【諸見里しのぶプロがナビゲート】2020年も女子ツアーが面白い!【1】

今シーズンの試合数は37試合。東京五輪の影響などで、昨年よりも微減とはいえ、複数の大会で賞金総額がアップ! 3か月のオフもあっという間に終わり、開幕を迎えたプロたちの仕上がりはいかに? 女子ツアーの見どころを要チェック!

◆「 ルーキーからベテランまで 誰がブレイクしても不思議はありません」(諸見里しのぶ)

1986年沖縄県生まれ。2006年の初優勝を皮切りに、日本女子オープンほかメジャー3勝を含むツアー通算9勝。ケガに悩まされ1年間の休業を挟むも、シード復活には届かず。2019年をもってツアーから撤退。
5月2日には聖火ランナーとして、出身地の沖縄県内を走る予定

ー 昨シーズンで第一戦から退くことを表明されました。今はどんな毎日を過ごされていますか?

昨年、12月25日に打ち納めをして、まだクラブは握っていないんです(※取材日は1月10日)。例年であれば年明けすぐに目標を決めて、2日にはランニングを始めてる、というルーティンだったので、すごく贅沢な時間を過ごしてます。9歳でゴルフを始めてから20年以上、こんなにゆっくりした生活は初めて。クラブ、いつ握ろうかな、って(笑)。目覚ましをかけないで寝られることも、すごくうれしい。まぁ、それでも長年の習慣が染みついていて、朝7時には目が覚めちゃいますけどね。

ー 今後のご予定は?

開幕戦には出場予定です。でもその後はコースセッティングなどに関わらせてもらいながら自分に何が出来るのか、どうお役に立てるのか、ゆっくり探していきたいなと。

ー プロから見て、今の女子ツアーの面白さはどこにありますか?

私がプロになった頃(2005年)と比べたら、格段にレベルが上がっています。予選のカットラインも昔は3オーバーくらいで通りましたが、今はどんなに強風の日だろうが、パープレーくらい。予選を通ること自体、実はものすごくハイレベルな争いになっているんですよ。

ー 今年は東京五輪もありますね。

胸に日の丸があるって、いつものツアーとはメンタルが全然違う。すごいプレッシャーなんです。私は2007年のワールドカップに、上田桃子ちゃんと組んで出場しましたが、初日は緊張で潰れました(苦笑)。でも今、候補に挙がっている選手を含め、若い選手たちは注目を浴びてもそれをモチベーションに変えていける力がある。だから、東京五輪に限らず、今年の女子ツアーもすごく楽しみにしています!

◆2020 LPGA TOUR! 見逃せない5つのポイント

諸見里しのぶプロに、共に戦ってきた仲間だからこそわかる、注目のポイントを教えてもらいました。コレさえ押さえておけば、もっと面白くなる!

【1】昨年同様 賞金女王 は最後まで予測不可能!?

誰も想像すらしていなかった、渋野日向子さんの快進撃。昨シーズンの開幕前、名前すら知らなかった人も多いのでは。でも最後までもつれ、みんながワクワクする展開になりましたよね。それは2020年も同じだと思います。さぁ、誰が大化けするでしょうか!?

【2】韓国勢 を牽引するのはペ ソンウと申ジエ!

ペ ソンウさんは昨シーズン2勝のうち、1勝は最終戦の「リコー」。勢いもあるし、賞金女王争いに加わる可能性も大。申さんが昨年達成した女子ツアー史上初の平均ストローク60台は偉業。強さは健在です。

【3】積み重ねた経験は武器!ベテラン勢もあなどれない

注目しているのは穴井詩さんと成田美寿々さん。穴井さんは年を重ねるごとに上手くなってる印象ですし、成田さんはどんな状況でも楽しんでプレーできる選手。どちらもとても魅力的です。ほかにも桃子や智恵ちゃんなど、30代の活躍も期待してます。

【4】いち早く 2勝目 を挙げる黄金世代は誰!?

「2勝目をどれだけ早く挙げられるかで、その先の勝利数が変わってくる」。私がプロになってすぐ、片山晋呉さんに、そう教えていただきました。事実、早くに2勝目を挙げた渋野さん、勝さん、畑岡さんはその後も勝利。そういう意味では、黄金世代ではないですが、初Vの翌月に2勝目を挙げた柏原明日架さんも注目。

【5】いよいよ東京五輪! 日本代表 の座は誰が!?

開催されるのは名門、霞ヶ関カンツリー倶楽部・東コース。グリーンが難しく、正確性と小技勝負が求められる林間コースです。自国開催ですから、それはもう盛り上がらないはずはない。個人的には藍さんがフジテレビのアスリート・メーンキャスターに就任されたのも楽しみです!

撮影/村上悦子、Getty Images レイアウト/信田千絵(m-create)