ショットに悩む女性ゴルファーも多いと思いますが、好スコアをマークしたいならパッティングの回数を減らすことです。50センチ以下の距離を確実に沈めたり、3パットの回数を減らすことができれば100を切るチャンスも出てきます。
この連載ではパッティングの基本をレッスンしながら、カップインする確率を高めるためのコツをアドバイスしていきます。ぜひあなたのスコアメイクに役立てて下さい。
第2回はグリップについてです。
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◆インパクトの衝撃でフェースの向きが変わらない強さで握りましょう
パターを握る強さは意外と重要です。インパクトではボールとパターヘッドが当たったことによる反発を利用してボールを転がすのが理想です。強く握り過ぎるとこの反発が使えず、ボールがスムーズに転がりません。転がりが速いグリーンで下りのラインを打つときには、逆にそれを利用できますが、通常は強く握らないほうがいいでしょう。
とはいえ、弱く握りすぎるのも問題です。インパクトの衝撃に耐えられず、トウ寄りにボールが当たればフェースが開き、ヒール寄りに当たればフェースが閉じるからです。当然、狙った方向にボールを打ち出すことはできません。
それではどれぐらいが適正かといえば、10段階の5ぐらいです。目一杯の力で握った状態を10とし、パターヘッドが空を向くように握り、グリップからパター自体が滑り落ちる状態を1とします。それを基準として自分なりの5を探しましょう。
グリップが弱すぎると、ボールがトウ寄りに当たった時にフェースが開きやすくなります
ボールがヒール寄りに当たるとフェースが閉じてしまいがちです
パターヘッドを空に向けた状態で持ち、グリップを弱めたときに、パターが滑り落ちてくる強さを1とします
パターを目一杯の力で握ったとき10とします。自分なりの5ぐらいの力で握りましょう
◆肩が開いてしまう人は練習でクロスハンドを試そう!
私はパッティングの際、右手が左手よりも地面に近くなるノーマルグリップで握っています。大切なのは、手だけでパターを動かさないことです。体の回転と手の動きが連動した状態でストロークできれば、ノーマルグリップでも左手が右手よりも地面に近くなるクロスハンドグリップでも、右手甲が正面を向くクロウグリップでも構いません。自分がストロークしやすいグリップを選択しましょう。
ただ、練習ではいつもと違うグリップでボールを転がすこともお勧めします。なぜなら、いつものグリップで握ったときはまた違った発見があるからです。例えば、ノーマルグリップで握っている人で、肩のラインが開いてしまう人がいたとします。その場合、クロスハンドグリップで握ると肩の開きを抑えられます。練習でそのことを意識して肩が開かなくなったら、ノーマルグリップで握ってストロークしましょう。ノーマルグリップのまま行うよりも肩の開きを修正しやすいと気がつくはずです。
同様にクロウグリップで練習することにより、普段気がつかない悪い動きを発見する可能性もあります。ぜひ一度試して下さい。
肩が開いてしまう人がクロスハンドグリップで握ると、肩の開きを抑えられます
クロウグリップも練習で試してみましょう
◆教えてくれたのは…
笹原優美 ささはら・ゆみ/92年生まれ。父の勧めで11歳からゴルフを始め、高校はゴルフ部のある法政大高校に進学。和田泰朗コーチに師事した。2011年からプロテストに挑戦、19年に7度目の受験となったが合格ならず。国内ツアーには単年登録で出場してきた。19年は中国ツアーでシードを獲得、同年11月の台湾ツアーのQTも通過し、2020年は2つのツアーを主戦場にする予定だった。
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取材・文/山西英希 撮影/村上悦子 取材協力/飯能くすの樹カントリー倶楽部