グラスバンカー攻略!長い逆目の芝から打つときは、緩やかな軌道で芝ごとボールを打とう

いざゴルフを始めたものの、どのように練習していいのか、こんなライからどうやって打てばいいのかなど、分からないことってありますよね。そこで初心者やゴルフ歴が浅いゴルファーに役立つテクニックを国内女子ツアーで2勝を挙げている西山ゆかりプロがアドバイスします。

第10回は「逆目で深いグラスバンカーからの脱出」についてです。

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Q:グラスバンカーの打ち方がよく分かりません。通常のラフとは何が違うのでしょうか?

A:芝自体が逆目で長いことが多いので、緩やかな角度でヘッドを下ろし、緩やかな角度で振り抜きましょう!

グラスバンカーにもいろいろと種類があるので一概には言えませんが、通常のラフよりも芝を長くしていることが多いようです。しかも、逆目になっていることが多いため、打つときに芝の抵抗が大きい傾向にあります。このような場合、まずはボールのライをしっかりと確認することが大切です。

芝の上に浮いているようでも、実はボールと地面の距離がそれほどなかったりすると、ホームランになってしまうし、逆に浮いていないと思ったのに、意外とボールと地面の距離があったりすると、クラブヘッドがボールの下を潜り抜けるダルマ落としになるからです。

そこでお勧めなのが、どのようなライにでも対応できる打ち方です。バンカーショットと似ていますが、まずはクラブフェースを時計の1時ぐらいに開きます、オープンスタンスに構えますが、スタンス幅は広くしません。ボールをスタンス中央ぐらいにセットしたら、体の回転でクラブを上げて下ろします。その際、ボールを直接打とうとせずに、ボールの手前からヘッドを下ろし、芝とボールを一緒に運ぶイメージでクラブを振り抜きます。できれば、鋭角にヘッドを下ろすのではなく、緩やかな角度で下ろし、インパクト後も緩やかな角度で振り抜きます。スタンスの向きに沿って振り抜くので、軌道はアウトサイドインのカット打ちになります。

できれば、ボールを打つ前にライに影響が出ないところで素振りをしましょう。芝の抵抗がどれぐらいあるのか分かりますし、ボールと地面との差もつかめます。ただし、芝の抵抗が大きいからといって、クラブを強く握らないこと。そうかといって、ゆるゆるでも握りません。腕や肩に力が入らない程度の強さで握りましょう。

ボールの手前にヘッドを下ろし、芝ごとボールを運ぶつもりで振り抜きましょう

緩やかな角度でボールの手前にヘッドを下ろし、緩やかな角度で振り抜きましょう

◆さらにワンポイント!ボールが芝に沈んでいるときはフェースを開かずに上からドン!

芝の中にボールが沈んでいる場合は、より芝の抵抗が大きくなるので打ち方を変えます。オープンスタンスで両足を広げないのは同じです。異なるのはフェースを開いて構えないこととボールをスタンスの真ん中よりも1個分ほど右に置くことです。

体を使ってクラブを上げたら、ドンとボールの後ろにヘッドを下ろします。芝の抵抗が大きいので振り抜く必要はありません。インパクトで終わりのイメージです。フェースを開かず、ボールを右に置いた分、ロフトが立った状態でインパクトを迎えるため、通常よりもランが多く出ます。したがって、振り幅はあまり大きくしないほうがいいでしょう。

なお、芝がネックに絡まり、左を向くことも考えられるので、保険として目標の右にフェースを向けて構えることをお勧めします。

ボールが埋まっているときはフェースを開かずに構えましょう

ボールが埋まっているときは振り幅を小さくしてインパクトで終わるイメージで打ちましょう

◆教えてくれたのは…西山ゆかりプロ

1982年生まれ。神奈川県出身。2008年に26歳でプロテストに合格し、30歳でステップ・アップ・ツアー初優勝、33歳でレギュラーツアー初優勝。国内女子ツアーでは2勝を挙げている。

◆取材協力/藤沢ジャンボゴルフ

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画像/藤沢ジャンボゴルフオフィシャルHPより

300打席、最長266ヤードと日本でもトップクラスの規模を誇り、広々としたキレイな施設がゴルフ女子にも愛される「藤沢ジャンボゴルフ」は、今年50周年を迎える大型練習場。より“上達”できる優れた練習環境を追求し続けるとともに、女性支配人の理念による抜群のホスピタリティで「充実したゴルフライフのサポート」「居心地の良い空間」を提供してくれる“ゴルファーのオアシス”! 打席には様々なライを再現した傾斜打席や測定器を兼ね備えた特別打席もあり、アプローチ練習場、バンカー打席、パッティング練習場も備えています。

撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/藤沢ジャンボゴルフ

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