国内女子ツアー第33戦「NOBUTA GROUPマスターズGCレディース」では、菅沼菜々プロがツアー通算2勝目を飾りましたが、今大会を最後にイボミプロがツアーから引退しました。そこで、今回はボミプロが残した数字について調べてみました。
◆プレーオフでは最多の9勝をマーク
ボミプロが最初にJLPGAツアーに出場したのは、11年のダイキンオーキッドレディスです。この試合で3位タイとなり、賞金520万円を獲得。以来、289試合に出場し、生涯獲得賞金8億6632万2664円(11位)を手にしたのです。ちなみに、11年は14試合に出場して一度も予選落ちはありませんでした。ツアー通算21勝(15位)を挙げていますが、初優勝は12年の第2戦ヨコハマタイヤPRGRレディスでした。なお、その翌週に開催されたTポイントレディスでは自身初の予選落ちを喫しています。
15、16年には2年続けての賞金女王に輝いており、15年の2億3049万7057円は、JLPGAツアーで初めて獲得賞金額が2億円を超えたものでした。日本では12シーズン(13年間)戦ったボミプロですが、平均ストロークの数字が最も良かったのは15年の70.0922です。惜しくも70台を切ることができませんでしたが、これは歴代6位の記録であり、高い数字であることには間違いありません。
部門別記録で1位を獲得したのは、13年のパーセーブ率(89.491%)、3パット率(1.6734%)が最初で、15年は年間トップテン回数、メルセデスランキング、賞金ランキング、平均ストローク、パーオン率、パーセーブ率、ダブルボギー率、バーディ数、60台のラウンド数でトップになりました。続く16年はメルセデスランキング、賞金ランキング、平均ストローク、パーオン率、パーセーブ率、リカバリー率、60台のラウンド数で1位でした。
ホールインワンを達成したのは、14年の日本女子プロ選手権での一度きりですが、プレーオフは歴代最多タイに並ぶ9勝を挙げています。ちなみに、最多タイの選手は3人おり、樋口久子プロ、涂阿玉プロ、不動裕理プロと、皆賞金女王のタイトルホルダーです。また、ボミプロはプレーオフに負けたのは2度(15アクサレディス、16ニトリレディス)ありますが、奇しくも対戦相手は同じ選手で、笠りつ子プロでした。どちらも、賞金女王を獲得したシーズンでした。
◆19ラウンド連続アンダーパー
面白いのは、開幕戦からの出場トップテン入りという記録を持っていることです。16年シーズンになりますが、6位、優勝、2位タイ、4位タイ、3位、4位タイ、2位タイ、4位タイ、4位タイ、2位タイ、3位タイ、優勝でした。2位タイは大迫たつ子プロ、涂プロ、不動プロ、横峯さくらプロの8試合連続でした。
15年シーズンにはなんと年間7回もの2位に入ったボミプロ。シーズン2位最多記録かと思いきや、あと一歩及ばず、ここでも2位タイでした。1位は年間8回の涂プロで、2位以下は大山志保プロと西郷真央プロでした。
2位と言えば、連続アンダーパー記録でもボミプロは2位に入っています。14年日医工女子オープン第1日から14年日本女子プロ選手権第1日までの19ラウンドです。1位はアニカ・ソレンスタムプロの22ラウンド連続でした。ただ、これはシーズンをまたいでの記録となるため、同一シーズンに限れば、ボミプロと07年の横峯プロが1位となります。
ボミプロの場合は、実質的な活動期間が短かったため、通算記録で上位に名を連ねるのは難しいかもしれませんが、それでもいくつかの記録では上位に入っています。記憶はもちろん、記録にも残った選手と言えるでしょう。13年間、お疲れ様でした。
取材・文/山西英希