ハワイで開催された、アメリカ男子ゴルフツアーのソニーオープン。プレーオフで劇的なショットを見せた松山英樹プロが優勝し、ゴルフ界を盛り上げました! 9月に開幕するアメリカ男子ゴルフツアーは、12月こそ1試合と少なくはありますが、1月に入れば再び連戦。既にツアー中盤といったところです。
では、日本のゴルフツアーは? というと、男子も女子も3月からの開幕。寒い日が続くこの時期は、まだまだオフシーズンということになります。
プロは開幕に向けてトレーニングを積む時期ではありますが、では他の関係者は? ということで今回は、試合が無ければ仕事がない『プロキャディのオフシーズン』に注目してみたいと思います。
プロキャディのSNSを見てみれば、その過ごし方も様々。トレーニングや趣味に興じているプロキャディも少なくないようです。もちろん、プロキャディだってひとりのゴルファー。自分でプレーしている様子も、あちらこちらで見ることができました。シーズンが始まってしまえば、月曜日か火曜日には会場の近くに移動し、日曜日に終わるという生活。プロキャディにとってのゴルフシーズンはまさに今なのです。
しかし、遊んでばかりもいられません。アルバイトのような形で仕事をしているプロキャディも、もちろんたくさんいます。ゴルフ場でハウスキャディをしたり、レッスンをしたりといった、ゴルフに関係した仕事が最も多いように見受けられますが、ゴルフとは全く違った仕事をしているプロキャディも少なくありません。
◆プロキャディたちのちょっと変わった副業
ゴルフにとってのオフシーズンは冬! では、冬のスポーツと言えば? ということで、今がオンシーズンであるスキーに関わる仕事をしているプロキャディがいます。スキーのインストラクターのアルバイトをしているプロキャディについて耳にはしていたのですが、どちらが本職かわからないほどバリバリと仕事をしている、そんなプロキャディをご紹介します。
【スキーインストラクター歴30年!】渡辺宏之(ワタナベヒロユキ)プロキャディ
・去年ついたプロゴルファー:倉本昌弘プロ 辻梨恵プロ/スキーインストラクター歴:30年!
長野県志賀高原を中心に、その他インストラクターが足りないところに、スキーインストラクターの派遣をしているそうです。(長野県菅平高原、兵庫県ハチ高原、等。)
現在スキーインストラクターとして働いているプロキャディは7人程。今までに、インストラクターとして斡旋したことのあるプロキャディは15人ほどだそうです。渡辺さん曰く、プロキャディはお喋りが上手なので、インストラクターとしても向いているとのこと。ラウンド中の空気作りも大事な仕事のひとつであるプロキャディにとって、楽しんでもらうための会話は、確かにお手の物かもしれません。
プロキャディ歴も長い渡辺さんが、冬の仕事仲間をスカウトしていたことが判明し、インストラクターをしているプロキャディが多いことにも納得でした。
さて、もう一人。間もなく開催される北京オリンピックで働く予定のプロキャディさんをご紹介します。
【北京五輪でも活躍予定!】神田七保海(カンダナオミ)プロキャディ
・去年ついたプロゴルファー:宮里優作プロ/通訳・翻訳・コーディネーター
フランス語、英語、日本語の3カ国語はビジネスで使えるレベルで、フランス在住でコーディネーターをされているお母様の仕事を手伝ったことが、この仕事をはじめるきっかけだったそうです。
神田さんは東京五輪の際にも活躍。フランステレビのアテンドとして従事し、現地リポーターの世話や、現地で必要なものや情報の調達などを主にされていました。その流れで、今回の北京五輪でもフランステレビクルーのマネージャーの仕事を任されることになったのだとか。180人前後来る予定のスタッフが、よりスムーズに現地で働けるような環境作りが主な仕事です。
プロキャディの中では、若手に入る神田さん。海外ツアーに参戦する際に選手が心配するのは、日常会話ではなく、試合中のルールについての会話です。聞き間違いが大きなペナルティに繋がることもあり、ルールに関する会話を難なくできるという神田さんは、これからのプロキャディ業界を担う若手のひとりと言えるでしょう。
個性豊かなプロキャディ。そのオフシーズンは、彼らの新たな可能性を見つける時間でもあります。まだ少し先のツアー開幕ですが、開幕後はプロキャディの存在にも目を向けていただけたら、また違った発見があるかもしれません。
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。