2日間で17アンダーも…神谷そらプロがあと一歩で逃したツアー新記録とは?【数字でスゴさを読み解く国内女子ゴルフツアー】

国内女子ツアー第23戦「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」では菅沼菜々プロが涙のツアー初優勝を飾りました。その裏で秘かに悔しい気持ちを抑えていたのが、菅沼プロにプレーオフで敗れた神谷そらプロです。実は神谷プロが優勝していたら、ある記録を塗り変えていました。果たしてその記録とは?

Getty Images/〈左から〉 菅沼菜々プロ 、神谷そらプロ

◆成田美寿々プロの【53位タイから優勝】記録に続く⁈

「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」初日、神谷そらプロは2バーディ、3ボギーとスコアを伸ばせず、73の1オーバーでホールアウト。首位と9打差の74位タイと大きく出遅れました。ところが、2日目に大爆発。2イーグル、7バーディ。ノーボギーの61をマークして、一気に首位と3打差の2位タイにまで浮上しました。

「初日はパッティングのタッチが合わず、チャンスについても決め切れませんでしたが、今日はタッチを合わせることだけに集中したのがよかったかも」と神谷プロ。今季1ラウンド2イーグルを達成したのは、なんと6人目でこれはJLPGAツアー史上最多の人数となります。ちなみに、今季1ラウンド2イーグルを達成したのは、稲見萌寧プロ、テレサ・ループロ、内田ことこプロ、川岸史果プロ、岸部桃子プロでした。

人によってイーグルの取り方は様々ですが、神谷プロの場合、さすがドライビングディスタンス第1位の飛ばし屋だけあって、どちらもパー5で2オンに成功して1パットで決めたイーグルでした。ただ、今回の注目点はそこではなく、神谷プロの大まくりにありました。

トーナメントの場合、初日に出遅れると巻き返すのは容易ではありません。特に3日間大会ではなおさらでしょう。過去3日間大会で初日に出遅れながら、最終的に優勝カップを手にしたのは、13年「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」での成田美寿々プロです。初日に53位タイと出遅れながら、2日目に65をマークして6位タイにまで順位を上げ、最終日も65をマークしてついに首位タイに。最終的に通算14アンダーでホールアウトし、リ エスドプロとのプレーオフを制しました。

◆プレーオフに敗れるも……驚異的な【2日間で17アンダー】!

今回の神谷プロは初日74位タイから2位タイへ最終日に優勝を飾れば、成田プロの大まくりV記録を塗り替えることになります。前半のハーフで3つ伸ばした神谷プロは後半も2つ伸ばし、首位の菅沼プロに1打差まで迫ります。そして迎えた最終18番パー4。神谷プロは第2打を1メートルにつけ、バーディを奪い、ついに首位タイに並んだのです。

決着は成田プロのときと同じように最終18番でのプレーオフに持ち込まれました。1ホール目、神谷プロは2オンに成功。ところが3パットでボギーに。菅沼プロもボギーだったので敗退を免れましたが、2ホール目でパーの神谷プロに対し、菅沼プロがバーディを奪い決着。惜しくも記録更新とはなりませんでした。

「負けたことは悔しいんですが、初日の1オーバーから考えると巻き返せたのは良かったなと思います。初日にもう少しショットとパットがかみ合ってくれれば良かったんですね」

プレーオフを終えると、笑顔で菅沼プロを讃えた神谷プロ。自分の力を目一杯に出せたという満足感と負けた悔しさが混在していたでしょうが、周囲にスポーツマンらしい清々しさを感じさせたのは間違いありません。敗れたとはいえ、2日間で17アンダーを叩き出した破壊力はかなりのインパクトを与えました。近い将来、必ずやツアー2勝目を飾ることでしょう。

取材・文/山西英希

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