ポチャか?! と思いきや、 ペナルティーエリアの中に入っているだけで、ボールは水に入らず無事でした。
水のない場所なので、何とか打てそうと思い、ボールにソール(ペナルティエリアの地面にクラブを触れさせる)をしてしまいました。でも、旧ルールでは、これって2打罰だったかも…? 私の処置、間違っていますか?
【問3】ボールの近くにある杭、スイングの邪魔になるときは動かしてもいい?
池に入ったかと思われたティーショット。近くまで行ってみるとぎりぎりのところでセーフ! 胸をなでおろしたまでは良かったのですが、ボールのすぐ近くにペナルティエリアを示す赤い杭が……? 同伴競技者は、スイングの邪魔になるなら抜いてもいいよと声を掛けてくれたものの、本当に抜いても大丈夫かしら?
↓↓正解は……!↓↓
【回答1】黄杭の場合、1打罰です。(1)元の場所に戻って打ち直すか、(2)ボールが横切った地点とホールを結んだ後方延長線上の救済エリア内にドロップ
規則17.1d「ペナルティーエリアの球に対する救済」によると、救済の選択肢として次の3つが挙げられています。
(1)ストロークと距離の救済
(2)後方線上の救済
(3)ラテラル救済(レッドペナルティーエリアに対してのみ)
通常のペナルティーエリアは黄杭(または、黄線など)で境界が示されます。イエローペナルティーエリアと呼ばれ、救済方法は(1)と(2)が選択できます。しかし、地形によっては後方線上に下がれないペナルティーエリアも。そのため、赤杭(または、赤線など)で標示した、レッドペナルティーエリアを設定して、最後に横切った地点から2クラブレングスの救済エリアにドロップすることができる、(3)ラテラル救済が選択肢として与えられたのです。
したがって、黄杭の場合は、池の横に出すラテラル救済は受けることができません。
【回答2】プレーできる場所にボールがあるなら、あるがままにプレーオン! 無罰です。
2019年改定ルール、規則17.1bには、「プレーヤーはペナルティーエリアから球をあるがままにプレーするか、または罰ありの救済を受けることができる」とあります。つまり、ペナルティーエリアにボールが入ってしまっていたとしても、そのままプレーが続行できるならば、救済を受けなくてもOK!
ちなみに、“ あるがままにプレーする ”を選択した場合、「ジェネラルエリアにある球に適用する同じ規則に基づいて罰なしに球をあるがままにプレーする(つまりペナルティーエリアから球をどのようにプレーできるかを制限する特定の規則はない)。」と続きます。
これまで、コース内の池や小川はハザードとして扱われ、バンカーと同じように、プレーを制限する規則がありました。改正前のルールでは、赤杭や黄杭の中のエリアにおいては、クラブや手で地面や水に触れたり、ハザード内のルースインペディメントを動かすことは禁止され、2打罰の規則となっていたのです。
2019年改定ルールでは、ハザードという概念がなくなりました。バンカーはバンカー、ウォーターハザードはペナルティエリアに呼称が変わり、プレーの際、ペナルティエリア内でソールしてもOK、 ルースインペディメントを動かすこともOKとなるなど、プレーの進行がよりスムーズになりました。
ちなみに、バンカーに関しては、ルースインペディメントは動かしても良くなりましたが、故意に砂に触れることは認められません。ソールしてしまうと、2打罰を受けてしまうので、間違えないように注意してくださいね。
【回答3】杭を動かして打ってOK! もちろん無罰。元に戻すのを忘れずに
ゴルフ規則「定義」には「障害物」は、「不可分な物と境界物を除くすべての人工物。」と規定され、障害物の例
として「杭」は次のように記載されています。
「 杭、壁、レーリング、フェンス(しかし、これらがコースの境界縁を定める、または示す境界物である場合を除く)。」つまり、杭に関しては、境界物(OB杭)以外は「障害物」として扱われるのです。
また、ゴルフ規則15.2a「動かせる障害物からの救済」には、15.2a(1)「動かせる障害物の取り除き。」として、「罰なしに、プレーヤーはコース上やコース外のどこででも動かせる障害物を取り除くことができ、その方法は問わない。」と記載されています。
したがって、ゴルフ場の杭は、OB杭でなければどんな方法で動かしても問題ありません。そして、ボールを打った後は元どおりに戻しておくことも、忘れないようにしてくださいね!
参考URL:JGA公式サイト