小滝水音プロが達成!  ステップアップツアーとレギュラーツアーを同年に優勝した選手は何人目?【数字でスゴさを読み解く国内女子ゴルフツアー】

国内女子ツアー第20戦「大東建託・いい部屋ネットレディス」でツアー初優勝を飾った小滝水音(こたき みお)プロ。黄金世代としては13人目のツアー優勝となりましたが、実はこの小滝プロ、結構すごい記録を達成しているんです。それは、同じ年にステップアップツアーとJLPGAツアーの両方で優勝を達成したことです。JLPGAによると、史上4人目の記録とのこと。試合数は少なかったものの、ステップアップツアーは91年から始まっています。33年間で4人しかいないって結構すごいと思いませんか?

小滝水音プロ (Getty Images)

◆ファイナルQT114位から、JLPGAツアー初優勝へ!

記録のことを語る前に、小滝水音プロについて軽く触れておきましょう。茨城県ひたちなか市出身の25歳でいわゆる黄金世代の生まれになります。7歳からゴルフを始め、19歳でプロテストに合格。翌年の18年からJLPGAツアーに参戦しますが、賞金ランキング66位でシード獲得ならず。それでも終盤戦の「樋口久子 レディスゴルフトーナメント」で3位タイに入ると、次戦となった「伊藤園レディスゴルフトーナメント」でも4位タイに入り、ポテンシャルの高さを証明しました。

早い時期での優勝も期待されましたが、首のケガなどもあり、その後は思うような結果を残すことができなかった小滝プロ。昨年のファイナルQTでも114位に終わり、今季はステップアップツアーでさえ全試合に出場できるかどうか分からない状態でした。ただ、向上心を無くすことなく、このオフはスイングを見直し、アイアンショットを徹底的に練習。特に100ヤード以下の距離感を磨くことに集中しました。

その練習が早速実を結ぶことになります。5月に開催されたステップアップツアーの「CTBCレディスオープン」でプロ初優勝を飾ったのです。「デビューしてからずっと同い年が優勝するシーンを見てきただけに、自分も今回優勝できてよかったです」と語っていた小滝プロ。その権利でステップアップツアーの残り全てに出場できることになり、賞金ランキング上位2人に与えられる来季のJLPGAツアー前半戦の出場権を獲得することが目標となりました。

すると、3週後のJLPGAツアー「リシャール・ミルヨネックスレディスゴルフトーナメント」で8位タイに入ったことで、リランキングの順位が43位に浮上。後半戦に出場できるチャンスが巡ってきたかと思うと、後半戦の4戦目となった「大東建託・いい部屋ネットレディス」でJLPGAツアー初優勝を飾ったのでした。

◆【ステップアップツアー優勝の年にJLPGAツアー2勝】記録保持者は川﨑春花プロのみ!

ステップアップツアーとJLPGAツアーを同じ年に制したのは小滝プロで4人目です。

第1号は01年の「穴吹工務店レディースカップ(第6回)」と「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」に優勝したジュリー呂プロでした。台湾出身の当時25歳で前年のプロテストに合格したばかりの新人だったものの、台湾ではアマチュアの試合で20勝以上挙げている実力の持ち主でした。その後、01年の「カトキチクイーンズゴルフトーナメント」で2勝目を挙げましたが、15年1月にJLPGAを退会しています。

2人目は14年の鈴木愛プロ。「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」でステップアップツアー2勝目を挙げると、「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」でJLPGAツアー初優勝を飾りました。当時20歳128日だった鈴木プロですが、06年に宮里藍プロがつくった大会最年少記録を更新するものでした。その後の活躍は皆さんもご存知だと思いますが、賞金女王に2度輝き、JLPGAツアーの優勝回数も17回に伸ばしています。

3人目は昨年の「山陰ご縁むす美レディース」でステップアップツアー初優勝、鈴木プロと同じく「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯で」JLPGAツアー初優勝を飾った川﨑春花プロです。当時19歳133日だった川﨑プロは鈴木プロの大会最年少記録を更新。史上5人目の大会初出場初優勝を飾りました。しかも、大会の予選会から勝ち上がっての本戦優勝は史上初の快挙でした。

ちなみに、川﨑プロはこの年の「NOBUTA GROUPマスターズGCレディース」でも優勝。ステップアップツアーに優勝した年にJLPGAツアーで2勝を挙げたのは川﨑プロだけです。果たして、小滝プロが年内に優勝し、川﨑プロの記録に並ぶか要注目ですね。

取材・文/山西英希

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