およそ半日を親密に過ごすことから、ゴルフラウンドは、人間関係を構築するのに最適だと言われますよね。一方、距離感を一気に縮めるきっかけにもなりやすいスポーツだからこそ、相手の“人となり”がさまざまなシーンで露呈するのも傾向です。ラウンド前の段階であるゴルフに誘う時点でも、マナーを意識しなかったばかりに、予期しない人間トラブルを招いたという話もしばしば耳にします。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とするメンタル心理カウンセラーの並木まきが、人間関係に不慮のヒビを入れかねないゴルフの誘い方をお話します。
1:知り合ったばかりの人を誘うのにもともとの紹介者に知らん顔
ゴルフラウンドをともにしたことをきっかけに「また近々行きましょう!」と意気投合するのも珍しくないお話。しかしそこで、もともとの紹介者に何も言わずに、知り合ったばかりの人をいきなりゴルフに誘うのはちょっと危険です。
人間関係は、外から見えている意外にも複雑に絡み合っているケースも多く、まだ知り合って日が浅い人を、仲介者とも言える“間に入っている人”をすっ飛ばして声をかけてしまうと、間に入っている人が不快に思いやすいだけでなく、何らかのトラブルに発展するリスクも否めません。
当人同士で人間関係が構築できるくらいの仲になっているならば話は別ですが、最初のうちだけは「先日、ご紹介いただいた○○さんをゴルフにお誘いしようと思って」「この前のラウンドでご一緒した△△さんを、ゴルフに誘ってもいいですか?」などと、間に入っていた人にひと言添えたほうが丁寧ですし、無用なトラブルも避けやすいでしょう。
2:カップルの片方だけを誘う
カップル単位、夫婦単位で親しくしている友人や知人をゴルフに誘うときには、片方だけを誘うのは、できるかぎり避けたほうが確実です。
その場では特に問題がないように思えても、カップル間では「行くor行かない」から始まり「なんで、私は誘われないのに、あなただけ誘われるわけ!?」まで、当人にとっては深刻な喧嘩のタネになってしまう可能性も低くありません。声をかけたほうはただ「楽しくラウンドに行こう」というつもりで誘っていたとしても、自分のせいで喧嘩を勃発させていると後から知れば、申し訳ない気持ちにもなりますよね。
相手に配慮をした誘い方を心がけるならば、声をかけるときにはカップル(夫婦)単位にしたほうが無難なのは間違いありません。
3:往復の「車」目当てなのがわかる誘い
ゴルフ場への往復は、キャディバッグのことを考慮すると、自家用車やレンタカーなどを使ったほうが、電車やバスで向かうよりも楽だと感じる人が多いですよね。しかし、女性同士のゴルフでは「誰もマイカーを持っていないし、免許を持っている子もひとりだけだし……」などというシチュエーションにも陥りがちなのも確かです。
そんなとき「車を出してほしいから、あの人に声をかけてみよう!」と、ゴルフ仲間でマイカーを持っている人に声をかける人も少なくありません。ところがこういった目的でのお誘いは心情としては理解できるものの、実際に「マイカー狙い」で声をかけられた人にしてみれば、複雑な心境になることが多く、人間関係にヒビが入りやすい典型でもあります。
あからさまに「車を出してほしいから誘った」と口に出さなくても、ラウンドにOKをした途端「じゃあ、当日は同伴者全員を順番にピックアップしてほしいの」などとなれば、自分がなんのために声をかけられたのか、ある程度は察する人が多いでしょう。
ゴルフはラウンド中だけでなく、お誘いをするときにも人柄やマナーが滲み出ることが珍しくありません。本人が「このくらいなら問題ないだろう」と思っていても、誘われた相手が不快な感情を抱いてしまえば、人間関係には暗雲が立ち込めます。
ラウンドの企画に声をかける時点から、相手に配慮するのが大人のマナーと言えるのではないでしょうか。
並木まき/元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。ゴルフ歴15年のエンジョイゴルファー。