佐伯三貴の近況報告【コーチとして後進育成は予想外!?】

ツアーを離れても現場にいることもありますが、テレビなどで試合を見ることが多い最近ですが、今年はすごくうれしいことがありました。東北福祉大ゴルフ部の後輩、松山英樹がマスターズ優勝です。マスターズ優勝で、彼は何かの呪縛から解き放たれたように見えますね。

画像/日本中が歓喜した松山英樹プロのマスターズ優勝!

彼とは、時々、連絡を取り合っています。元々、本当にストイックなのですが、マスターズ優勝後は初めて「自分で自分をほめてあげたい」というようなことを言っていました。ホッとしたのでしょうね。

そんな松山を祝福したのはもちろんですが、私からは厳しい返事を返しておきました。「ホッとしていないで他のメジャーに全部勝ってね。もっともっと自慢の後輩になりなさい」と。十分自慢の後輩ですが、もっと活躍して欲しいですからね。

それにしても、今年の日本ゴルフ界はビッグニュースが立て続けに届きます。4月に松山がマスターズで勝ったと思ったら、6月には全米女子オープンで笹生優花さんが優勝。それも畑岡奈紗さんとのプレーオフで、です。全米女子オープンで日本人同士のプレーオフが見られる日が来るなんて、びっくりしました。本当にレベルアップしているんだな、と実感しました。勝った笹生さんは元々海外志向で言葉のカベがなかったのも大きい。コミュニケーションに不自由しなかったということもあったでしょう。

私たちの頃は、メジャーに出る、というだけで騒がれました。宮里藍ちゃんがアメリカで活躍したりして、メジャー出場は当たり前、になった。みんなが勝てるかもしれない、という気持ちになっていった。レベルの底上げもされて、優勝争いが現実のものとなって行きました。2018年の渋野日向子さんの全英女子オープン優勝で日本のレベルが上がったことが証明されて、さらに変わりました。
15年くらい前には、韓国勢の強さを日本人は指をくわえて見ているしかない感じだったのですが、時代が変わったんだな、と思います。

やはり強い人が目の前にいるのといないのでは全く違います。海外のNo.1やメジャー優勝者を見ているか、見ていないか。情報は豊富にある上に身近で「こう言うゴルフがあるんだ」と感じることができるのは財産です。

2021年は、日本のゴルフ界にとって、大きな意味を持つ年になりました。これまで、ゴルフの試合を見たことがある方はもちろん、そうでなかった方も、まずはテレビで、機会があればぜひ、現地で観戦してみてください。ますますゴルフへの興味が強くなるはずですよ。

取材・文/小川淳子 写真/Getty Images

1

2

おすすめの関連記事