佐伯三貴が教える、観るゴルフの新たな楽しみ【インターネット中継のススメ】

こんにちは、佐伯三貴です。気持ちのいいゴルフシーズンになりました。みなさんは、自分でプレーするゴルフも画面で観るゴルフも、両方楽しんでいらっしゃいますか?

今日のテーマは、観るゴルフ。そのさまざまな可能性についてお話したいと思います。

◆テレビ中継とインターネット中継、メリットとデメリットは?

日本の女子ツアーで、昨年の末から少しずつ始まっていたインターネット配信が、今年はほとんどの試合で見られるようになりました。ニュースにもなったので、お聞きになっている方も多いかと思います。もうご覧になった方もいらっしゃることでしょう。私も時々、解説をさせてもらっていますが、予選ラウンド初日からライブで1日中、プレーが見られるのは、やはり魅力です。

これまでおなじみだったテレビ中継は、プロゴルフツアーの普及には大きな役割を果たしてくれました。ただ、広いゴルフ場全体で大掛かりな撮影をするのは難しいため、終盤ホール中心の撮影でした。テレビ局の編成の都合や、試合が終わる時間がはっきりしないこともあって録画中継になってしまうことも少なくありませんでした。

インターネットがない頃はもちろん、これほど普及する以前なら、録画中継を待つのも自然なことでした。けれども、放送終了時間が決まっているとプレーオフになるかどうかがわかってしまうようなこともありました。現代のようにネット社会になると、結果がわかってからテレビ放送があるということになってしまっていたのも事実です。

それでも、地上波の場合は無料で見られるし、テレビさえあればチャンネルを合わせれば簡単にみられるというメリットもあります。ゴルフを見ようと意識しない人が、自然にみてくれることもあるのは地上波ならではです。BS放送やCS放送の場合は料金が発生しますが、地上波よりはフレキシブルに対応してくれることも印象が強いですね。

さて、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が力を入れて、今年からほとんどの試合をライブで見られるインターネット中継を観るにはお金がかかります。ゴルフが好きで、PGA(米)ツアーをいつも見たい、というような方ならGOLF TV、サッカーなどほかのスポーツも見たいという方はDAZNと契約することで、ネット環境さえあればどこででもパソコンやスマホなどで試合が見られます。

これまでの地上波のように決まったホールだけが流れるわけではないので、1番から18番までを追うように見ていると、実際に会場に行って見ているような、選手と一緒にプレーしているような気分になれるのも魅力です。

今までは無料だった代わりに、NHK以外の民放だとCMが頻繁に入っていたのですが、インターネット配信ならそれもありません。現場で生のプレーを見ているのに限りなく近いスポーツ本来の楽しみ方だと感じます。ライブでも、追っかけ配信のような形でも、好きな時間に見られるのもいいですね。

ただ、登録してお金を払うと事がイヤだとか、パソコンやスマホの画面では小さくて観にくいという声も多く聞きます。登録に関しては、どなたか詳しい方に最初だけしてもらえば簡単だし、パソコンやスマホをテレビの大きな画面につないで楽しむ方法もあるので、調べてみて損はないはずです。

無料で見られる地上波、有料のインターネット中継と、どちらにもいいところも、残念なところもあります。一長一短なので、みなさんは自分に合った方法で、観るゴルフを存分に楽しんでください。

◆現場に近い臨場感を得られるインターネット中継をぜひ楽しんで

地上波でも経験したことがある解説のお仕事は、インターネット中継でもさせていただく機会があります。トーナメント解説は人それぞれだと思いますが、私のモットーははっきりズバッと話すこと。ズバッと話すということと、トゲがあるということは違います。プレー内容やスイング、マナーなどについて、できる限りみなさんにわかりやすく伝えるために、オブラートに包むことなくはっきりとした解説をしていきたいと思っています。ご覧いただければうれしいです。

ゴルフ場の自然やインパクトの音、選手から伝わる緊張感、ギャラリーの喝采…。トーナメントは生で楽しむのが一番です。今のところすべての試合がお客さんに来ていただいて開催されるようにようやくなりましたが、それでもまだ人数制限は行われています。全国で試合があるので、お近くの機会もそう多くはありません。

それでも、現場に近い臨場感を得るには、インターネット中継を見るという新たな楽しみ方があることは忘れないでください。優勝争いをしている選手以外にも、お気に入りの選手が見つかるかもしれません。

取材・文/小川淳子 写真/Getty Images 

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