国内女子ツアー第21戦「楽天スーパーレディース」で今季2勝目を飾った櫻井心那プロ。同じ7月に開催された「資生堂 レディスオープン」でツアー初優勝を挙げたばかりですが、10代でJLPGAツアー2勝を達成したのは史上9人目でした。スピードでいうと史上5番目の速さ。昨年、ステップアップツアーで5勝を挙げた櫻井プロですが、JLPGAツアーでも旋風を巻き起こせるでしょうか!?
◆宮里藍プロは10代で8勝!
櫻井心那プロは04年2月13日生まれの19歳。長崎県出身で21年のプロテストに合格しました。早生まれとはいえ、17歳でプロゴルファーになったわけです。18歳だった昨年はステップアップツアーに参戦。そこで新記録となる年間5勝を挙げ、見事賞金女王となりました。その権利で今季はJLPGAツアー前半戦に出場し、第1回リランキングで3位となり、後半戦の出場権も獲得。するといきなり資生堂レディスオープンでJLPGAツアー初優勝を飾ったのです。
「次の目標は地元の長崎で開催される日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯で優勝することです」と語っていた櫻井プロですが、それよりも先に楽天スーパーレディースでツアー2勝目を挙げました。
10代でツアー2勝を挙げた選手は過去に8人います。達成した若い年齢順に言うと、畑岡奈紗プロ(18歳254日)、宮里藍プロ(18歳262日)、笹生優花プロ(19歳71日)、ポーラ・クリーマープロ(19歳79日)、川崎春花プロ(19歳175日)、比嘉真美子プロ(19歳234日)、横峯さくらプロ(19歳286日)、平瀬真由美プロ(19歳357日)です。そこに櫻井プロが加わりますが、19歳167日だったので史上5番目の速さとなります。
名前を見ると、賞金女王もいれば、海外メジャーチャンピオン、世界ランキング1位などそうそうたる顔ぶれです。ある意味、本当に力のある選手でなければ10代でツアー2勝を挙げることは難しいのでしょう。その意味では、櫻井プロの今後の活躍はかなり期待できると言えますね。
ちなみに、10代で3勝した選手は畑岡プロと宮里プロしかいません。さらに、10代で4勝したのも畑岡プロと宮里プロのみ。5勝となると宮里プロだけです。気になったので、宮里プロが10代で何勝したのか調べてみると、8勝していました。いくらここ数年に10代の若手が台頭してきたとはいえ、宮里のプロの活躍度は破格です。ゴルフ界が藍ちゃんブームになったのも理解できますよね。
◆今年も調子の波に乗れるか!?
また、櫻井プロは今年の7月だけで2勝を挙げたことになりますが、初優勝を飾ってから、同じ月に2勝目を挙げた選手は過去に8人います。古い順から言うと、西田智慧子プロ(90年10月)、城戸富貴プロ(93年3月)、元載淑プロ(94年5月)、表純子プロ(05年7月)、全美貞プロ(06年7月)、笹生優花プロ(20年8月)、西郷真央プロ(22年3月)、岩井千怜プロ(22年8月)です。櫻井プロはここでも史上9人目の達成となります。よくツアー初優勝よりも2勝目のほうが難しいと言われるだけに、やはりこれもすごい記録なのかもしれません。
櫻井プロは身長166センチ、体重62キロと女子プロの中では比較的大柄な部類に入ります。その体格を活かした豪快なドライバーショットは大きな武器となっています。実際、今季のドライビングディスタンスでは256・32ヤードで3位に入っています。本人の話によると、優勝した資生堂レディスオープンの練習日から100ヤード以内の距離を徹底して練習し、その精度を上げたことが結果につながっているとのことです。ドライバーが飛んで短い距離を正確に打てるようになれば、バーディチャンスにつく回数も増えるわけですから、好スコアが出るのも自然な流れかもしれません。
昨年もステップアップツアーで2勝目を挙げてから、調子の波に乗り5勝を挙げた櫻井プロ。そう簡単には行かないと思いますが、今年のJLPGAツアーでも同じように好調の波に乗ることができるか要注目ですね。
取材・文/山西英希